このままじゃ破裂しかねないほどに設置板の上をのたうち回る何かのモーター。
コールタールがベトついた油臭い重厚な金属の塊からうなる轟音。

これ以下はないと思われる最低の低音。

自力で支えるバカデカイボルトがそのうち吹き飛んで顔にでも当たったら、頭蓋骨を貫通して向こう側が見えるだろう。

血管が引き裂けるくらい腹の底から叫びまくれば、気でもおかしくなって、この重圧を耐えられるか。

忘れてしまおう。
生きれている安堵感。

これはなんの機械なんだか。

腰と肩とアゴが重い。
ゴミ箱に問う。

今日の自分。

まだまだ続く無自覚の比重。
ストレス、プレッシャー、プライド、名誉と挫折と困惑。
雑居ビルの裏手に黒ずむ煤を帯びた非常階段を上がったり下がったりしても見違える事のない虚無。

空気の汚れが居住空間になる癒える事はない安らぎ。
テレビノイズだけがテレビを買い求める理由を、どう誰に説明するまでもない協調性の欠落。

ビニールシートのソファーの居心地の悪さがあいにくとこの場では唯一温かい。
サイゼリア。

ここにはもう来る理由がないな。