これまでアニメシリーズでは、デジモンセイバーズに限らず、数多くのデジモン達が登場してきました。主役から主人公のサイドの味方、そして悪役になったものまで、実に様々です。

 

そして、遂にこのデジモンもアニメシリーズに登場しました。

 

そう、アルフォースブイドラモンです。

 

このデジモンを語る上で欠かせないのは、なんといっても、漫画『デジモンアドベンチャーVテイマ-01』の主人公デジモン・ゼロ(ゼロマル)でしょう。

ゼロは作中で、ブイドラモン→エアロブイドラモン→アルフォースブイドラモンへと進化していきました(以下、この3体をまとめて「ブイドラモン系」の呼ぶ)。しかし、デジモンアドベンチャーからデジモンフロンティアまでのアニメシリーズには、ブイドラモン系のデジモンは一切登場しませんでした。ちなみに、漫画「Vテイマ-01」は、デジモンアドベンチャー放映開始時から、デジモンフロンティア放映終了後までの期間中、ずっと連載していました。

記念すべき、ブイドラモン系のアニメ初登場ともなる、デジモンセイバーズでのアルフォースブイドラモンの登場。それは、漫画の主人公の華々しいブラウン管デビューにはほど遠い、あまりに醜いものでした。

 

今回のシリーズでも、ロイヤルナイツは、物語後半に主人公の敵役として登場しました。今作では、前作のようにロードナイトモンとデュナスモンだけではない。放映された時点で公表されていた、「空白の席」という設定であるアルファモンを除いた全てのロイヤルナイツが、第40話にて一斉登場しました(但しスレイプモンは味方として登場)。もちろん、アルフォースブイドラモンも…。

かつて漫画の主人公だった、しかもそのために作られたデジモンであるアルフォースブイドラモンでさえも、この時は普通に悪役でした。

この時、「悪役」として登場したロイヤルナイツの中には、アルフォースブイドラモン以外にも、かつて主人公だったデジモンが何体かいます。それらのデジモンはいずれも、これまでのアニメや映画で、主人公として大きな活躍をしています。特に、オメガモンとデュークモンは、全デジモンの中でも屈指の人気を誇っています。ところが、アルフォースブイドラモンが活躍したのは、アニメや映画とはどうしても見劣りしてしまう白黒の漫画で、知名度も、アニメや映画と比べると、高くありません。過去のアニメシリーズや劇場版は知っていても、漫画「Vテイマ-01」は知らないという人も、決して少なくはないでしょう。

他の主人公ロイヤルナイツとは違い、アルフォースブイドラモンは、ブラウン管初登場は、いきなり悪役です。さて、そんなアルフォースブイドラモンの扱いはいかなるものでしょうか。

 

ロイヤルナイツが舞い降りるシーンで、初登場。ゴツモンにも名前を言われていました。ロイヤルナイツについての解説時の絵では、何気に一番前にいました。

ところが、他のロイヤルナイツ達と共に、整列したり、イグドラシルにひざまずいたり…。さらには、イグドラシルが、大達を消し去れと言った際に、ロードナイトモンとデュナスモンの、フロンティア悪役タッグと共に、無言で腕を振り上げたり。

まるで、機械のようです。

さらに言えば、こいつら完全に「その他の悪役」ポジションです。(40話だけで言うと、クレニアムモンとデュークモンは、よく喋っていた。マグナモンも、逃げるスレイプモンに対し技を使い、声を出していた)

アルフォースブイドラモンとデュナスモンとロードナイトモン。この3体は、デュークモンがやられた後に、またしても3体まとめて、人間界を攻撃しているシーンが写ります。ちなみに、後の展開によってオメガモンやマグナモンも人間界へ来ていることがわかりますが、元アニメの主人公であるこの二者が人間界へ侵攻しているシーンは写っていません。なんて巧くできているのでしょうか。アルフォースブイドラモン達には、出撃前のイグドラシルとのやりとりなんてものもありません。そして、デュークモンやドゥフトモンとは違い、手下のデジモン達(ナイトモン)もたくさん引き連れています。

 

そういえば、デジモンカードでも、ロイヤルナイツの中で、アルフォースブイドラモンとロードナイトモンとデュナスモンは弱かったです。ひょっとして、この3体の扱いは、それを意識してのものなのでしょうか?

 

さて、人間界での扱いを見てみましょう。アルフォースブイドラモンは、ピラミッドの見える、エジプトと思われる場所に侵攻していました。ところが、アルフォースブイドラモン自身は遠くから見てるだけ。「人間界への攻撃」は、手下のナイトモン達に任せているようです。台詞もなければ、動きもありません。しかも後ろ向き。ただ、こんな1カットが存在したのみです。デュナスモンは必殺技で豪快に街を破壊していたというのに…。

 

 

そしてアルフォースブイドラモンは完全背景のまま、話数だけが経ちます。その間に、ロードナイトモンが戦って散り、デュナスモンが喋り…。

そして、アルフォースブイドラモンの登場などもはや絶望的だと思っていた矢先、デジモンセイバーズ第46話『衝撃!バンチョーレオモンの真実』でそれは突如として起こりました。

そう、アルフォースブイドラモンが喋ったのです。

 

その台詞は…

 

シャイングレイモンがバンチョーレオモン毎イグドラシルに攻撃を放ったことを察知し、振り返り際に一言

 

「今の波動は…!」

 

先に書いておきますが、、これが最初で最後の台詞でした…。

CG版アニメ「X-evolution」でのロードナイトモンと大差無いです(あちらの場合は、姿すら映っていませんでしたが)

 

ちなみにアルフォースブイドラモンの声優は、これまでも何度か小役として出演していた鶴岡聡さんでした。

 

 

そして、喋った事よりも、声優よりも、もっと驚くべきことが、このシーンの中にありました。

 

喋っている際に、なんと口が動いているのです!

 

アルフォースブイドラモンの顔には確かに口のような形状の部分がありますが…。個人的な意見ですが、ハッキリ言って変です。ダサイです。

これまでは喋ってほしくて仕方が無いと思っていたのに、いざ喋った途端、「もう喋るな」と思ってしまった程です…。

他の騎士系デジモンは、喋っている際も口なんて動いていません。セイバーズでも、これまでの作品の中でも。(ただデュナスモンは、必殺技を放つ等に口を開いていましたが、喋る時には口は開いていませんでした)

過去のアニメシリーズでは、明らかに口のあるデジモンでさえ、ほとんど喋っている際に口が動いていなかった気がします。

これまでのカード等のイラストでも、漫画『Vテイマー』の作中でも、アルフォースブイドラモンが口を開いている描写は全くありませんでした。ただ、『Vテイマー』連載がもっと長びいていたら、口を開けてエサを食べるアルフォースブイドラモン・ゼロの姿が見られたのかもしれませんが。

余談ですが、同じく八神太一のパートナー、『デジモンアドベンチャー』の主人公究極体デジモン・ウォーグレイモンですら、口を開けているイラストが大々的に出てきたのはつい最近です。

 

上で書いていますが、この回、デジモンセイバーズ第46話のタイトルは、『衝撃!バンチョーレオモンの真実』ですが、僕にとっては、アルフォースブイドラモンが、喋る時に口が開閉する事の方が衝撃な事実でした。

『衝撃!アルフォースブイドラモンの真実』と言う他ありません。

あまりの衝撃に、僕は開いた口が塞がりませんでした

 

 

その衝撃が止まぬ中、デジモンセイバーズは第47話を迎えることとなります。

圧倒的な力を誇るイグドラシルは、自ら世界中に攻撃を仕掛けます。

世界各地へと飛んで行く、イグドラシルの攻撃の光弾。

それが飛んで行くシーンの中に、ピラミッドとスフィンクスがある、エジプトと思われる場所が…。

エジプトといえば、そう、第42話でアルフォースブイドラモンが攻めていた場所です。ところが、どうでしょう。ピラミッドもスフィンクスも奇麗に残っています。

アルフォースブイドラモンは、人間界で一体何をやっていたんでしょうか?

 

 

そして、イグドラシルの前に駆けつけた、ロイヤルナイツ達もとい、オメガモンと愉快な仲間達。というのもオメガモンは何故かこの時だけやたらとよく喋っていました。アルフォースブイドラモンとデュナスモンとマグナモンは、台詞が無く、完全に背景でした。

ロイヤルナイツ達は、人間界とデジタルワールドを救おうと戦っているデジモン達の想いに応え、イグドラシルに叛きます。

そして、クレニアムモンと共に、人間界とデジタルワールドの衝突を押さえつけます。

この流れの中で、台詞のある『勝ち組ロイヤルナイツ』達の台詞で、

「生きたいと願う想いは人間もデジモンも同じ(デュークモン)」

「数字ではない!これは我々の想いだ!(オメガモン)」

「人間とデジモンが共に生きたいと思う、みんなの願い!(クレニアムモン)」

といったものがありましたが、漫画『Vテイマー』の、「人間とともに生きることは弱さなんかじゃないぞ!!!強くなる力だ!!!(アルフォースブイドラモン・ゼロ)」という台詞を彷彿させてくれます。「人間とデジモンの想い」というのが、漫画版における「アルフォース」の設定に近いものがある気がします。

 

 

デジモンセイバーズの最終話でも、アルフォースブイドラモンは登場します。

人間界とデジタルワールドの衝突を押さえているシーンで、後ろ姿が確認できます。

イグドラシルが大達の活躍により倒れ、ロイヤルナイツもデジタルワールドへと帰って行きます。

デジタルワールドへと昇っていくロイヤルナイツ達。しかし、このカットでアルフォースブイドラモンとデュナスモンは映っていません!

その次のシーンをよく見ると、映っていたロイヤルナイツ達の右側に、アルフォースブイドラモンとデュナスモンがいたのが確認できます(あまりに小さい上、一瞬だけですが)。

ちなみに、映っていたのは、歴代アニメ主人公のオメガモン、マグナモン、デュークモンと、デジモンセイバーズで一番目立っていたクレニアムモンの4体でした。(このとき喋っていたのはクレニアムモンとデュークモンのみ)

人間界へ侵攻するシーンでは、主人公ロイヤルナイツは映らずアルフォースブイドラモンとデュナスモンは映る。逆に大達に感謝と激励を送り人間界へと去って行くシーンでは主人公ロイヤルナイツだけが映り、アルフォースブイドラモンとデュナスモンは映らない。

 

アルフォースブイドラモンとデュナスモンは、つくづくハズレくじばかりを引かされている気がしてなりません。

 

 

 

結論

 

アルフォースブイドラモンは、セイバーズに登場したロイヤルナイツの中で、一番扱いが地味でした。

新たに明らかになった事は、口が開閉すること。

喋ったのはたった一言。「今の波動は…!」のみ。

動きらしい動きといえば、羽が少しなびいたのと、剣を構える腕の動きと、振り返り、口を動かしたことぐらいです。それ以外は、ほとんど静止画です。

全編通して目立った活躍や台詞は無し。完全に背景でした。

戦闘シーンも無し。必殺技のシャイニングVフォースを披露することもありませんでした。

 

ですが、これがかつて漫画版の主人公だったアルフォースブイドラモンの、アニメデビューなのです。

それ以上でも以下でもない!!!

 

 

デジモンセイバーズ後の、アルフォースブイドラモンの扱いはいかなるものでしょうか。

 

セイバーズ最終回と同時期に発売された『デジモンストーリー サンバースト/ムーンライト』では、速い段階からVジャンプで、進化前のエアロブイドラモンや、当時出たばかりの新ロイヤルナイツ・ドゥフトモンのゲーム画面が確認できたことから、出るものだとばかり思っていましたが、登場しませんでした(ちなみにこのゲームでエアロブイドラモンの進化系はゴッドドラモンでした)

それとは対照的に、Vジャンプで連載中だった『デジモンネクスト』の主人公キャラ達はゲーム中に登場しています。

『Vテイマー』は所詮過去の遺産にすぎない、ということでしょうか…。

『デジモンアドベンチャー Vテイマ-01』4巻で、やぶのてんや先生は、「連載当初、マンガとアニメは整合性をもたせるってはずだったのに…」とおっしゃっています。

確かに、アニメ「デジモンアドベンチャー」放送当初は、「デジヴァイス」の隠しキャラにブイドラモンがいたり等、整合性をもたせようと思われる要素がありました。ですが、アニメ本編では、それを感じさせるような描写は一切ありませんでした。逆に、「デジモンセイバーズ」放送開始直前に連載された「デジモンネクスト」では、漫画で初登場した要素のいくつかが、公式やアニメでも用いられているというのに…。もし整合性があったなら、テレビアニメで登場し活躍するブドラモン系を見る事ができたかもしれない、と考えると、残念でなりません。どこでどうなってしまったのか…。

 

 

デジモンカードαでは、登場したのは2回。1回目は、バトルタイプCで、ステータスが他のロイヤルナイツより一回り低いです。ステータスを上げる特殊能力は持っていますが、「特殊能力を使ってようやく、他のロイヤルナイツと互角」程度である上、なによりも、バトルタイプAが相手の時は、「Aを0に」されてしまい、あっけなく負けてしまいます。(ちなみに、バトルタイプCのオメガモンやデュークモンは、ステータスは低くとも、「◎Aを0にされない」特殊能力を持っています。)

そして、当時の究極体デジモンの中で一番HPが低かったのです。

デジモンカードαでロイヤルナイツといえば、Oα-056『イグドラシル_7D6』を駆使して一度に複数のロイヤルナイツデジモンを展開させる戦法ですが、ロイヤルナイツはその大半が[VB]所属であるため(ちなみにアルフォースブイドラモンは[WG])他のロイヤルナイツと共にαアタック・αブロックすらできないため、この戦法を駆使したデックでも、まず使われることはありません。

 

そして、2枚目に登場した「アルフォースブイドラモンX抗体」はどうでしょうか。これはBx-116のリメイク版にあたるカードですが、特殊能力が少しアレンジされており、自分の場にいる聖騎士型デジモンの数だけ相手のポイントを減らす(但し40まで)ものとなっています。つまり、『イグドラシル_7D6』で他のロイヤルナイツ達と共に場に出せば、一気に相手のポイントを最大で40も減らすことができるのです!

ようやく実用的なアルフォースブイドラモンが登場しました。「未来がつながった」という気がします…。

 

更に時が流れ、『デジモンストーリー ロストエヴォリューション』では、なんと発売前の段階から登場が確定しました(Vジャンプに載っていた)。

念願叶って遂に『デジモンストーリー』シリーズに初登場となりました!

このゲームではアルフォースブイドラモンは、特殊なパスワードを入力しなければ入手できないようになっています。その割にはツリー選択画面のブイモンツリーのところでは普通に姿が出ていますが。

そのパスワードは、このゲームの初回版得点として付属している「オメガモン」のカードに書かれていました。アルフォースブイドラモンのパスワードなのに、何故オメガモン・・・?

ちなみに、パスワード入力後に追加されるクエストを依頼してくるアルフォースブイドラモンは、クールな性格っぽい口調です。

また、このゲームではチコモン→ブイモン→ブイドラモン→エアロブイドラモン→アルフォースブイドラモンというルートで進化できます。

 

 

 

そして、漫画版『デジモンクロスウォーズ』にて・・・。
およそ8年もの時を経て、Vジャンプ誌上の漫画にアルフォースブイドラモンが登場しました!


このアルフォースブイドラモンはデジタルワールドを守護する騎士団「ロイヤルナイツ」の一員で、デジタルワールドの混乱の末に人間界に流れ着き、そこでデジタルワールドから人間界へ戻って来たタイキと出会います。言うなれば、アニメ版『クロスウォーズ』のオメガモンに似たポジションです。

 

また、タイキはスパーダモンによってアルフォースブイドラモンの元へと連れて来られました。このスパーダモンはアルフォースブイドラモンの弟子で、共にデジタルワールドに流れ着いたデジモンです。

尚、スパーダモンの初登場作品である、DS版ゲーム『デジモンストーリー 超クロスウォーズ』では、デュナスモンがスパーダモンの師匠でした。

 

つまり、このアルフォースブイドラモンは、アニメ版クロスウォーズのオメガモンと、ゲーム版クロスウォーズのデュナスモンのポジションの一部を継承している事になります。



アルフォースブイドラモンが「ロイヤルナイツの一員」としてメディア作品内に登場するのは、『デジモンセイバーズ』以来二度目です。
更に、「ロイヤルナイツ」という組織が初めから主人公側の味方ポジションとして登場するのはこれが初めてで、アルフォースブイドラモンは、そのロイヤルナイツの中で一番最初に登場した一体という事になります。
なのである意味、記念すべき存在と言えるかもしれません。

このアルフォースブイドラモンは、普段の一人称が「ボク」であり、騎士としての威厳の無い性格や作中で語っている経歴などから、明らかに『Vテイマー01』のゼロ(ゼロマル)を意識したようなキャラ付けがなされています。

 

台詞が全くと言っていいほど無かった『セイバーズ』のアルフォースブイドラモンとは対照的に、こちらのアルフォースブイドラモンは、作中のロイヤルナイツの中で最もメインとして描かれています(『セイバーズ』で言うところのクレニアムモンやデュークモンあたりのポジションか)。


ロイヤルナイツの中でも中心格として描かれているだけに、見せ場も多かったです。
中でも最も印象的なのが、バグラ軍との決戦での活躍でしょう。
なんと、同じく『Vテイマー01』出身のデジモンであるアルカディモンとの戦闘シーンがありました。
アルカディモンが厄介な能力「ドットマトリックス」を持っていることを知っている点もまた、ゼロを彷彿させる要素の一つです。
ちなみにこの時のアルカディモンは究極体の姿でした。Vテイマー01では最も長く登場した形態ですが、アルフォースブイドラモンと戦ったことはありませんでした。

 

ロイヤルナイツの仲間のドゥフトモンがアルカディモンを解析し、作成したワクチンプログラムを転送されたアルフォースブイドラモンは、ドットマトリックスを持つアルカディモンに対し、真正面から突っ込んでいきます。

ドットマトリックスの分解能力も、それを上回る再生能力を持つアルフォースには通用せず、そのまま「ドラゴンインパルスX」の一撃でアルカディモンを撃破します。

アルフォースブイドラモンとのアルカディモンという組み合わせだけでなく、アルカディモン究極体が『Vテイマー01』ではゼロが一度は敗れ去った程の強敵であった事や、トドメの一撃がエアロブイドラモン ゼロの必殺技だった「ドラゴンインパルス」の強化版(と思われる)「ドラゴンインパルスX」(この技自体は作品で初登場)である事も考えると、かなり爽快なシーンだと感じました。

 

 

そして、シャウトモンX7が「オール・オメガ・ザ・フュージョン」で最終決戦へ飛び立った時、

デジクロスに関する話題から、以前から感じ取っていた盟友・オメガモンの因子の一部についての話題に転換する際に一言

 

「それより今の波動は…

 

 

まさかのセイバーズ版と同じ台詞です!

尚、表記は同じであるものの、「波動」の読み仮名は「はどう」ではなくコードとなっています。

 

 

このアルフォースブイドラモンは、『Vテイマー01』のゼロマルを意識した性格や経歴に加え、ロイヤルナイツ所属であるという点や上記の台詞といった『セイバーズ』版の要素も兼ね備えています。

複数のメディアで展開・登場していたからこそ成し得た奇跡のドッキングです!

そして、これら両方の要素を取り入れた作者の中島先生のセンスとデジモン作品の知識には脱帽です。

 


尚、喋る際などに口が開閉する描写は見受けられません。

もちろん、上記の台詞を発した際も同様です。

 

その後に発売されたゲーム作品『デジモンワールド Re:Digitize』では登場しなかったもの、その派生作である『デジモンワールド Re:Digitize Decode』では登場を果たしました。

アルフースブイドラモンの3Dグラフィックが作られたのは、この作品が初です!

しかも、追加キャラの四ノ宮リナのパートナーデジモンの「ブイブイ」の進化ルートとしての登場であり、新規のイラストも書き下ろされました。

同作の初回封入特典のReSP-1 ブイモンのカードには、背景にこのアルフォースブイドラモンのイラストが使用されています。

作中でのブイブイは、ブイモン→ブイドラモン→アルフォースブイドラモンと進化します(完全体はスルー)。

バルバモン戦の前にブイブイ(ブイドラモン)が、リナのデジヴァイスに蓄積された力によってアルフォースブイドラモン進化します。最終決戦の三連戦の内の最初のバルバモン戦では、このブイブイ(アルフォースブイドラモン)と共闘する事になります。

しかしバルバモン戦後、乱入してきたデーモンによってリナの力は奪われ、ブイブイもブイドラモンの姿に退化してしまいます。『Vテイマー01』といい、デーモンとは相性が悪いのでしょうか…。

ゲーム内での進化ルートはエアロブイドラモンからのみの進化となっています。また、このゲームではブイモンと共にエクスブイモン、パイルドラモン、インペリアルドラモン(ファイターモード)といったアニメ『デジモンアドベンチャー02』のブイモンの進化ルートのデジモン達も登場していますが、本作のストーリー上では『02』のルートではなく上記の様にブイドラモン系列への進化ルートが採用されています。

 

特筆すべき点として、『Re:Digitize Decode』では進化ルートであるブイドラモン、エアロブイドラモンだけでなく、アルフォースブイドラモンX抗体まで参戦しています!

それまで極端に露出が少なかったアルフォースブイドラモンX抗体。ゲーム作品に登場するのもCGグラフィックが作られるのも、もちろんこれが初です。

アルフォースブイドラモンに「神速のX抗体」を使用してのみ進化できますが、このアイテムはX進化に必要なアイテムの中でも特に困難な部類です。

ただしその分その見返りは大きく、アルフォースブイドラモンより使用技のバリエーションが増えており、アルフォースブイドラモンの上位互換と言って差し支えない性能です。

本作で初めて作られた3Dグラフィックも必見です!

 

 

『デジモンストーリー サイバースルゥース』でも、「ロイヤルナイツ全員登場」として、発売前から登場が確定していました。

ただし、ストーリー上で登場するアルフォースブイドラモンは、「ロイヤルナイツのアルフォースブイドラモン」ではありません。「ロイヤルナイツのアルフォースブイドラモン」はオメガモンによってその存在が語られるのみで、本編には一切登場しません

何でも、デジタルワールドから人間世界へと渡る途中に、次元の穴が閉じた事によってその狭間に消えてしまったのだとか…。オメガモンの話によると、思想はオメガモンに近いようです。

 

作中で登場するアルフォースブイドラモンは、上記の『Re:Digitize Decode』からゲスト参戦した四ノ宮リナのパートナーデジモンの「ブイブイ」です。

漫画版『クロスウォーズ』のアルフォースブイドラモンは、あくまで「『Vテイマー01』のゼロ」が成長姿をイメージした「ロイヤルナイツのアルフォースブイドラモン」でしたが、こちらのアルフォースブイドラモンは、「イメージ」どころではなく完全に「リナのブイブイ」です。

余談ですが、リナのブイブイもゼロと同じく一人称が「僕」である為、これまでのメディア作品(『セイバーズ』は除く)のアルフォースブイドラモンのキャラのイメージとはそこまでかけ離れていません。

今作ではブイモンから一気にアルフォースブイドラモンへと進化します。ただ、「一度バルバモンを倒した事がある」「バルバモンに力を奪われて退化した」という『Re:Digitize Decode』を意識したかような経歴が語られているものの、『Re:Digitize Decode』本編におけるリナやブイブイ、そしてバルバモンとの繋がりは不明です。

スレイプモンの神速に対抗すべく、次元の狭間に消えてしまったアルフォースブイドラモンに代わって、パラレルワールドからリナのブイブイを連れてくる事になります。

スレイプモン戦では、主人公がアルフォースブイドラモン(ブイブイ)に乗った状態でバトルを行う事になります(ただしあくまで乗っているだけで、ブイブイは直接バトルには参加しません)。

また、『Re:Digitize Decode』ではブイブイにボイスはありませんでしたが、今作では日比愛子さんの声が付いています。

 

『サイバースルゥース』の公式サイトのアルフォースブイドラモンのキャラクター紹介では「不運(?)な高速の聖騎士」という、何だか情けないような肩書きで紹介されています。

最初にこれを見た時には、他に紹介されていたスクリーンショットから、マイペースなリナに翻弄されるブイブイの哀れさを表したものだと思っていましたが、これがブイブイではなくこちらの世界の聖騎士・アルフォースブイドラモンについての紹介だと考えると…「不運」なんてレベルではありません。

 

今作ではアルフォースブイドラモンには進化ロックが掛かっており、終盤に追加される依頼「四ノ宮リナの挑戦状」でアルフォースブイドラモンを倒す事でロックが解除され、進化できるようになります。

ロック解除の為の依頼で戦う事になるロイヤルナイツは、データの複製体という設定ですが、アルフォースブイドラモンのみ、リナのブイブイ本人と直接戦う形になります。

ただしアルフォースブイドラモンに日比愛子さんのボイスが付くのはこの時に戦うブイブイのみで、自分で育成するアルフォースブイドラモンには日比愛子さんのボイスは付かず、通常の戦闘ボイスが当てられています。それでも、美麗な3Dグラフィックで動くアルフォースブイドラモンを、特に必殺技のシャイニングVフォースとアルフォースセイバーの両方のアニメーションを見られるのは非常に嬉しいです。

また、今作でのアルフォースブイドラモンはエアロブイドラモンとメガドラモンから進化可能です。

 

そして、このゲームのアルフォースブイドラモンと言えば、専用スキルの「神速」が非常に強力であり、対戦においては必須と言っても過言ではないレベルです。

発売前に配信された動画での対戦でも獅子奮迅の活躍を見せており、「調整した方が良いのではないか?」と言われていた程でした(実際に調整が施されたかどうかは不明ですが)。また、この対戦ではゲーム内でもゲストとして出てくるVジャンプスタッフのビクトリー・ウチダ氏がアルフォースブイドラモンを使用していましたが、この時、アルフォースブイドラモンについて「Vジャンプ出身である」という経歴が語られていました。

 

尚、このゲームでも、会話時及び戦闘時のアニメーション内において、口が開閉する描写は見受けられません。

 

 

 

 

あきらめない人につながっていく未来…

 

未来を信じる心、奇跡の力「アルフォース」…

 

 

今後のアルフォースブイドラモンには一体どのような扱いが待っているのでしょうか!?

デジモンカードゲームのエクストラブースター第10弾【EX-10】SINISTER ORDERは、「各作品で主人公達と壮大なバトルを繰り広げた敵デジモンを中心にラインナップ」という触れ込みの弾でした。

現にこの弾には、これまでのアニメ作品の悪役を務めたデジモン達が大量に収録されています。しかし、この弾には収録されなかった悪役デジモンも存在します。

その中の一つが、『デジモンクロスウォーズ 〜悪のデスジェネラルと七つの王国〜』で初登場した、「ビッグデスターズ」に所属するデジモン達です。デジモンの細かい設定を知らない人にとっては、「デスジェネラル」と言った方が通りが良いでしょうか。

 

ただ、正確には「ビッグデスターズ」と「デスジェネラル」の顔触れには差異があり、ビッグデスターズはクロスウォーズの2期で初登場した「ドルビックモン」「ネオヴァンデモン」「ザミエールモン」「スプラッシュモン」「オレーグモン」「グラビモン」の6体のデジモンの、公式設定での所属勢力名になります。これら6体は、先にも触れた通りクロスウォーズで初登場したデジモンであり、言うなれば「クロスウォーズでデスジェネラルとして出す為にデザインされたデジモン」という事になります。

対してデスジェネラルというのはアニメで登場したバグラ軍の七人の将軍の呼称であり、上記のビッグデスターズの6体に、唯一クロスウォーズの放送開始前から登場済だったデジモンの「アポロモン」を加えた7体の事を指します。クロスウォーズ2期の副題に付いている「悪のデスジェネラル」というのがこの7体のデジモン達の事で、同作のメイン悪役とも言える存在です。

にも関わらず、【EX-10】SINISTER ORDERではその全員が収録されていません

 

ただ、ビッグデスターズの中にはこれまでの弾に収録されたカードもあるので、見て行きましょう。

※この記事内では主に、デスジェネラルからアポロモンを除いた「ビッグデスターズ」について扱います。

 

  • ドルビックモン
【BT-05】バトルオブオメガで登場したBT5-018のドルビックモン。
イラストの背景に描かれているのはメガドラモンとデビドラモンで、両者共にクロスウォーズ作中ではドラゴンランドでドルビックモンの部下として登場していました。
 
【EX-03】ドラゴンズロアで登場した、EX3-014のドルビックモン。レアリティはRです。
クロスウォーズ出身のデジモンらしく、デジクロス条件を持っています。
イラストの背景に描かれているのはコアドラモン(緑)とダークリザモンですが、両者共にクロスウォーズには登場していません。一応、ドラゴンランドでは味方側(ドルビックモン視点だと反逆者)としてコアドラモンの進化前にあたるドラコモン、ドルビックモンの部下としてダークリザモンの色違いであるフレアリザモンは登場していました。
 
EX3-014 ドルビックモンはレアリティはRながら、パラレル仕様のカードがあります。
ちなみに、イラスト違いのパラレル仕様カードというのは、クロスウォーズ出身のデジモンの中では主役であるオメガシャウトモンやジークグレイモンすらも貰えていないので、その点では破格の扱いと見る事もできます。
イラストの背景にはヴァーミリモンとヴォルクドラモンが描かれていますが、こちらも両者共にクロスウォーズ作中ではドラゴンランドでは登場していません。
 
  • ザミエールモン
【BT-09】で登場したBT9-053のザミエールモン。
「デジクロス」や「バグラ軍」といったクロスウォーズの要素が実装される【BT-10】クロスエンカウンターの1つ前の弾という、非情に悪いタイミングでカード化されたとしか言いようが無いデジモンです。
それどころか、効果も進化元効果も無しのカードとして登場しています。確かに、ザミエールモンは自身をデジクロスで強化したりといった描写は無く、デスジェネラルの中ではどうも地味な方という印象ですが、その「地味さ」をカードゲームに落とし込んだ結果がこれなのでしょうか。
レアリティもCであり、威厳も何もあったものではありません。
 
 
…以上。
 
 
 
なんとビッグデスターズは、デジカが始まってから5年が過ぎた現在でも、未だに6体中2体しかカード化されていないのです。
ネオヴァンデモン、スプラッシュモン、オレーグモン、グラビモンの4体は、【EX-10】SINISTER ORDERの発売時点ではカードが存在すらしていません
 
【EX-10】SINISTER ORDERでは、第一報としてバグラモンのイラストが公開された時には期待は最高潮で、この弾でビッグデスターズのデジモン達は出るものだとばかり思っていました
エクストラブースターでは、過去には同じくアニメの敵役として初登場し、一部しかカード化されていなかったデーヴァのデジモンが一斉に収録されたという前例もあったので尚更です。
ビッグデスターズはクロスウォーズ作中では同格の敵幹部だったにも関わらず、クロスウォーズのデジモン達に世代が設定された際に究極体3体・完全体3体に分けられていましたが、「これはカード化する際にはむしろ好都合。ボス級のデジモンを収録するとなると必然的に究極体ばかりに偏ってしまうが、それを分散されられるのではないか」と、初めて世代を分けられた事に対して感謝を覚えた位でした。
更に、同弾が発売する2025年はクロスウォーズ15周年、同弾のカードの情報公開時期はyoutubeでデジモンクロスウォーズの期間限定配信の期間に含まれている、近い時期に登場したテイマーバトルパック28にアポロモンACEが収録と、ビッグデスターズが登場するにはこの上ない絶好の機会でした。
…にも関わらず、同弾では1体も収録されませんでした。
 
オレーグモン「おめぇ(デジカスタッフ)はたった今、俺様の(カード化される)最後のチャンスを蹴ったぜ」
 
一応、カード化するにあたっての懸念となっているであろう要素は存在し、「特徴」「アポロモンの扱い」が挙げられるでしょう。
これまでカード化されたビッグデスターズのデジモンには特徴に「ビッグデスターズ」がありますが、これらはいずれも特徴「バグラ軍」が実装される前にカード化されたものであり、作中での扱いを踏まえると、特徴に「バグラ軍」はあって然るべきでしょう。ただ、バグラ軍やデスジェネラルというのはあくまでデジモンクロスウォーズのみの要素であり、ビッグデスターズの中には後に他のアニメ作品に登場したものも存在しますが、ポジションや扱いは様々であり、バグラ軍はおろかビッグデスターズという設定すら影も形も出て来ていません。
公式設定の「ビッグデスターズ」を取るか、アニメ一作品のみ要素の「バグラ軍」を取るか…。これがカード化を悩ませている一因なのかもしれません。
 
加えて、唯一「デスジェネラルではあるが、ビッグデスターズではない」アポロモンの存在と扱いも、悩みの種でしょう。
アポロモンは既にカード化されており、特徴としては設定通りの所属である「オリンポス十二神」の他、初登場したゲーム作品の繋がりの「ライトファング」も併せ持っています。
「クロスウォーズが始まる前からの既存のデジモンからバグラ軍の幹部格に抜擢されたデジモン」としては、他に三元士のリリスモンが存在し、あちらも公式設定で七大魔王という他の勢力に所属しているデジモンでもありました。
そんなリリスモンが「クロスウォーズ版のリリスモン」としてカード化された際には、特徴に七大魔王が無く、バグラ軍があるという仕様でした。
なのでアポロモンも同じような仕様で出せるのではないかと思いますが、これは他のデスジェネラルがどうなるかにもよるでしょう。
いっその事「オリンポス十二神/ライトファング/バグラ軍」の全部乗せというのも手じゃないかとも思いますが、冗長な上に、それぞれ公式設定/ゲーム/アニメと情報元の媒体がバラバラです。
 
デスジェネラル達のカード化の状況
 
「これまで、各アニメ作品をメインにした弾があったんだから、デスジェネラルを出す機会はあったんじゃないか?」とか、更に言えば「デスジェネラルがこんなにもカード化されていなかったなんて知らなかった」と思う人もいるかもしれません。
一応、クロスウォーズの第二期『デジモンクロスウォーズ 〜悪のデスジェネラルと七つの王国〜』を題材に含んでいたと思われる弾は存在し、【BT-11】ディメンショナルフェイズが該当するのですが、この弾はあくまでゲーム『デジモンワールド リ:デジタイズ デコード』がメインであり、クロスウォーズの比率はそこまで高くはありません。
キラカードとして登場しているクロスウォーズ出身のデジモンは、シャウトモンX7、メルヴァモン、バグラモンの僅か3枚のみで、主役級だったオメガシャウトモンやジークグレイモンすらも(現在に至るまで)キラカードが与えられていない程でした。SECも2枚ともリ:デジタイズデコードの方のカードであり、クロスウォーズ第二期の主人公とラスボスの最終形態の登場はその次の弾のSECを待つ事になりました。
そんな中でデスジェネラル(ビッグデスターズ)など出る幕も無く、カード化されないまま現在に至ります。一応、クロスウォーズがメインのパックは後に【BT-19】クロスエボリューションがありましたが、テイマーズと共用な上、題材とされたのは漫画版のクロスウォーズだった為、ここでもデスジェネラル(ビッグデスターズ)は影も形もありませんでした。
 
ビッグデスターズに関連するデジモンとして、デスジェネラル七体がデジクロスした「グランドジェネラモン」も存在します。
公式図鑑には記載されていないデジモンな上にデスジェネラルが全員揃っていない以上、カード化など夢のまた夢でしょう。
アニメでは「七体のデスジェネラルの合体」で一纏めにできますが、公式設定準拠だと「ビッグデスターズの6体+オリンポス十二神のアポロモン」という構成であり、やはりここでもアポロモンをどうするか問題が生じてしまいます。
 
更に絶望的な事に、ビッグデスターズは今後カード化される見込みもありません
デジモンカードゲームは今後もパックの発売が予告されていますが、
 
ブースターパック
【BT-23】HACKERS SLUMBER→『デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー』
【BT-24】TIME STRANGER→『デジモンストーリー タイムストレンジャー』
 
エクストラブースター
【EX-11】DAWN OF LIBERATOR→『デジモンリベレイター』
 
とメインテーマとなる作品が公表されており、とてもじゃないですがビッグデスターズの出る幕などありません。
更に新アニメ『デジモンビートブレイク』に登場するデジモンもカード化され、メインテーマ以外の枠もそれらのデジモンやアプモン等で埋まる事でしょう。
現状、最後の希望にして絶好の機会だった【EX-10】SINISTER ORDERを逃してしまった以上、ビッグデスターズが今後デジカで登場する可能性は絶望的と言わざるを得ないでしょう。
 
 
デジカのイラストには小ネタがあったり様々なシチュエーションが描かれていますが、ビッグデスターズのデジモン達が背景に描かれているイラストも存在します。
おまけとして、そういったカードも紹介します。
 
・BT5-019 シャウトモンDX(パラレル版)
クロスウォーズ出身のデジモンが初登場し始めた【BT-05】バトルオブオメガより、BT5-019 シャウトモンDXのパラレル版のイラスト。
右の方をよく見ると、ドルビックモンが写っています。
ちなみに、クロスウォーズ作中ではシャウトモンDXが初登場したのは第二の国のエピソードだったのに対し、ドルビックモンは先に第一の国でジークグレイモンによって倒されていた為、両者が共演した事はありませんでした。このイラスト自体がオメガモンのパラレル版のイラストと繋がっている構図であり、アニメには無かったようなシチュエーションが見られるのも、デジカのイラストの醍醐味だと思います。
また、ドルビックモンは同弾の商品ポスターのイラストにも描かれていました。それを初めて見た時には、この弾に、もしくはこの弾からビッグデスターズのデジモンが収録されるのかと思ったものでしたが、まさかそこからザミエールモン1体(とドルビックモン1枚)が出ただけで音沙汰が無くなるとは…。
 
・ST14-08 ベルゼブモン
ST14-08のベルゼブモン。イラストの右上の方、ヴェノムヴァンデモンの手前にネオヴァンデモンの姿が確認できます。
ネオヴァンデモンは作中では「ベルゼブモン」に踏みつぶされる形でとどめを刺されたので因縁はある…と言いたいところですが、このベルゼブモンはクロスウォーズ版ではない本来のベルゼブモンなので、残念ながら特に関係はありません。
 
 
クロスウォーズ作中で登場したダークネスモード等の派生形までカード化しろとは言いません。
せめてビッグデスターズのデジモン達全員がカード化される事を願います。

グレイモン系デジモン…それは初代携帯ゲーム『デジタルモンスター ver.1』から存在する種族であり、アニメ第一作目「デジモンアドベンチャー」では、主人公・八神太一のパートナーデジモン・アグモンの進化ルートとして登場しました。
それ以降のアニメ作品でも、『テイマーズ』を除く全ての作品にグレイモン系デジモンが登場しており、中には『デジモンアドベンチャー』の様に主人公の進化ルートとして登場したものも少なくありません。

 

『デジモンフロンティア』の放送が終了し、デジモンのアニメシリーズ展開がひとまず休止した『デジモンクロニクル』の時代。

この頃には「X進化」を遂げたという設定であるX抗体版のデジモンが数多くしており、グレイモン系のデジモンもX進化を果たしました。

グレイモン系デジモンのX抗体版が登場したのは『デジモンペンデュラムX 1.0』の頃であり、続く『デジモンペンデュラムX 2.0』の頃に、突如として一体の新規デジモンが登場しました。

それが、ガイオウモンです。

 

このガイオウモンは「グレイモン系デジモンの亜種」という設定の竜人型デジモンであり、外見的な特徴も何処かウォーグレイモンと似通っています。

 

僕は初めてウォーグレイモンを見た時は、当時は馴染みの薄かった竜人型のフォルムに慣れなかったものでしたが、このガイオウモンを初めて見た時には、グレイモン系の意匠、X抗体系デジモンの意匠、侍風の意匠の3つが巧みに合わさったその姿に衝撃を受け、一目で気に入りました。

 

そんな気に入りのガイオウモンでしたが、「グレイモン系の亜種」「究極体」「脅威の戦績を持つ」という設定から、なかなか動かしにくそうなキャラというイメージを受け、「テレビアニメで見られる事はまず無いだろうなぁ」と思っていました。

 

 

ところが、『デジモンクロニクル』から時が流れた頃、アニメ『デジモンクロスウォーズ』にてガイオウモンがアニメシリーズ出演を果たしました!

 

ガイオウモンが登場したのは『デジモンクロスウォーズ』第24話「落ちこぼれモニタモンズ、がんばる!」での事。

シノビゾーンを侵略しているバグラ軍のムシャモンの命を受け、コードクラウンを入手すべく夜の闇の中を駆ける一団・・・その中にガイオウモンの姿がありました。

 

すなわち、『クロスウォーズ』でのガイオウモンは敵側のバグラ軍のデジモンであり、ムシャモンの部下という事になります。

 

『クロスウォーズ』では従来の「世代」の設定について全く言及されておらず、作中のデジモンの強さも、従来の設定通りの「世代」に必ずしも忠実とは限りません。

ところが、従来の設定ではガイオウモンは究極体であるのに対し、ムシャモンは成熟期。ムシャモンの方がガイオウモンよりも世代が2つも下なのです。

成熟期と究極体とでは実力差も相当なものであるはずで、漫画『Vテイマー01』では、「さしずめ究極体を蝶とするなら成熟期などイモムシにすぎん」と解説されています。

にも関わらず、作中ではガイオウモンはムシャモンの部下・・・

従来の世代設定を知っている人ならば、この上下関係にはほぼ間違いなく違和感を感じることでしょう。

 

また、この一団を率いていたのは、ムシャモンの側近であり、従来の設定ではアーマー体のシュリモンでした(カラーリングは従来のものとは異なりますが)。このガイオウモンの地位は、シュリモンよりも下なのかもしれません。
ちなみに、これよりも前の回では、従来の設定では完全体のエテモンが、シュリモン配下の忍者軍団として登場していました。

 

 

さて、ムシャモンの部下として登場したガイオウモンの活躍を見てみましょう。

 

一団の前にタイキ達が立ち塞がり、シュリモンがガイオウモンとアシュラモンに攻撃を指示したところで、タイキがインプモンのデジメモリで一団を攻撃します。

インプモンのピラー・オブ・ファイアーによって、一団は炎に包まれます。ところが…

 

「燐火斬!!」

 

ガイオウモンが必殺技を放ち、炎を切り裂きます。しかし、本当にただ炎を切り裂いただけで、衝撃波がタイキ達のところまで届く事はありませんでした…。

 

そして始まるクロスハートとバグラ軍との戦い。

シュリモンはスパロウモンと戦い、アシュラモンはシャウトモンと戦う中、ガイオウモンが戦った相手はナイトモンでした。従来の設定では完全体のデジモンです。

戦いのシーンにて、シュリモンがスパロウモンを、アシュラモンがシャウトモンを圧倒するシーンが描かれていましたが、ガイオウモンだけはナイトモンをそこまで圧倒はしていませんでした。

勢いよく飛びかかってきたナイトモンの攻撃を両方の刀で防ぎ、その後は左右交互にナイトモンに切り掛かります。

ナイトモンは防戦一方という感じではありますが、それでもガイオウモンの攻撃を全て受け止めていました。

 

次に映った戦闘シーンでは、なんとガイオウモンがナイトモンに圧倒されていました

刀の一振りをかわされ、ナイトモンの剣によって腹に一撃を与えられるガイオウモン。そして次の一振りもかわされ、今度は左肩に攻撃を受けていました。

 

ガイオウモン単体の戦闘シーンは、それが最後でした。

次に登場したのは、シャウトモンX5がムシャモンと戦っている時でした。

自分達を引き付けておいて、その隙に城へ忍び込むというタイキの作戦に気付いたのか、シュリモン、アシュラモンと共に戻って来て、背後から網でシャウトモンX5を束縛しました。

そして、タイキの作戦について

 

「小賢しい手を使いおって!」

 

と発言しています。この台詞は字幕によるとガイオウモンが言った事になっており、ガイオウモンの台詞は必殺技名とこの台詞のわずか二言だけです。

正直、不意打ちで相手を縛るという戦法も、十分に小賢しい気がします…。

尚、ナイトモンとの戦いが最終的にどうなったのかは不明です。

 

結局ガイオウモン達が仕掛けた網は、ムシャモンがハイビジョンモニタモンの攻撃に怯んでいる間にシャウトモンX5によって自力で解かれ、その直後にメテオバスターアタックによって、ムシャモン、シュリモン、アシュラモン共々一瞬で消し飛んでしまいました。

 

 

ガイオウモンというデジモンは、「信じがたい戦闘回数と戦績を持つことが判明している」デジモンです。

しかし、ムシャモンの部下としてアニメシリーズ初登場を果たしたガイオウモンの「戦績」はというと、ナイトモンに押され、最期はX5に瞬殺されるという散々なものでした…。

ナイトモンに押されたのも、ムシャモンの部下になったのも、世代の概念を廃止した『クロスウォーズ』だからこそできた事でしょう。

 

ガイオウモンの方が一回り体格は大きく、ナイトモンが剣一本で戦うのに対し、ガイオウモンは二刀流であるにも関わらず、最終的には押されていました。

ちなみに、これより3話後の回では、武器を一本しか持たないシャウトモンX4が、武器を二本持つ敵に手数で押され苦戦するという描写がありました。

これではますます、二刀流にも関わらず武器を一本しか持たないナイトモンに押されたガイオウモンの立場がありません…。

 

 

『クロスウォーズ』でのガイオウモンの不遇さは、作中での扱いだけに留まりません。

というのも、ガイオウモンはアニメにおいて、デザインが間違えられているのです。

ガイオウモンは、その他のグレイモン系の多くと同じ様に、頭部には左右と鼻先の計3ヶ所に角が生えています。

ところが、アニメのガイオウモンは、左右と鼻先に加えて額部分にまで角が生えています。つまり、アニメのガイオウモンは、公式設定でのデザインより1本多く、計4本の角が生えているのです。

これは、公式イラストでガイオウモンの右肩の棘を、額部分から生えた角(実際にはそんなものは無い)だと勘違いしたのだと思われます。

確かに、ガイオウモンというデジモン自体、元々複雑なデザインではありますが・・・額からは角は生えていない事は、ゲームでのグラフィックやカードでの描き下ろしイラストから明らかです。

 

 

デジモンカードでは、ブースター22と23で、立て続けに登場しました。

特にブースター23では、登場2回目にしていきなりゴールドエッチング仕様のカードに抜擢されています。

また、ブースター22では公式イラストが使用されていたのに対し、ブースター23では2本の武器(名前は「菊燐」)を合体させ構えている描き下ろしイラストが使用されていました。

特殊能力はどちらも、不特定多数の相手スロットのカードをダークエリアに送る事ができる点で共通しています。

 

デジモンカードαでは第2弾で登場。コストが10と重い事とバトルタイプがCである事がネックではあるものの、上手く決まれば一撃必殺級の特殊能力が魅力的でした。

第1弾で登場したオプションカードのバトルターミナルと組み合わせると効果的でした。

イラストは、旧デジモンカードのブースター22と同じく公式イラストが流用されています。

 

カードでは、メタルグレイモンやライズグレイモンといったグレイモン系の完全体や、ガイオウモンと同じく東洋風の竜の姿をしたデジモンであるヒシャリュウモンから進化できるものが多かったです。

特にヒシャリュウモンは、ガイオウモンとは登場時期も近いです。

 

 

ゲームシリーズでは『デジモンストーリー サンバースト/ムーンライト』で初登場しました。

この作品では育成する事はできず、敵専用の巨大ボスとしてのみの登場でした。

プレイヤーが育成できるようになったのは、続作の『デジモンストーリー ロストエヴォリューション』が初でした。

進化ツリーではベタモンツリーに属しており、進化元はワルシードラモンとマスターティラノモン(こちらはギルモンツリーから)でした。進化ルート上ではグレイモン系デジモンとは無関係でした。

ゲームのドット絵では、公式イラストよりも色が明るめというか、少々カラフルな印象を受けます。

ガイオウモンのイラストは色合いが暗く、再現が難しそうなので、これはこれでありなのかもしれません。

 

 

『デジモンストーリー サイバースルゥース』では初めて3Dグラフィックが作られました。色合いは公式イラストの感じに近く、当然『クロスウォーズ』の時の様なデザインミスもありませんでした。

このゲームでの進化元はメタルグレイモン、メタルグレイモン(青)、ライズグレイモンの3種であり、全てグレイモン系で統一されています。

ストーリー上では、神代悠子の使用デジモンとして登場します。彼女が所有していたライズグレイモンが、ユーゴのムゲンドラモンとの戦いの後に進化した姿です。

なかなか劇的なタイミングで進化したものでしたが、作中で台詞はありませんでした。悠子がフェイに与えたデジモンという設定のタイガーヴェスパモンには、専用のボイスまであったのに…。

その後は、悠子と同行する際にアシストとして力を貸してくれます。

 

 

更に時が流れ、2021年頃には、まさかのガイオウモンの派生形態であるガイオウモン:厳刀ノ型が登場しました。

「戦いに敗れたガイオウモンが、想像を絶する修練の果てに新たな力を手に入れた姿」という設定であり、クロスウォーズでの扱いのあまりの酷さから、ここまで這い上がる事ができた点には感慨深さを覚えます。

 

 

果たして、今後ガイオウモンには一体どのような戦いが待ち受けているのでしょうか。

パイルボルケーモンには、「7種類あるといわれているボルケーモンの進化系のひとつ」という設定があります。

しかし、2025年現在になっても、パイルボルケーモンの他には「ボルケーモンの進化系」という設定のデジモンは登場していません。

ところが、ボルケーモンに7種類の進化系が網羅された媒体が存在します。それが、旧デジタルモンスターカードゲームです。

ここでは、旧デジカにおけるボルケーモンの7つの進化形態を見て行きます。

 

 

  • パイルボルケーモン
ボルケーモンの進化先の開祖にして、公式設定で唯一進化先と明言されているデジモン。
上記のSp-15のカードのテキストでも「7つあると言われるボルケーモンの進化形態」について言及されています。
上記のカードは進化条件がしょうりつ80%!な上に更に手札コストがあって重いですが、他に友情のデジメンタルを使う事で進化するカード(Bo-878)もあります。パイルボルケーモンには特に友情のデジメンタルの要素は見当たりませんが、まさか他の進化形態もそれぞれ別のデジメンタルで進化する様な想定だったのでしょうか。
 
  • エンシェントボルケーモン
ボルケーモンの名を冠する、土の十闘士。デジモンカードではもちろんボルケーモンの進化先として実装されています。
上記のSt-975のカードは、パイルボルケーモンからも進化できたり「ボルケ」の文字が入るデジモンに関する特殊能力を持っていたりと、十闘士としてではなくボルケーモン系の結び付きを強く意識したカードになっています(同じ弾にボルケーモンとパイルボルケーモンも登場している)。
ちなみに進化条件にはボルケーモン(青枠)と指定されていますが、元々の枠の色が青枠以外のカードは存在しません。
 
  • ウォーグレイモン
Bo-437より、初代アニメ主役の究極体。
こちらの進化条件はしょうりつ40%!と緩いですが、実はこのカードが初登場した時点ではボルケーモンのカードは限定カード(Dg-2)でしか登場しておらず、通常弾に収録されているBo-、St-ナンバーでは存在していない状態でした。
ちなみに、Dg-2は後にBo-599として正式にカード化(リメイク)されています。
 
  • インペリアルドラモン
続いてSt-541より、2代目アニメ主人公の究極体。ただ、上の画像では分かり辛いですが、近年では「インペリアルドラモン:ドラゴンモード(黒)」と表記されるウィルス種版です。
進化条件はしょうりつ60%!であり、パイルドラモンからは進化できない上に、他のドラモン達を差し置いてボルケーモンが堂々と一番上に書かれています。
 
  • セントガルゴモン
更にSt-542より、3代目アニメメイン格デジモンの究極体。
こちらも本来の進化元であるラピッドモン(完全体)からは進化できない上に、ボルケーモンが進化条件の一番上に書かれています。
 
  • ボルトモン
ボルケーモンのモデルでもある「ボルケーノ太田」氏による描き下ろしイラストが特徴的なSt-581のカード。
過去に発売されていたデジモン関連の書籍内の四コマで、ボルケーノ太田氏は「ボルトモンの筋肉が一番好き」と語っていたものでしたが(ちなみにその四コマ内ではボルケーノ太田氏はボルケーモンの姿として描かれていた)、そんな氏がイラストを担当している上に、氏がモチーフのボルケーモンからの進化も設定されているこのカードを見た時は、謎の感動を覚えたものでした。
更に名前が「ボル」から始まっている繋がりでもあるので、ボルケーモンの進化先としてピッタリです。
 
  • アポロモン
オリンポス十二神の1体。旧デジモンカードの復刻版が展開されていた頃に、新規カードとして登場した1枚です。
アポロモンは元々ゲームの主人公デジモンであり、進化ルートが設定されているデジモンですが、旧デジモンカードではそれらのデジモンがカード化されていない都合もあってか、ボルケーモンが進化元として割り振られています。
進化条件にはボルケーモンの名前しか書かれていないので、「ボルケーモンの進化先」として存在感は抜群です。
 
 
以上です。
長年謎に包まれているボルケーモンの7つの進化形態ですが、旧デジモンカードにおいては
 
・パイルボルケーモン
・エンシェントボルケーモン
・ウォーグレイモン
・インペリアルドラモン:ドラゴンモード(黒)
・セントガルゴモン
・ボルトモン
・アポロモン
 
これら7体が、ボルケーモンの7つの進化形態として設定されている事になります。
明日から使える豆知識と言えるかもしれません。
デジモンの携帯機の第二弾『デジモンペンデュラム』シリーズ。その最終作にあたる『デジモンペンデュラムver.5』。
(番外編の『デジモンペンデュラムver.5.5』や、アニメシリーズの主役をメインとした集大成的な内容の『デジモンペンデュラムZERO』は除く)
「メタルエンパイア」という副題を付けられた本作では、アニメの主役の究極体として新登場したウォーグレイモンとメタルガルルモン、アニメでのウォーグレイモンの進化ルートにあたるメタルグレイモン(橙)とグレイモン、PS版ゲーム『デジモンワールド』で登場していたムゲンドラモン、トイアグモン、ハグルモン、クロックモン、ガードロモン、タンクモン、ワルもんざえモン、SS版ゲーム『デジタルモンスターver.S』で登場したメカノリモン、携帯機『デジタルモンスター』の前シリーズで登場した完全体で、ムゲンドラモンにパーツが使用されているメガドラモンにアンドロモン、デジモンウェブでのドット絵コンテスト企画の入賞作品であるコクワモンとビッグマメモンと、様々な媒体からのデジモンが登場しています。
そんな中で登場した数少ない新規デジモンの内の1体、完全体の中では唯一の新規デジモンだったのが、
ナイトモンです。

サイボーグ型やマシーン型といった機械系のデジモンが機械系の要素が含まれるデジモンが大半を占める中、ナイトモンは全身を重厚な鎧で覆った騎士といった風貌であり、どことなく異質さがあります。携帯機の背景には工場の様な風景が描かれていたり、他の新登場デジモンは皆機械的な要素のあるデジモンなので尚更です。

まあ「メタルエンパイア」・・・「鋼の帝国」という事で全身金属鎧のこのデジモンはコンセプトには合っているとは思いますが。

 

 

そんなナイトモンが初めてアニメ作品に登場したのは『デジモンアドベンチャー02』での事でした。

第32話での初登場は、アルケニモンがダークタワーから生成した、所謂「ダークタワーデジモン」としての登場でした。このダークタワーデジモンのナイトモンは、設定が設定な為か、公式設定とは異なり、盾に希望の紋章が描かれていません(盾は背後に背負っている為、公式イラストだけでは盾のデザインがどうなっているのかは全く分かりませんが、デジモンカードのブースター12収録の「主従の誓い」に使用されているイラストで、希望の紋章が描かれている事が確認できます。ただし、このイラストではアニメや後のイラストとは配色が異なります)。

アルケニモンに命じられ、ホーリーストーンを破壊する為にホーリーストーンに攻撃を仕掛けます。

しばらくして大輔たちが到着。事情をよく知らない大輔たちはその様子を見て、

 

大輔「何やってんだ、あいつ?剣の練習か?」

エクスブイモン「でも、あれじゃあ刃がボロボロになっちゃうよ」

ヒカリ「逆に、刃を鍛えているのかも」

大輔「あぁ、なーるほどー!」

 

という暢気なやりとりをしていました。

しかしネフェルティモンが、それがホーリーストーンである事を感知。攻撃を阻止するべく、大輔とエクスブイモンがナイトモンに立ち向かいます。

戦闘では、エクスブイモンにベルセルクソードを受け止められた後に、腰から別の剣を抜いて攻撃しようとする器用な面が見られました。

しかしそこに、ヒカリに連れられたタケル達が応援に到着。エクスブイモン、アンキロモン、アクィラモン、ペガスモン、ネフェルティモンとアルケニモン、マミーモン、ナイトモンとの混戦になります。

 

ナイトモンはペガスモンを圧倒し、「俺の体は剣では切れない」と自身あり気に向かって行ったアンキロモンに対しては剣で叩いて攻撃を仕掛けました。

劣勢になる選ばれし子供達サイドでしたが、そこに賢&スティングモンも到着。エクスブイモン&スティングモンがパイルドラモン、アクィラモン&テイルモンがシルフィーモンへとジョグレス進化する事で応戦します。

ナイトモンは、ジョグレス後にパイルドラモンが放ったデスペラートブラスターを受けて態勢を崩したところに今度は「打撃技には打撃技」とアンキロモンのメガトンプレスによる反撃を受けます。

 

そんな感じでパイルドラモンとアンキロモンのコンビネーションに押されている様子のナイトモンでしたが、次の場面では態勢を立て直しており、シルフィーモンのトップガンをものともせずに攻撃を仕掛け、ホーリーストーンのリングを破壊しました。

しかし、それによってアグモンと交流していたブラックウォーグレイモンに異変が起こり、ブラックウォーグレイモンがホーリーストーンの方へと向かって行きます。

アルケニモンとマミーモンがブラックウォーグレイモンの接近を感知して撤退。ナイトモンはというと…まだ残ってホーリーストーンを攻撃し続けていました。

ブラックウォーグレイモンが接近すると、ナイトモンはブラックウォーグレイモンの方に向き直り、剣を振ろうとします。しかし、ブラックウォーグレイモンの突撃によってあっけなく消滅してしまいます。

この様子を見た一行は、

 

大輔「なにぃ!?」

京「一瞬で、あいつを!?」

 

と驚いた様子でした。

ちなみにナイトモンが破壊しようとしていたホーリーストーンも、ブラックウォーグレイモンのガイアフォース二発で吹き飛びました。

 

その後、ナイトモンは第39話にも登場。この時は、人間界に迷い込んだ通常のデジモンとしての登場でした。

ニュースにて、札幌市の札幌時計台周辺に現れているのが確認できます。

目の前に降り立ったインペリアルドラモンに対し、普段は腰に携えている方の剣を鞘が付いたままの状態で右手で振りかざしながら向かって行きますが、あえなくインペリアルドラモンに取り押さえられ、デジタルワールドへと転送されました。この時は、盾に希望の紋章が描かれていました。

 

 

ここで、公式イラストではナイトモンは計3本の剣を身に付けていますが、アニメ版のデザインでは、そのうち背中に背負っている剣がありません。

これに関しては、設定資料集で「背中の剣は省略してもOK」という旨の一文が添えられており、デザインミスではなく意図的なものである事が窺えます。(同様に、メッシュ部も一部省略・簡略化されています)

確かに、ただでさえ線が多い上に、おそらくほとんど使われないであろう背中の剣をわざわざ描くのは作画の上で面倒でしかない気がします。

また、盾の希望の紋章に関しても、上述の『02』の第32話に登場した個体(ダークタワーデジモン)の盾には描かない様に指定があります。

 

 

『デジモンテイマーズ』では第29話で登場。デジタルワールドで、タカト達が泊まる為に入った城の中で登場しました。

リョウによると、夜になると廊下を歩いており、何もしなければ襲って来ないとの事です。

「ビジュアル的にはかなり幽霊(っぽい)」と健太に言われていたように、ここでの出番は、この回のタイトルにあるような「幽霊の城」らしさを出す為の演出的なものでしょう。

 

『テイマーズ』本編でのナイトモンの出番はこれだけでしたが、『テイマーズ』のOPの初期の映像では、最後の場面にナイトモンらしきシルエットが映っているのが確認できました。

しかし、OP映像が差し替えされてからは、そこに追加されたのは新規参入したキャラ達であり、ナイトモンらしきシルエットなど影も形も無くなりました。

 

 

『デジモンフロンティア』でも登場。この頃には、「ナイトモン」と名の付いた究極体にして、「全ナイトモンを統べる」という設定を持ったロードナイトモンというデジモンが登場していました。ナイトモンの直系の究極体の様にも見れますが、その姿はスリムな体型に全身ピンクという、ナイトモンとは似ても似つかないものでした。属性もナイトモンはデータ種なのに対し、ロードナイトモンはウィルス種になっています。

 

第44話にて、そのロードナイトモンの部下として大量のナイトモンが登場しました。

守護神のデジコードを守ろうとするゴツモンのもとに侵攻していました。大勢のナイトモンに攻め込まれ、ゴツモン危しか…と思ったその時、正義の闘士達が駆けつけました。

この頃には、超越形態でも苦戦する様なバトルが増えていましたが、そんな中でこのナイトモンの強さはというと…超越形態どころかヒューマンやビーストのスピリットでも普通に蹴散らせる程でした。

ヴリトラモンやヴォルフモンの攻撃では3体が一気に吹っ飛ばされ、チャックモンに凍らされてたりレーベモンに盾で攻撃を受け止められた末に突きを喰らったり、挙句にブリッツモンには胸部を凹ませられる程のパンチを受けた後に「見かけ倒しめ!」とまで言われる始末…。

この戦いの様子を見ていたフェアリモンは「これなら、この大地を守り切れるわ」とボコモン、ネーモン、パタモンと共に笑みを浮かべていました。

しかしその直後にロードナイトモンとデュナスモンによってデジコードは吸収され、大地が崩れ去ってしまいました。

急いで離脱する闘士達でしたが、一方でその闘士達と戦っていたナイトモン達はというと、そのまま見殺しにされてしまいました。

消滅した大地跡に飲み込まれ、落下していくナイトモン達…。この時、

 

フェアリモン「まだ仲間がいるのに!」

ヴォルフモン「貴様…仲間を巻き添えにして、何とも思わないのか!」

 

と言われたのに対し、ロードナイトモンは、「仲間…?何を言っている。奴らは我が駒。私の為に美しく散ったまでの話。それに、高貴なこのロードナイトモン様の為に死ねるのだ。これ程名誉な事は無かろう」と答えています。

ナイトモンには「マスターに忠実に仕えるために存在しているデジモンであり、信義に厚い性格である」「そのためにマスターの属性によっては信念を貫くため、悪にも正義にもなってしまうことに苦悩している」という公式設定がありますが、こんな風に主に恵まれないナイトモンは、哀れと言えるのかもしれません…。

 

ロイヤルナイツがセラフィモンの城に攻めに行った際にも、大量のナイトモンが率いられています。デュナスモンの「やれ」という命令で一斉に剣を振り、剣から衝撃波を飛ばして攻撃していました。しかし、この攻撃ではセラフィモンの城の結界は破れませんでした。

その様子を見たロードナイトモンは、拓也達が来る事を予測してナイトモン達をその場に待機させ、自身はデュナスモンと共に結界が一番脆い頂上へと飛んで行きました。

その様子を見ていた拓也達。ナイトモンの大軍とは輝二(マグナガルルモン)とゴツモンが戦う事になりました。

 

マグナガルルルモンの砲撃によって次々と倒れていくナイトモン達。そして…

 

ゴツモン「アングリーロック!アングリーロック!!アングリーロック!!!」

 

なんと、成長期のゴツモンにすら、大量のナイトモンが吹っ飛ばされていました

ナイトモンが完全体なのに対し、ゴツモンは成長期。ランクではナイトモンの方が二つも上のはずです。

おまけにナイトモンが金属(公式設定上では重量級の「クロンデジゾイド」製)なのに対してゴツモンは岩石です。

にも関わらず軽々と吹っ飛ばされていくナイトモン達。どうやら、ブリッツモンが言っていた見かけ倒しというのは間違いではなかったようです…。

 

それでも数が多いナイトモン達に対し、マグナガルルモンは「一気に行くぜ!」とミサイルで爆撃します。

そして爆撃された後には大量のナイトモンの鎧の残骸が…。しかし、残骸が勝手に再生し、復活。

このシーンは、効果音や残骸が勝手に浮かび上がったり再生後に目が赤く光る演出から、『テイマーズ』の時の「幽霊」ではありませんが若干ホラーチックに感じられます。

 

ところでナイトモンには「一説には、暴走してしまう程の強力なパワーを抑えるために甲冑を身に着けていると言われている」という設定がありますが、ここではその説が完全に否定されています。ここでのナイトモンは鎧の中身は空洞であり、ただの鎧オバケです。

まあその設定もあくまで「一説」にしか過ぎませんしね。

 

その再生力と数は結構なものだったらしく、次の戦闘場面では同じように銃撃で倒されていくものの、マグナガルルモンの左腕の火器が弾切れを起こしています。そして、

 

ゴツモン「アングリーロック!アングリーロック!!アングリーロック!!!」

 

と、相変わらずゴツモンにも大量に吹っ飛ばされていくナイトモン達。しかしそれでも尚ナイトモン達は再生していきます。

マグナガルルモンも「くっ、このままじゃ…!」と苦悩を浮かべており、やって来たロードナイトモンからも「苦戦しているようだな」と悟られています。

どうやらこのナイトモン達は完全に質より量で押している様です。

 

この後、輝二サイドの戦いはマグナガルルモンVSロードナイトモンに移行しますが、ゴツモンがインセキモンへと進化した際に、ロードナイトモンに呼ばれてナイトモン軍団がまたしても登場。

しかしインセキモンのコズモフラッシュによって、光の弾の中に飲み込まれる様な演出で消滅してしまいます。

成長期のゴツモンでも吹っ飛ばせてたのだから、同じ完全体となったインセキモンにとってはもはや敵ではありませんでした…。

これに対してロードナイトモンは「私のナイトモン達が!」と驚きを見せています。

 

 

『デジモンセイバーズ』でも敵方のロイヤルナイツ側のデジモンとして登場。第42話で人間界へと侵攻していました。

ナレーションでも「世界各地では、ロイヤルナイツ達が部下のナイトモンを引き連れ、侵攻を開始した」と解説されています。

映像ではロードナイトモンだけでなく、デュナスモンやアルフォースブイドラモンにも率いられているのが確認できます。今作でも剣から衝撃波を飛ばして攻撃を行っています。

また、『セイバーズ』では普通に浮遊しています。

 

ミラージュガオガモンのゲイルクローを喰らったり、レイヴモンのブラストウィングで真っ二つにされたり、ロゼモンのフォービドゥンテンプテーションで一度に複数がやられたり、ローゼスレイピアで貫かれたりと、相変わらずのやられ役ぶりです。まあ、ここでは相手が格上の究極体だっただけまだマシでしょう。

やられたナイトモンはいずれもデジタマに還っています。

ロゼモンは「キリが無いわ」と息を切らしており、淑乃も「何体いるっていうの?」と発言しています。どうやら『フロンティア』での物量で押すような戦法も健在の様です。

 

フランツとリリーナを乗せた飛行機が離陸する際に、一体がその前に立ちはだかり、剣でコックピット部を攻撃しますが、その後ガワッパモン(カメモンが進化した成熟期)のDJシューターを喰らいました。

大量のディスクを脇腹に突き刺されたナイトモンはそのまま態勢を崩し下降、僅かにですがそのまま消滅したような音とエフェクトが確認できます。

どうやら今回も鎧には頑丈さも何も無く、格下相手にやられるのは避けられないようです…。

その後、ミラージュガオガモンやガワッパモンが進化したシャウジンモンとも戦闘を行っています。

 

そして一行の前にロードナイトモンが登場。第一声で「我の配下を手にかけるとは…思い知らせてやらねばならぬ」と発言しています。こちらのロードナイトモンは、『フロンティア』の様に「駒」ではなく、まだ「配下」としてナイトモン達の事を見ているようです。

ロードナイトモンが現れた際にはまだ何体かナイトモンが残っていましたが、ロードナイトモン戦に入ってからは姿は見られません。

しかし、ミラージュガオガモンがバーストモードに進化した後には、ロードナイトモンの横に一体だけいました。しかし、そのナイトモンは当然のようにミラージュガオガモン バーストモードの鉄球攻撃一発で消滅し、デジタマに還りました。

いかにもミラージュガオガモン バーストモードの見せ場を作るためだけに配置された感丸出しのこのナイトモンには、哀れさすら感じます…。

 

その後もロイヤルナイツとの戦いは続きますが、ナイトモンが登場したのはこの第42話だけでした。

蓋を開けてみれば、見殺しにされなかった事や鎧オバケ化してなかった事以外は、『フロンティア』とほぼ同じような扱いでした。一話しか登場していない点も同じです。

 

 

今後もナイトモンがアニメに出るとすれば、『フロンティア』や『セイバーズ』の様な扱いが続くのか…そう思っていた矢先に、『デジモンクロスウォーズ』の放映が開始されました。

『デジモンクロスウォーズ』では、新規デジモンとして、スカルナイトモンダークナイトモンといった、「ナイトモン」と名前の入ったデジモンが登場する事が発表されていました。

しかし、「騎士っぽい外見をしている」事以外にはナイトモンとは何の関連性もありませんでした。

「こんなややこしい名前のデジモンが主要デジモンとして出るんだから、ナイトモンの出番は見込めないか」と思っていました。ところが…。

 

『デジモンクロスウォーズ』の第10話。新たなゾーンに来たタイキ達は、そこでバグラ軍によって凍らされたデジモン達を発見する。

そんな中タイキは、今にも息絶えそうなデジモンの音を感知し、その方向へ向かって走り出します。その先には、湖の前で悲しみに暮れた様子のポーンチェスモン(白)達の姿が。どうやら彼らのリーダーであるナイトモンが、バグラ軍にやられて湖に落ちてしまったとの事です。

タイキは湖に向けて呼びかけます。その呼びかけに対し…

 

「だ、誰だ…?私を呼ぶのは……」

 

デジモンアニメ史上において、初めてナイトモンが喋った瞬間です!

このナイトモンの声は、てらそままさきさんが担当されています。

タイキが自分が人間であるという事を伝えると、

 

「人間……?まさか、貴方が探し求めていたジェネラルか…!なんと口惜しい…!もう少し早く出会えていれば、姫を…姫を守れたかもしれぬものを……!」

 

と、本当に残った息も僅かだと思わせるような発言をします。

更に、部下たちのためにも生きるよう励ますタイキに対して、

 

「私はここまでだ…。せめて、そのポーンチェスモン達にお力を…!」

 

周りが落胆する中、タイキは「そんな遺言みたいな頼みごと、ごめんだ!」と突っぱね、「このデジモン、ほっとけない!」と言って氷の湖の中に飛び込み、助けに向かいます。

タイキはナイトモンをクロスローダーに収めた後に息切れしそうになりますが、チビカメモンによって事なきを得ました。

そして…。

 

タイキ「リロード!ナイトモン!」

 

初めて『クロスウォーズ』で本格的に姿を現したナイトモン。ポーンチェスモンズは「ナイトモン様が復活したチェス!」と喜び、キュートモンからも「カッコいいキュ!」と言われていました。

そして、このナイトモンの外見上の最大の特徴は、何と言ってもマントを付けている点です。マントの裏側には、盾と同じく希望の紋章が描かれています。

ナイトモンはタイキを命の恩人として、バスティア城へと招待しました。助けられて以降ナイトモンは、タイキの事を「タイキ殿」と呼び慕うようになります。

 

このナイトモンは、バスティア城の王女・バステモンに仕える守護隊長です。バスティア城にはコードクラウンが封印されており、それを求めて攻めてくるバグラ軍に抵抗していたのが、ナイトモンを始めとしたバスティア城のデジモン達でした。

そう、アニメシリーズ登場4作目にして初めて、ナイトモンが味方側のポジションで登場したのです

 

一方、バスティア城は、バグラ軍のアイスデビモン部隊に侵攻されていました。この部隊は、アイスデビモンが率いる部隊で、アイスモンとトループモンからなる大軍です。

そのバグラ軍に攻撃をしかけ、かっこよく決めようとしていたシャウトモンでしたが、その名乗りを遮ってタイキ達の紹介をはじめるなど、ナイトモンも絶好調です。また、城のデジモン達もナイトモンがジェネラルを連れて帰ってきた事から活気づきアイスデビモン部隊を一時撤退に追い込みます。

 

ナイトモンは、城の危機を救ったタイキを騎士団長に推薦します。しかし城には既に「騎士団長候補」としてキリハが。

ナイトモンはタイキに対しては恩義を感じているのに対して、キリハに対しては「タイキの様な温かみを感じない」と警戒している様子でした。

 

そして再びバグラ軍が大軍で侵攻してきます。

ナイトモンはタイキ、アカリ、バリスタモン、ドルルモンと共に戦場に出ていましたが、これは陽動作戦であり、アイスデビモン達の侵入を許してしまいます。

しかし城の中にはシャウトモンが残っており、タイキやナイトモン達も途中で陽動作戦に気付き、城の中へと駆け付けました。

一気に追い詰められたアイスデビモンは、部下のアイスモン達を吸収し、巨大化し腕がゴツくなった「アイスデビモン 強化吸収体」となります。

そして城の屋上でクロスハート、そしてナイトモンとアイスデビモンとの戦いが始まります。

 

ここで、攻撃を行う際などにナイトモンが「ナイトォ!」という独特な掛け声を発する事が明らかになります。この点も、『クロスウォーズ』のナイトモンのキャラ付けに一役買っています。

シャウトモンやドルルモン、バリスタモンと共に、ナイトモンは剣で攻撃を仕掛けますが、腕で防がれたりかわされたりと、不利な様子です。

ドルルキャノンへのデジクロスに成功した時にはアイスデビモンに握りつぶされていましたが、ドルルキャノンの射撃によって解放されました。

この時体を凍らされていたものの、氷を自力で解いています。その際、剣(ベルセルクソード)をどこからともなく取り出しており、刀身が発光と共に生成されるような描写が見られました。

そして、アイスデビモンがドルルキャノンの攻撃で怯んでいる隙にタイキの指示でポーンチェスモンズとの合体技「チェックメイトブレイク」を放ち、アイスデビモンの腹部を貫きます。

攻撃を受けたアイスデビモンは爆発しますが生存しており、強化吸収体の状態も解けてボロボロになりながら再度撤退します。そして、残った敵も撤退していきました。

 

ちなみに余談ですが、この時戦ったアイスデビモンの声優は、『フロンティア』でゴツモンを演じていた高戸靖広さんです。つまりナイトモンは、作品を跨いで「高戸靖広さんが演じるデジモン」と戦った事になります。

そしてアイスデビモンが吸収したアイスモンは、ゴツモンの亜種の成熟期…これも何かの因縁でしょうか。

 

その後、タイキが倒れ、コードクラウンが幻術によって操られたアカリによって持ち去られた後にリリスモン率いるバグラ軍が攻めて来た際は、城にいる姿は確認できるものの、戦線に出ている描写は見られませんでした。

タイキが復活し、アカリとコードクラウンを取り戻す事に成功したものの、それに怒ったリリスモンによって誕生した「アイスデビモン ダイペンモン 強化吸収体」が放った「絶対零度 地獄のアイスクラッシャー」によってクロスハート一行は窮地に陥ります。

しかしその時、ナイトモンがポーンチェスモンズと共に助太刀に現れ、陣形を形成して敵の攻撃から盾でタイキ達を守ります。

ここで敵として登場した「ダイペンモン」というデジモンは、元々は氷のスピリットのヒューマン形態のチャックモンとビースト形態もブリザーモンの力を併せ持った融合形態として登場したデジモンです。

『フロンティア』では氷のスピリットのヒューマン形態のチャックモンの攻撃によって凍らされていたナイトモンでしたが、ここではポーンチェスモンズとの連携込みとはいえ融合形態のダイペンモン(それも強化吸収体)の攻撃に耐えているのです!

しかし、ナイトモン達の防御はそう長くは持ちません。そこでタイキは「作ってくれたこのチャンスを逃しはしない」として、デジクロスを行います。

シャウトモン、バリスタモン、ドルルモン、スターモン、ピックモンズにナイトモンとポーンチェスモンズも加えて。

 

このデジクロスによって新たに「シャウトモンX4K(クロスフォーナイト)」が誕生しました。

シャウトモンX4と比べると、剣の形状がナイトモンの剣(ベルセルクソード)っぽくなり、ナイトモンのものと似た盾(ただし描かれているマークは希望の紋章では無くチームクロスハートのエンブレム)が追加され、足の棘がポーンチェスモンっぽい形状になっています。

そして、『クロスウォーズ』のナイトモン特有のマントも追加されています。このマントの配色は表側が赤色で裏側が白色であり、元々頭部のデザインがオメガモンと似ていると言われていたシャウトモンX4でしたが、このオメガモンと同色のマントが追加された事によってますますオメガモンに近いイメージとなりました。

ちなみに、デジクロスのバンクは最後のカット以外はシャウトモンX4と共通です。

 

シャウトモンX4Kは絶対零度のアイスクラッシャーをものともせずに突き進み、バーニングスタークラッシャー(シャウトモンX4のものと同様の技)によって強化吸収体を撃破します。

 

タイキ達、そしてナイトモン達の活躍によってレイクゾーンは守られました。コードクラウンはタイキが入手し、城内が戦勝ムードに湧く中…

 

「これもジェネラルのおかげ。ぜひ私達も、この先の旅に同行させて下さい」

 

なんと、ポーンチェスモンズ共々ナイトモンがクロスハート一行に加入しました。

ちなみに、ナイトモンの主君であるバステモンも同行する事になりました。

 

その後、流石にメインとなるデジモンと比べると出番は少ないものの、主に集団で戦闘を行う際に戦力として度々登場しています。

映像変更後のオープニングの最後のカットにもナイトモンが映っています。

即ち、ナイトモンは『クロスウォーズ』における準レギュラーポジションを獲得したのです!

 

第14話では、バアルモンを回復させるべきクロスハート総掛かりでムゲンドラモンに立ち向かいました。バアルモンが回復した後はシャウトモンX4Kへとデジクロスしました。

この時、ナイトモン&ポーンチェスモンズのデジクロスバンク用のカットが新たに描き下ろされました。

ちなみに、この時の舞台だったサンドゾーンでは、ナイトモンと同じく『デジモンペンデュラムver.5』で初登場したデジモンの1体であるリボルモンがクロスハートに加入しました。

 

第19話では、アカリとゼンジロウが「ラブラブダンス」を披露する際に、その観客として登場しました。ポーンチェスモンズや他のクロスハートやフォレストゾーンの住人達と共に踊って盛り上がっていました。このナイトモンは口調のイメージから来る堅物という訳でもなく、意外とノリの良い性格なのかもしれません。

また、ドルルモンやリボルモン等、そんな一同を呆れた様子で見ているデジモン達もいましたが、その中にも1体だけポーンチェスモンがいました。この事から、ナイトモン率いるポーンチェスモンズは意思統制された集団ではなく、ある程度性格に差のある個性的な集団である事が窺えます。

その後、バグラ軍のグランクワガーモン部隊が攻めて来た際には、ベルゼブモンやフォレストゾーンのデジモン等と共に聖域の外でバグラ軍の侵攻を止めるべく戦います。この時も、どこからともなく剣を取り出し、光と共に刀身が現れるという演出が見られました。

しかし、戦闘描写はありませんでした。

 

第22話ではアルカディモンの巣の中に飛ばされた、タイキ以外のクロスハート一行を守るべく、ポーンチェスモンズと共に光のバリアを形成してアルカディモンの猛攻を食い止めていました。

 

第24話では夜襲をかけてきたバグラ軍と戦う為の戦力として登場。

この時は、なんとガイオウモンと渡り合っていました。他のクロスハートのメンバーが、それぞれ戦っているデジモンに一撃を喰らわされて苦戦している描写が流れる中、あくまで「押され気味」程度に留まっています。更に、後の方の場面では攻撃をかわしながらガイオウモンに二度も攻撃を入れています。

これまでの作品では格下のデジモンにやられる事も多かったナイトモンでしたが、ここに来てついに格上と渡り合えるようになったのでした(もっとも、『クロスウォーズ』では世代の概念については触れられておらず、このガイオウモンは本来の設定ならば二つも世代が下である筈のムシャモンの部下という設定ですが)。

 

第29話では、タクティモンの奥義に対抗するべくクロスハート総員で登場。「弐の太刀」によって召還された怨霊を剣で切り裂いています。

ところがタクティモンを撃破した直後、バグラモンの「超次元ストーム」によってタイキ、アカリ、ゼンジロウ、シャウトモンが吹き飛ばされ、タイキ達と離れ離れになってしまいます。

『クロスウォーズ』の第二期である『悪のデスジェネラルと七つの王国』で、その後シャウトモンを除く他のクロスハートのデジモン達と共にバグラ軍に時空凍結され、捕らえられていた事が判明します。

デスジェネラルの一人・ドルビックモンが支配するドラゴンランドで処刑される事になりますが、帰ってきたタイキ達の手によって救出されます。

 

助け出されて以降の、第二期でのナイトモンの初の出番は、第36話でした。

第3の国のハニーランドのハニー遊園地にて、ザミエールモンのアトラクション(と称した狩猟)に耐えきる為にポーンチェスモンズと共にリロードされました。ザミエールモンから放たれた矢を剣で弾いています。

最初の「アイスアトラクション」はやり過ごせましたが、次の「スモールマウンテン」にて、逃げ回っている途中でダウン。ポーンチェスモンズと共に倒れ込んでしまいます。「ナイトモン達は、少し休ませなきゃ。ありがとう、クロスローダーに戻るんだ!」と、クロスローダーの中に戻されます。

ちなみにこの時は一切台詞がありませんでした。

 

第4の国のサイバーランドでは、バグラ軍のアンドロモンやシールズドラモンの大軍に対抗するべく戦力として呼び出されているのが確認できます。ただし、数カット写っているだけで、戦闘描写は全くありませんでした。

しかも、次の第39話では写ってすらいません。

 

第5の国・ゴールドランドの時にも登場。オレーグモンに立ち向かうべく、総力戦としてベルゼブモンやスターモンズやポーンチェスモンズと共にリロードされます。

洗脳攻撃に弱ったところで、オレ―グモンの技「バイキングヴュッフェ」によってポーンチェスモンズ共々吹き飛ばされてしまいます。そして…

 

「つい口にしたくなる言葉ですなぁ。ガッポガッポ ビバ オレーグナ!ガッポガッポ ビバ オレーグナ!

 

オレ―グモンに洗脳されてしまいました。

その後の戦闘では、同じく洗脳されたグレイモンやポーンチェスモンズと共にデッカードラモンに攻撃しています。

途中でシャウトモンの攻撃とバリバステモンによって洗脳が解けた様でしたが、キリハやシャウトモンが吹き飛ばされた後は再度洗脳された模様です。ダークボリューモンの音波実験を行う際に、洗脳された状態で船に乗っています。

最終的に、正気に戻ったバリスタモンによって元に戻りました。

 

続くキャニオンランド編では、「もう一つのX7」とも言うべき「グレイテストキュートモン」のデジクロス要員となりました。ナイトモンの鎧を纏っていますが、中身がキュートモンな為か打たれ弱いです。

 

ブライトランドでは、ヘルズフィールドでのタイキとユウとの決戦時に登場。ポーンチェスモンズと共に、チームクロスハート側の拠点となる白い城の前の守りを固めていました。

ここでは久々に戦闘場面が描かれ、城の近くに迫っていたグリズモンを切り倒していました。

 

そして、敵の本拠地であるバグラ大魔殿では、タイキ、シャウトモン、バリスタモン、ドルルモンの魂がプリズンランドに転送された後に、いつの間にリロードされたのかは定かではありませんが意識を失ったドルルモンを担いでいました。

タイキ達がプリズンランドから戻った後もタイキ達と同行しており、バグラモン直属の親衛隊が迫ってきた際にはシャウトモンX7、メルヴァモンと共に戦っていました。

タイキ達が敵の大将であるバグラモンと対面する場面でも、ナイトモンはタイキ達の横にいました。何気に美味しいポジションです。

シャウトモンX7がバグラモンに倒され、バグラモンがD5を開始しようとした際にはメルヴァモン、サイバードラモンと共にバグラモンに立ち向かいました

しかしバグラモンの左手から放たれた衝撃波によって弾き飛ばされ、タイキ、メルヴァモンと共に地下に落とされてしまいました。

地下でもタイキ達と行動を共にしており、衛兵との戦いも行っていました。ちなみにここでの衛兵及び上記の親衛隊は、共にポーンチェスモン、ナイトチェスモン、ルークチェスモン、ビショップチェスモンの黒版からなる部隊です。

タイキ達は衛兵達の攻撃をくぐり抜け、ユウが幽閉された部屋に辿り着きますが、そこには見張りのチューチューモンがおり、巨大化したチューチューモンの一撃によってナイトモンはワイズモン、メルヴァモン共々吹っ飛ばされてしまいます。

チューチューモンの事を「強敵」と認識するナイトモンでしたが、タイキは「ネズミの弱点はネコ」であると見抜きバステモンをリロード。バステモンはこれまでにない凶悪な形相を覗かせ、チューチューモンを平らげてしまいました。

この様子を見たナイトモンは「ひ…姫様の、見てはいけない部分を見てしまった気がしますぞ…」と、タイキやポーンチェスモンズと共に唖然としていました。

 

バグラ軍との最終決戦の際には、ユウによってワイズモンとデジクロスし、ナイトモンをメインとした形態である「ナイトモン ワイズソードモード」が登場しました。

剣の一振りによって、迫り来る大量のバグラ軍を撃破していました。この場面は、BGMの盛り上がりともマッチしており、迫力があります!

剣を振るう際に「ワイズソード!」と叫んでいますが、必殺技の字幕は表示されませんでした。

 

『クロスウォーズ』の第3期『時を駆ける少年ハンターたち』では、最終回の別れの場面で少し写っていた程度であり、出番はありませんでした。

 

尚、上でも触れたように『クロスウォーズ』では「ナイトモン」と名の付くデジモンとしてスカルナイトモン及びそのデジクロス形態であるダークナイトモン、ムソーナイトモンといった新規デジモンが登場していますが、『クロスウォーズ』においてそれらとナイトモンとは一切関係がありませんでした

 

 

漫画版での扱いについても触れてみます。

『デジモンアドベンチャー Vテイマー01』では、レオ(パンジャモン)の部下として2体登場しました。アニメ版『クロスウォーズ』に先駆けての、「味方側ポジション」「台詞がある」という扱いのナイトモンでした。

第6巻の本編最後のエピソードである第28話「エイリアス2・マリの巻」にて、侵攻してきたネオ達からホーリーエンジェル城を守るべく、レオと共に出撃しました。

 

ネオ率いるアルカディモンをはじめとした主力部隊を迎え撃ち、ベルセルクソードによってメガドラモンとギガドラモンを倒しました。

その様子を見てネオは不敵に笑みを浮かべている一方で、

 

「どうだレオ様がでるまでもない!!!次はどいつだ!?」

 

と勢い付くナイトモン達。続いて「ザコがいきがりおって…」と言いながら究極体であるボルトモンが立ちはだかります。

「とぁあぁあぁッ」とボルトモンに向かって行きますが、ボルトモンの必殺技「トマホークシュタイナー」によって2体まとめて一瞬で倒されてしまいます。

一体が首を飛ばされ、もう一体が胴切りにされていました。

 

尚、この作品でのナイトモンは単眼で描かれています。確かに、ナイトモンの公式イラストでは目は片方しか見えておらず、『デジモンペンデュラムver.5』の頃に描かれた、デジモンカードのスターター2収録の「このまま負けてなるものか!」に採用されているイラストでも目は片方しか描かれていません。似たような頭部形状を持ったケンタルモン(ナイトモンよりも先にアニメシリーズや『Vテイマー01』にも登場している)がモノアイとして描かれているので、ナイトモンもモノアイで描かれるのは仕方ないかもしれません(ちなみに、ケンタルモンはデジモンカード等でナイトモンの進化ルートに採用された事がある)。

 

 

漫画版『クロスウォーズ』では、第4話「クロスライバル!!蒼き凶犬キリハ!!」にてドルルモンの過去が語られた場面で、ドルルモンと戦っている姿が描かれています。ナイトモンの傍にはポーンチェスモンズの姿も描かれており、掲載時期的にも、上記のアニメ版でのレイクゾーンのナイトモン&ポーンチェスモンズを意識して描かれていると見て間違いないでしょう。

ただし、この時に語られているドルルモンの経歴から、こちらの世界ではバグラ軍時代のドルルモンによって滅ぼされている可能性が高いです…。

余談ですが、作中で登場するキャラの中ではクレニアムモンが、アニメ版『クロスウォーズ』のナイトモンに口調が近い気がします(ちなみにゲーム等でクレニアムモンがナイトモンの進化先に設定される事も結構多い)。

 

 

それまでのメディア作品では扱いの良く無かったナイトモンでしたが、振り返ってみると、『デジモンクロスウォーズ』ではそれらを払拭するかのような大活躍を見せていたと言えます。

以下に、その例をまとめてみます。

 

・グレイモン系の究極体であるブラックウォーグレイモンに一撃で倒されたのが『02』のナイトモン、グレイモン系の亜種の究極体であるガイオウモンと渡り合ったのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・城を徘徊しているだけだったのが『テイマーズ』のナイトモン、城を守る為に戦ったのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・変更後のOP映像のラストカットで削除されたのが『テイマーズ』でのナイトモン、変更後のOP映像のラストカットで追加されたのが『クロスウォーズ』でのナイトモン

 

・ロードナイトモンに見捨てられ、落下していったのが『フロンティア』のナイトモン、タイキに「ほっとけない」と湖の底から引き上げられたのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・大軍でゴツモンの元に侵攻していたのが『フロンティア』のナイトモン、アイスモン(ゴツモンの成熟期)等から成るアイスデビモン部隊の侵攻を防ぐ為に戦っていたのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・高戸靖広さんが演じるゴツモンにやられたのが『フロンティア』のナイトモン、高戸靖広さんが演じる、アイスモン達を吸収したアイスデビモン 強化吸収体を撃退したのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・氷のスピリットのヒューマン形態のチャックモンに凍らされていたのが『フロンティア』のナイトモン、氷のスピリットの融合形態のダイペンモンの攻撃を防いだのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・ロードナイトモンに大量に率いられていたのが『フロンティア』及び『セイバーズ』のナイトモン、自らポーンチェスモンズを率いているのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・人間界へ侵攻していたのが『セイバーズ』のナイトモン、人間界を守る為に戦ったのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・カメモンの進化系のガワッパモン、シャウジンモンに倒されたのが『セイバーズ』のナイトモン、チビカメモンに助けられたのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

・アルカディモンの前座にやられたのが『Vテイマー01』のナイトモン、アルカディモンの攻撃を喰い止めたのが『クロスウォーズ』のナイトモン

 

 

『デジモンクロスウォーズ』という作品そのものや、この作品で初登場したデジモン達は、後のデジモン関連作品での扱いが良くありませんが、この『クロスウォーズ』はナイトモンというデジモンにとっては、最も輝けた一世一代の晴れ舞台として語り継がれるべきだと思います。