13億人の民を抱える中国は、激烈な競争社会でもあります。
古くから民族間、地域間の争いが絶えなかった中国では、生存競争を勝ち抜くことが優先され高く評価されます。改革開放政策が打ち出されて以来、企業側、地域間において激しい競争が繰り広げられています。その影響は当然、個人にも及んでいます。
個人レベルの競争も熾烈です。国民のほとんどが中流階級という意識の中で育った日本人の理解を遥かに超えるものがあります。中国国内の貧富の格差も、さらに競争に拍車を掛けています。農村部と都会部の経済的格差は1:3.3と云う数字もあります。大学進学率が40%以上の日本と比べ、中国の大学進学率は21%と低く、高等教育を受けた人は人口全体の4.6%でしかない現状です。
農村部の人たちが、都会に濁流のように押し寄せてきます。日本でも時折テレビのニュースで、その光景を目の当たりにすることが出来ます。地方から仕事を求めて来た数万人規模の労働者が、上海駅前に居座っているのが映されています。しかし、当局は、上海への入場に制限を加えています。そして、地方から出てきた人たちが、ホワイトカラーになるのも厳しい競争が待ち受けています。
「上海で働くこと」は、中国人の憧れの的なのである。上海生まれの上海育ちである上海人が上海で働くことは、多くの優遇もあり、そんなに難しくはないが、上海以外の都市から来た人たちには、上海で働くことはかなり難しい。まず、一定以上の学歴なり経験が必要である。結果、全国の秀才たちが大勢上海に集まります。
この外地人が、ホワイトカラー職を勝ち取ることは特に困難で、また、就職した後も日本では信じられないような厳しい競争が待っている。
知り合いの中国人は、証券マンとして上海で採用されたときに、日本人には想像できないような悪夢を体験している。彼は、試用期間6ヶ月間一定のノルマを課せられ、給料もそのノルマの達成度合いで支払われていた。もし、試用期間中にノルマが達成できなければ、即解雇である。同時期に採用されたのは20人で、3ヵ月後には半分以上が解雇されたようである。そして、最後に本採用されたのは、彼とあわせて2人だったと云った。
そして、「中国には人が沢山いるです、僕たちの代わりになんかいくらでもいて消耗品みたいなものです。」と云ったのが印象的でした。
また、結婚も競争です。中国では、1人っ子政策で男性の数が圧倒的に多い。女の子より男の子を望むからだ。だから、女性が少なく結婚の競争率が激しいのだ。
これも、中国人に聞いた話ですが、中国人男性が守るべき有名な結婚の5か条があります。
それは、
「犬より忠実である、
羊よりやさしくする、
鶏より早起きる、
午より働く、
豚のように食べて健康である。」
それに、中国は女性が強い。
このように、13億人の人口を有する中国ではあらゆるとことろで日本人の想像を超える激烈な競争が展開されています。就職、結婚も同様です。そうでないと生き残れないのです。替わりはいくらでもいるのですから。だから、中国人はガツガツしてワガママに見えます。別の見方をすれば、逞しいと表現することも出来ます。確かに、度を越えた逞しさではありますが。