ワンダーランド
夢でありつづける場所なんてどこにもない。新しい変化を求め続ける限りずっと同じはありえない。人間は貪欲だ。そうやって知らないことを覚えたがるのに時折 振り返ってその時間に浸ってみたりなくしものを探してみたりする。強引にこの時間を引き裂いてまでも失った時間に固執してみたりする。僕には忘れたい過去がある。忘れたくて 忘れたくても簡単にあの日に戻れてしまう。そうして引きずり込まれてしまうんだ。そうしてすぐに心を閉ざしてしまうんだ。'足元ばかり見るな。上手くなるためには前を向かなきゃダメだ。'わかってるんだ。過去は過去で今とは違う。古い記憶は美化されていたりもするし曖昧であったりもする。それでも過去に囚われていたいと思うのはそこが一番暖かくて優しい記憶だったからだ。まだ子供だった僕は上手に記憶をすり替えることができた。幸せな優しい記憶へ。そしてすれ違って見えていた過去が正された時何も見てこなかった知ろうとしなかった僕に何が残るんだろう。知らなかった想いに触れてずっと避けてきた時間に触れてずっと知りたかった真実を耳に無理やり詰め込んでここに存在する闇に触れた。互い違いにかけられていたボタンを整理して間違っていた思い出を整頓して繋がっていた過去と結びつかなくなった今がようやくひとつにまとまってそうしてやっと灯ったんだ。小さな小さな光が その手の温もりを抱きしめられていたその感触を思い出すことができたから。この涙はきっと明日を生きる希望となる。過去と共に生きていく力になる。幼い頃の僕と共に歩いていこう。