中国にはあらゆるニセ物商品(コピー商品も含めて)が、出回っています。電気製品、ソフト、DVD、洋服、食品、お酒、タバコ、化粧品、自動車などありとあらゆるニセ物商品が日常的にはびこっています。事前に知っていて、価格が安いので購入する人も大勢います。被害も少額で笑って済まされるケースはまだ良いほうです。

しかし、中には深刻なケースも多々あります。

中国では、「ニセ札」が長年に渡って大量に出回っています。品物を買って、お金を払ったら受け取った中国人が、透かして見たり手でこすって感触を確かめたりするのは、いつも見かける光景です。「ニセ札」日常的に出回っていると云えます。もし、「ニセ札」らしいお札を受け取ったとしても、知らん顔してみなが使っています。警察に持っていっても没収されて終わりだからです。

実際、大掛かりな摘発が時折報道されますが、金額も桁外れです。09年には、152億円相当(11億6500億元)と、08年の3倍のニセ札が当局に摘発されました。逮捕された者は6000人近くになっています。

地域も広範囲に渡っており、ある地域に限定された問題ではないようです。広東省では、押収額が1億5000万円(100万元)以上だった事件は89件あったようです。「ニセ札」事件が市民生活に広く浸透していることがうかがい知れます。

中には、非常に精巧に出来ている「ニセ札」もあるようです。 鑑定してみると、本物のインク、本物の紙、そして透かし技術などどう見ても、専門家が本物としか思えないお札があったようです。ただ、通し番号が同じだったのです。専門家の判定によると、通し番号以外は本物である。つまり、「本物の工場で組織的に作られた可能性が高い」と見ています。

良く考えてみると何だか恐ろしくなります。暗い闇の一端を垣間見た気がします。


中国では、野菜を洗剤で洗って食べるのが一般的です。正しい知識を持たない農民が過剰に農薬を使用することで、野菜や果物に農薬が残留しているからです。これを知っている一般市民の間では自衛防衛策として、野菜や果物を洗剤で洗って食するのは常識となっています。

また、中国では、「下水油」(「地溝油」と呼ばれています」)の問題が社会問題となっています。「地溝油」とは、下水溝に流れ込んだ、油を回収して食用油として再生したものです。中国では、大量の食用油が消費されます。この「地溝油」は、価格が安いので多くの飲食店が使っています。一説には、中国の飲食店の10件のうち1件は「地溝油」を使った料理を出していると見られています。それぐらい販売されており、「地溝油」専門の業者が存在しています、しかし、この「地溝油」には、ヒ素の百倍も毒性が強い発がん性物質のアフラトキシンが含まれているのです。それに、この「地溝油」が、普通の食用油として販売されている可能性も否定できません。この事を多くの市民は知っています。中国人は出来るだけ外食を控え、行くとしても中国人が経営する店を敬遠して台湾人、韓国人が経営する店に行くようです。

実害の少ないコピー商品は許せるとしても、社会の健全な発展を阻害するニセ札、あるいは生命の危機に直結する「地溝油」などは大変深刻な問題です。中国人は、いつ自分が被害者になるか分からない緊張感の中で生活しています。こんな環境で生活しているから、中国人は中国人を信用していないのです。