今から15年程前の話。





神戸に1人の太っちょな小学校5年生がいました。彼の名はdekahead。


dekaheadは勉強もスポーツもまるでダメ。好きなことは一人で本を読むこと。


ある日、彼は一冊の本と出会います。


『深夜特急』


沢木耕太郎氏が青年時代にシルクロード(香港~ロンドン)をバックパッカーで旅した自伝。


dekaheadは夢中になって読みました。


見ず知らずの外国の土地をバックパック1つで渡り歩いていく。


香港~ロンドンに辿り着くまで繰り広げられるアクシデントに満ちた毎日や現地人との出会い、そして筆者の人生模様。


dekaheadは、本を開く度、またページを捲る度に体中が熱くなり、言い知れぬ興奮を覚えました。


毎日。毎日。


何度も。何度も。





時は流れて2009年。


少年は大企業に勤めるサラリーマンへと成長していました。


東京で、忙しいながらも充実した日々。彼の人生は順風満帆かと思えました。


しかし、ビジネス書を買いに立ち寄った本屋で、また出会ってしまいます。


『深夜特急』


ふと手に取り、読み始めると体の芯のあたりが熱くなっていることに気付きました。


翌日、彼は出社と同時に退職願いを提出します。



一身上の都合を繰り返す彼に、周りも動揺していました…。





そして2010年4月。


身辺を整えた彼は旅に出ます。


行き先は悠久の国、インド。


少年の頃から恋い焦がれた旅の全てをここに記録したいと思います。