ところでCOP16においては、以下の事項について参加国の合意がなされました。カンクン合意と呼ばれるものです。
・産業革命からの気温上昇を2度未満に抑える。
・温暖化で生じる被害への対策を進める「カンクン適応枠組み」を設立する。
・新興国、途上国は、2020年になにも対策をとらない時と比べ温暖化ガス排出量を減らす
・途上国支援へグリーン機構基金を設立する
カンクン合意を見ても分かる通り、COP16においてはポスト京都議定書については何の合意もなされていません。つまりポスト京都議定書はCOP17に先送りされたのです。
京都議定書は、第1約束期間が終了する2012年度末をもって期限が切れます。2012年の期限切れから逆算すると、COP17はポスト京都議定書の合意を得ることが出来るために残された最後の会議といえます。
これまでのところ、COP17で予想されるシナリオは3つ程挙げられています。その一つは京都議定書延長賛成派と反対派の折り合いがつかずに、温暖化防止について空白状態に陥る事態です。二つ目のシナリオは、単純延長に反対する日本、ロシア、カナダの3か国を覗いた状態で京都議定書の延長に応じるものです。三つめのシナリオは、新たな枠組みで合意するまでの間、温暖化ガスの自主的な排出削減を続けることで主要な派出国が暫定的に合意することです。
大方の予想は、期待感も込めて京都議定書の自動延長のようですが、これには日本、カナダ、ロシアが強く反対する可能性があり、COP17の行方は混とんとしています


