これまでアニメシリーズでは、デジモンセイバーズに限らず、数多くのデジモン達が登場してきました。主役から主人公のサイドの味方、そして悪役になったものまで、実に様々です。
そして、遂にこのデジモンもアニメシリーズに登場しました。
そう、アルフォースブイドラモンです。
このデジモンを語る上で欠かせないのは、なんといっても、漫画『デジモンアドベンチャーVテイマ-01』の主人公デジモン・ゼロ(ゼロマル)でしょう。
ゼロは作中で、ブイドラモン→エアロブイドラモン→アルフォースブイドラモンへと進化していきました(以下、この3体をまとめて「ブイドラモン系」の呼ぶ)。しかし、デジモンアドベンチャーからデジモンフロンティアまでのアニメシリーズには、ブイドラモン系のデジモンは一切登場しませんでした。ちなみに、漫画「Vテイマ-01」は、デジモンアドベンチャー放映開始時から、デジモンフロンティア放映終了後までの期間中、ずっと連載していました。
記念すべき、ブイドラモン系のアニメ初登場ともなる、デジモンセイバーズでのアルフォースブイドラモンの登場。それは、漫画の主人公の華々しいブラウン管デビューにはほど遠い、あまりに醜いものでした。
今回のシリーズでも、ロイヤルナイツは、物語後半に主人公の敵役として登場しました。今作では、前作のようにロードナイトモンとデュナスモンだけではない。放映された時点で公表されていた、「空白の席」という設定であるアルファモンを除いた全てのロイヤルナイツが、第40話にて一斉登場しました(但しスレイプモンは味方として登場)。もちろん、アルフォースブイドラモンも…。
かつて漫画の主人公だった、しかもそのために作られたデジモンであるアルフォースブイドラモンでさえも、この時は普通に悪役でした。
この時、「悪役」として登場したロイヤルナイツの中には、アルフォースブイドラモン以外にも、かつて主人公だったデジモンが何体かいます。それらのデジモンはいずれも、これまでのアニメや映画で、主人公として大きな活躍をしています。特に、オメガモンとデュークモンは、全デジモンの中でも屈指の人気を誇っています。ところが、アルフォースブイドラモンが活躍したのは、アニメや映画とはどうしても見劣りしてしまう白黒の漫画で、知名度も、アニメや映画と比べると、高くありません。過去のアニメシリーズや劇場版は知っていても、漫画「Vテイマ-01」は知らないという人も、決して少なくはないでしょう。
他の主人公ロイヤルナイツとは違い、アルフォースブイドラモンは、ブラウン管初登場は、いきなり悪役です。さて、そんなアルフォースブイドラモンの扱いはいかなるものでしょうか。
ロイヤルナイツが舞い降りるシーンで、初登場。ゴツモンにも名前を言われていました。ロイヤルナイツについての解説時の絵では、何気に一番前にいました。
ところが、他のロイヤルナイツ達と共に、整列したり、イグドラシルにひざまずいたり…。さらには、イグドラシルが、大達を消し去れと言った際に、ロードナイトモンとデュナスモンの、フロンティア悪役タッグと共に、無言で腕を振り上げたり。
まるで、機械のようです。
さらに言えば、こいつら完全に「その他の悪役」ポジションです。(40話だけで言うと、クレニアムモンとデュークモンは、よく喋っていた。マグナモンも、逃げるスレイプモンに対し技を使い、声を出していた)
アルフォースブイドラモンとデュナスモンとロードナイトモン。この3体は、デュークモンがやられた後に、またしても3体まとめて、人間界を攻撃しているシーンが写ります。ちなみに、後の展開によってオメガモンやマグナモンも人間界へ来ていることがわかりますが、元アニメの主人公であるこの二者が人間界へ侵攻しているシーンは写っていません。なんて巧くできているのでしょうか。アルフォースブイドラモン達には、出撃前のイグドラシルとのやりとりなんてものもありません。そして、デュークモンやドゥフトモンとは違い、手下のデジモン達(ナイトモン)もたくさん引き連れています。
そういえば、デジモンカードでも、ロイヤルナイツの中で、アルフォースブイドラモンとロードナイトモンとデュナスモンは弱かったです。ひょっとして、この3体の扱いは、それを意識してのものなのでしょうか?
さて、人間界での扱いを見てみましょう。アルフォースブイドラモンは、ピラミッドの見える、エジプトと思われる場所に侵攻していました。ところが、アルフォースブイドラモン自身は遠くから見てるだけ。「人間界への攻撃」は、手下のナイトモン達に任せているようです。台詞もなければ、動きもありません。しかも後ろ向き。ただ、こんな1カットが存在したのみです。デュナスモンは必殺技で豪快に街を破壊していたというのに…。
そしてアルフォースブイドラモンは完全背景のまま、話数だけが経ちます。その間に、ロードナイトモンが戦って散り、デュナスモンが喋り…。
そして、アルフォースブイドラモンの登場などもはや絶望的だと思っていた矢先、デジモンセイバーズ第46話『衝撃!バンチョーレオモンの真実』でそれは突如として起こりました。
そう、アルフォースブイドラモンが喋ったのです。
その台詞は…
シャイングレイモンがバンチョーレオモン毎イグドラシルに攻撃を放ったことを察知し、振り返り際に一言
「今の波動は…!」
先に書いておきますが、、これが最初で最後の台詞でした…。
CG版アニメ「X-evolution」でのロードナイトモンと大差無いです(あちらの場合は、姿すら映っていませんでしたが)
ちなみにアルフォースブイドラモンの声優は、これまでも何度か小役として出演していた鶴岡聡さんでした。
そして、喋った事よりも、声優よりも、もっと驚くべきことが、このシーンの中にありました。
喋っている際に、なんと口が動いているのです!
アルフォースブイドラモンの顔には確かに口のような形状の部分がありますが…。個人的な意見ですが、ハッキリ言って変です。ダサイです。
これまでは喋ってほしくて仕方が無いと思っていたのに、いざ喋った途端、「もう喋るな」と思ってしまった程です…。
他の騎士系デジモンは、喋っている際も口なんて動いていません。セイバーズでも、これまでの作品の中でも。(ただデュナスモンは、必殺技を放つ等に口を開いていましたが、喋る時には口は開いていませんでした)
過去のアニメシリーズでは、明らかに口のあるデジモンでさえ、ほとんど喋っている際に口が動いていなかった気がします。
これまでのカード等のイラストでも、漫画『Vテイマー』の作中でも、アルフォースブイドラモンが口を開いている描写は全くありませんでした。ただ、『Vテイマー』連載がもっと長びいていたら、口を開けてエサを食べるアルフォースブイドラモン・ゼロの姿が見られたのかもしれませんが。
余談ですが、同じく八神太一のパートナー、『デジモンアドベンチャー』の主人公究極体デジモン・ウォーグレイモンですら、口を開けているイラストが大々的に出てきたのはつい最近です。
上で書いていますが、この回、デジモンセイバーズ第46話のタイトルは、『衝撃!バンチョーレオモンの真実』ですが、僕にとっては、アルフォースブイドラモンが、喋る時に口が開閉する事の方が衝撃な事実でした。
『衝撃!アルフォースブイドラモンの真実』と言う他ありません。
あまりの衝撃に、僕は開いた口が塞がりませんでした。
その衝撃が止まぬ中、デジモンセイバーズは第47話を迎えることとなります。
圧倒的な力を誇るイグドラシルは、自ら世界中に攻撃を仕掛けます。
世界各地へと飛んで行く、イグドラシルの攻撃の光弾。
それが飛んで行くシーンの中に、ピラミッドとスフィンクスがある、エジプトと思われる場所が…。
エジプトといえば、そう、第42話でアルフォースブイドラモンが攻めていた場所です。ところが、どうでしょう。ピラミッドもスフィンクスも奇麗に残っています。
アルフォースブイドラモンは、人間界で一体何をやっていたんでしょうか?
そして、イグドラシルの前に駆けつけた、ロイヤルナイツ達もとい、オメガモンと愉快な仲間達。というのもオメガモンは何故かこの時だけやたらとよく喋っていました。アルフォースブイドラモンとデュナスモンとマグナモンは、台詞が無く、完全に背景でした。
ロイヤルナイツ達は、人間界とデジタルワールドを救おうと戦っているデジモン達の想いに応え、イグドラシルに叛きます。
そして、クレニアムモンと共に、人間界とデジタルワールドの衝突を押さえつけます。
この流れの中で、台詞のある『勝ち組ロイヤルナイツ』達の台詞で、
「生きたいと願う想いは人間もデジモンも同じ(デュークモン)」
「数字ではない!これは我々の想いだ!(オメガモン)」
「人間とデジモンが共に生きたいと思う、みんなの願い!(クレニアムモン)」
といったものがありましたが、漫画『Vテイマー』の、「人間とともに生きることは弱さなんかじゃないぞ!!!強くなる力だ!!!(アルフォースブイドラモン・ゼロ)」という台詞を彷彿させてくれます。「人間とデジモンの想い」というのが、漫画版における「アルフォース」の設定に近いものがある気がします。
デジモンセイバーズの最終話でも、アルフォースブイドラモンは登場します。
人間界とデジタルワールドの衝突を押さえているシーンで、後ろ姿が確認できます。
イグドラシルが大達の活躍により倒れ、ロイヤルナイツもデジタルワールドへと帰って行きます。
デジタルワールドへと昇っていくロイヤルナイツ達。しかし、このカットでアルフォースブイドラモンとデュナスモンは映っていません!
その次のシーンをよく見ると、映っていたロイヤルナイツ達の右側に、アルフォースブイドラモンとデュナスモンがいたのが確認できます(あまりに小さい上、一瞬だけですが)。
ちなみに、映っていたのは、歴代アニメ主人公のオメガモン、マグナモン、デュークモンと、デジモンセイバーズで一番目立っていたクレニアムモンの4体でした。(このとき喋っていたのはクレニアムモンとデュークモンのみ)
人間界へ侵攻するシーンでは、主人公ロイヤルナイツは映らずアルフォースブイドラモンとデュナスモンは映る。逆に大達に感謝と激励を送り人間界へと去って行くシーンでは主人公ロイヤルナイツだけが映り、アルフォースブイドラモンとデュナスモンは映らない。
アルフォースブイドラモンとデュナスモンは、つくづくハズレくじばかりを引かされている気がしてなりません。
結論
アルフォースブイドラモンは、セイバーズに登場したロイヤルナイツの中で、一番扱いが地味でした。
新たに明らかになった事は、口が開閉すること。
喋ったのはたった一言。「今の波動は…!」のみ。
動きらしい動きといえば、羽が少しなびいたのと、剣を構える腕の動きと、振り返り、口を動かしたことぐらいです。それ以外は、ほとんど静止画です。
全編通して目立った活躍や台詞は無し。完全に背景でした。
戦闘シーンも無し。必殺技のシャイニングVフォースを披露することもありませんでした。
ですが、これがかつて漫画版の主人公だったアルフォースブイドラモンの、アニメデビューなのです。
それ以上でも以下でもない!!!
デジモンセイバーズ後の、アルフォースブイドラモンの扱いはいかなるものでしょうか。
セイバーズ最終回と同時期に発売された『デジモンストーリー サンバースト/ムーンライト』では、速い段階からVジャンプで、進化前のエアロブイドラモンや、当時出たばかりの新ロイヤルナイツ・ドゥフトモンのゲーム画面が確認できたことから、出るものだとばかり思っていましたが、登場しませんでした(ちなみにこのゲームでエアロブイドラモンの進化系はゴッドドラモンでした)
それとは対照的に、Vジャンプで連載中だった『デジモンネクスト』の主人公キャラ達はゲーム中に登場しています。
『Vテイマー』は所詮過去の遺産にすぎない、ということでしょうか…。
『デジモンアドベンチャー Vテイマ-01』4巻で、やぶのてんや先生は、「連載当初、マンガとアニメは整合性をもたせるってはずだったのに…」とおっしゃっています。
確かに、アニメ「デジモンアドベンチャー」放送当初は、「デジヴァイス」の隠しキャラにブイドラモンがいたり等、整合性をもたせようと思われる要素がありました。ですが、アニメ本編では、それを感じさせるような描写は一切ありませんでした。逆に、「デジモンセイバーズ」放送開始直前に連載された「デジモンネクスト」では、漫画で初登場した要素のいくつかが、公式やアニメでも用いられているというのに…。もし整合性があったなら、テレビアニメで登場し活躍するブドラモン系を見る事ができたかもしれない、と考えると、残念でなりません。どこでどうなってしまったのか…。
デジモンカードαでは、登場したのは2回。1回目は、バトルタイプCで、ステータスが他のロイヤルナイツより一回り低いです。ステータスを上げる特殊能力は持っていますが、「特殊能力を使ってようやく、他のロイヤルナイツと互角」程度である上、なによりも、バトルタイプAが相手の時は、「Aを0に」されてしまい、あっけなく負けてしまいます。(ちなみに、バトルタイプCのオメガモンやデュークモンは、ステータスは低くとも、「◎Aを0にされない」特殊能力を持っています。)
そして、当時の究極体デジモンの中で一番HPが低かったのです。
デジモンカードαでロイヤルナイツといえば、Oα-056『イグドラシル_7D6』を駆使して一度に複数のロイヤルナイツデジモンを展開させる戦法ですが、ロイヤルナイツはその大半が[VB]所属であるため(ちなみにアルフォースブイドラモンは[WG])他のロイヤルナイツと共にαアタック・αブロックすらできないため、この戦法を駆使したデックでも、まず使われることはありません。
そして、2枚目に登場した「アルフォースブイドラモンX抗体」はどうでしょうか。これはBx-116のリメイク版にあたるカードですが、特殊能力が少しアレンジされており、自分の場にいる聖騎士型デジモンの数だけ相手のポイントを減らす(但し40まで)ものとなっています。つまり、『イグドラシル_7D6』で他のロイヤルナイツ達と共に場に出せば、一気に相手のポイントを最大で40も減らすことができるのです!
ようやく実用的なアルフォースブイドラモンが登場しました。「未来がつながった」という気がします…。
更に時が流れ、『デジモンストーリー ロストエヴォリューション』では、なんと発売前の段階から登場が確定しました(Vジャンプに載っていた)。
念願叶って遂に『デジモンストーリー』シリーズに初登場となりました!
このゲームではアルフォースブイドラモンは、特殊なパスワードを入力しなければ入手できないようになっています。その割にはツリー選択画面のブイモンツリーのところでは普通に姿が出ていますが。
そのパスワードは、このゲームの初回版得点として付属している「オメガモン」のカードに書かれていました。アルフォースブイドラモンのパスワードなのに、何故オメガモン・・・?
ちなみに、パスワード入力後に追加されるクエストを依頼してくるアルフォースブイドラモンは、クールな性格っぽい口調です。
また、このゲームではチコモン→ブイモン→ブイドラモン→エアロブイドラモン→アルフォースブイドラモンというルートで進化できます。
そして、漫画版『デジモンクロスウォーズ』にて・・・。
およそ8年もの時を経て、Vジャンプ誌上の漫画にアルフォースブイドラモンが登場しました!
このアルフォースブイドラモンはデジタルワールドを守護する騎士団「ロイヤルナイツ」の一員で、デジタルワールドの混乱の末に人間界に流れ着き、そこでデジタルワールドから人間界へ戻って来たタイキと出会います。言うなれば、アニメ版『クロスウォーズ』のオメガモンに似たポジションです。
また、タイキはスパーダモンによってアルフォースブイドラモンの元へと連れて来られました。このスパーダモンはアルフォースブイドラモンの弟子で、共にデジタルワールドに流れ着いたデジモンです。
尚、スパーダモンの初登場作品である、DS版ゲーム『デジモンストーリー 超クロスウォーズ』では、デュナスモンがスパーダモンの師匠でした。
つまり、このアルフォースブイドラモンは、アニメ版クロスウォーズのオメガモンと、ゲーム版クロスウォーズのデュナスモンのポジションの一部を継承している事になります。
アルフォースブイドラモンが「ロイヤルナイツの一員」としてメディア作品内に登場するのは、『デジモンセイバーズ』以来二度目です。
更に、「ロイヤルナイツ」という組織が初めから主人公側の味方ポジションとして登場するのはこれが初めてで、アルフォースブイドラモンは、そのロイヤルナイツの中で一番最初に登場した一体という事になります。
なのである意味、記念すべき存在と言えるかもしれません。
このアルフォースブイドラモンは、普段の一人称が「ボク」であり、騎士としての威厳の無い性格や作中で語っている経歴などから、明らかに『Vテイマー01』のゼロ(ゼロマル)を意識したようなキャラ付けがなされています。
台詞が全くと言っていいほど無かった『セイバーズ』のアルフォースブイドラモンとは対照的に、こちらのアルフォースブイドラモンは、作中のロイヤルナイツの中で最もメインとして描かれています(『セイバーズ』で言うところのクレニアムモンやデュークモンあたりのポジションか)。
ロイヤルナイツの中でも中心格として描かれているだけに、見せ場も多かったです。
中でも最も印象的なのが、バグラ軍との決戦での活躍でしょう。
なんと、同じく『Vテイマー01』出身のデジモンであるアルカディモンとの戦闘シーンがありました。
アルカディモンが厄介な能力「ドットマトリックス」を持っていることを知っている点もまた、ゼロを彷彿させる要素の一つです。
ちなみにこの時のアルカディモンは究極体の姿でした。Vテイマー01では最も長く登場した形態ですが、アルフォースブイドラモンと戦ったことはありませんでした。
ロイヤルナイツの仲間のドゥフトモンがアルカディモンを解析し、作成したワクチンプログラムを転送されたアルフォースブイドラモンは、ドットマトリックスを持つアルカディモンに対し、真正面から突っ込んでいきます。
ドットマトリックスの分解能力も、それを上回る再生能力を持つアルフォースには通用せず、そのまま「ドラゴンインパルスX」の一撃でアルカディモンを撃破します。
アルフォースブイドラモンとのアルカディモンという組み合わせだけでなく、アルカディモン究極体が『Vテイマー01』ではゼロが一度は敗れ去った程の強敵であった事や、トドメの一撃がエアロブイドラモン ゼロの必殺技だった「ドラゴンインパルス」の強化版(と思われる)「ドラゴンインパルスX」(この技自体は作品で初登場)である事も考えると、かなり爽快なシーンだと感じました。
そして、シャウトモンX7が「オール・オメガ・ザ・フュージョン」で最終決戦へ飛び立った時、
デジクロスに関する話題から、以前から感じ取っていた盟友・オメガモンの因子の一部についての話題に転換する際に一言
「それより今の波動は…」
まさかのセイバーズ版と同じ台詞です!
尚、表記は同じであるものの、「波動」の読み仮名は「はどう」ではなく「コード」となっています。
このアルフォースブイドラモンは、『Vテイマー01』のゼロマルを意識した性格や経歴に加え、ロイヤルナイツ所属であるという点や上記の台詞といった『セイバーズ』版の要素も兼ね備えています。
複数のメディアで展開・登場していたからこそ成し得た奇跡のドッキングです!
そして、これら両方の要素を取り入れた作者の中島先生のセンスとデジモン作品の知識には脱帽です。
尚、喋る際などに口が開閉する描写は見受けられません。
もちろん、上記の台詞を発した際も同様です。
その後に発売されたゲーム作品『デジモンワールド Re:Digitize』では登場しなかったもの、その派生作である『デジモンワールド Re:Digitize Decode』では登場を果たしました。
アルフォースブイドラモンの3Dグラフィックが作られたのは、この作品が初です!
しかも、追加キャラの四ノ宮リナのパートナーデジモンの「ブイブイ」の進化ルートとしての登場であり、新規のイラストも書き下ろされました。
同作の初回封入特典のReSP-1 ブイモンのカードには、背景にこのアルフォースブイドラモンのイラストが使用されています。
作中でのブイブイは、ブイモン→ブイドラモン→アルフォースブイドラモンと進化します(完全体はスルー)。
バルバモン戦の前にブイブイ(ブイドラモン)が、リナのデジヴァイスに蓄積された力によってアルフォースブイドラモン進化します。最終決戦の三連戦の内の最初のバルバモン戦では、このブイブイ(アルフォースブイドラモン)と共闘する事になります。
しかしバルバモン戦後、乱入してきたデーモンによってリナの力は奪われ、ブイブイもブイドラモンの姿に退化してしまいます。『Vテイマー01』といい、デーモンとは相性が悪いのでしょうか…。
ゲーム内での進化ルートはエアロブイドラモンからのみの進化となっています。また、このゲームではブイモンと共にエクスブイモン、パイルドラモン、インペリアルドラモン(ファイターモード)といったアニメ『デジモンアドベンチャー02』のブイモンの進化ルートのデジモン達も登場していますが、本作のストーリー上では『02』のルートではなく上記の様にブイドラモン系列への進化ルートが採用されています。
特筆すべき点として、『Re:Digitize Decode』では進化ルートであるブイドラモン、エアロブイドラモンだけでなく、アルフォースブイドラモンX抗体まで参戦しています!
それまで極端に露出が少なかったアルフォースブイドラモンX抗体。ゲーム作品に登場するのもCGグラフィックが作られるのも、もちろんこれが初です。
アルフォースブイドラモンに「神速のX抗体」を使用してのみ進化できますが、このアイテムはX進化に必要なアイテムの中でも特に困難な部類です。
ただしその分その見返りは大きく、アルフォースブイドラモンより使用技のバリエーションが増えており、アルフォースブイドラモンの上位互換と言って差し支えない性能です。
本作で初めて作られた3Dグラフィックも必見です!
『デジモンストーリー サイバースルゥース』でも、「ロイヤルナイツ全員登場」として、発売前から登場が確定していました。
ただし、ストーリー上で登場するアルフォースブイドラモンは、「ロイヤルナイツのアルフォースブイドラモン」ではありません。「ロイヤルナイツのアルフォースブイドラモン」はオメガモンによってその存在が語られるのみで、本編には一切登場しません。
何でも、デジタルワールドから人間世界へと渡る途中に、次元の穴が閉じた事によってその狭間に消えてしまったのだとか…。オメガモンの話によると、思想はオメガモンに近いようです。
作中で登場するアルフォースブイドラモンは、上記の『Re:Digitize Decode』からゲスト参戦した四ノ宮リナのパートナーデジモンの「ブイブイ」です。
漫画版『クロスウォーズ』のアルフォースブイドラモンは、あくまで「『Vテイマー01』のゼロ」が成長姿をイメージした「ロイヤルナイツのアルフォースブイドラモン」でしたが、こちらのアルフォースブイドラモンは、「イメージ」どころではなく完全に「リナのブイブイ」です。
余談ですが、リナのブイブイもゼロと同じく一人称が「僕」である為、これまでのメディア作品(『セイバーズ』は除く)のアルフォースブイドラモンのキャラのイメージとはそこまでかけ離れていません。
今作ではブイモンから一気にアルフォースブイドラモンへと進化します。ただ、「一度バルバモンを倒した事がある」「バルバモンに力を奪われて退化した」という『Re:Digitize Decode』を意識したかような経歴が語られているものの、『Re:Digitize Decode』本編におけるリナやブイブイ、そしてバルバモンとの繋がりは不明です。
スレイプモンの神速に対抗すべく、次元の狭間に消えてしまったアルフォースブイドラモンに代わって、パラレルワールドからリナのブイブイを連れてくる事になります。
スレイプモン戦では、主人公がアルフォースブイドラモン(ブイブイ)に乗った状態でバトルを行う事になります(ただしあくまで乗っているだけで、ブイブイは直接バトルには参加しません)。
また、『Re:Digitize Decode』ではブイブイにボイスはありませんでしたが、今作では日比愛子さんの声が付いています。
『サイバースルゥース』の公式サイトのアルフォースブイドラモンのキャラクター紹介では「不運(?)な高速の聖騎士」という、何だか情けないような肩書きで紹介されています。
最初にこれを見た時には、他に紹介されていたスクリーンショットから、マイペースなリナに翻弄されるブイブイの哀れさを表したものだと思っていましたが、これがブイブイではなくこちらの世界の聖騎士・アルフォースブイドラモンについての紹介だと考えると…「不運」なんてレベルではありません。
今作ではアルフォースブイドラモンには進化ロックが掛かっており、終盤に追加される依頼「四ノ宮リナの挑戦状」でアルフォースブイドラモンを倒す事でロックが解除され、進化できるようになります。
ロック解除の為の依頼で戦う事になるロイヤルナイツは、データの複製体という設定ですが、アルフォースブイドラモンのみ、リナのブイブイ本人と直接戦う形になります。
ただしアルフォースブイドラモンに日比愛子さんのボイスが付くのはこの時に戦うブイブイのみで、自分で育成するアルフォースブイドラモンには日比愛子さんのボイスは付かず、通常の戦闘ボイスが当てられています。それでも、美麗な3Dグラフィックで動くアルフォースブイドラモンを、特に必殺技のシャイニングVフォースとアルフォースセイバーの両方のアニメーションを見られるのは非常に嬉しいです。
また、今作でのアルフォースブイドラモンはエアロブイドラモンとメガドラモンから進化可能です。
そして、このゲームのアルフォースブイドラモンと言えば、専用スキルの「神速」が非常に強力であり、対戦においては必須と言っても過言ではないレベルです。
発売前に配信された動画での対戦でも獅子奮迅の活躍を見せており、「調整した方が良いのではないか?」と言われていた程でした(実際に調整が施されたかどうかは不明ですが)。また、この対戦ではゲーム内でもゲストとして出てくるVジャンプスタッフのビクトリー・ウチダ氏がアルフォースブイドラモンを使用していましたが、この時、アルフォースブイドラモンについて「Vジャンプ出身である」という経歴が語られていました。
尚、このゲームでも、会話時及び戦闘時のアニメーション内において、口が開閉する描写は見受けられません。
あきらめない人につながっていく未来…
未来を信じる心、奇跡の力「アルフォース」…
今後のアルフォースブイドラモンには一体どのような扱いが待っているのでしょうか!?














