食べていて「こいつぁ、スリリングだなあ」って思ったのは、前にもチラッと書いたが、わさびニンジンおろし丼である。

 私は、この基本形に、ご飯にかつぶしをまぶして、ニンジンおろしには、マヨネーズ、小さく刻んだ魚肉ソーセージを入れたのだった。その上に、わさびを入れたのだ。

 このわさびと、ニンジンおろしの分量がスリリングである。多すぎると辛くて咽せ返るし、少なすぎると、ベチャベチャしてつまらない。

 その中間の分量、私は、ニンジンおろし、わさび、八対一のバランスだと思っているのだが、それを配合しなくてはならない。

 丁度良いと、辛すぎずベチャベチャせずの、中間の味になって、良いのだが、しかし、たまに、混ぜムラがあって、わさびの塊にぶつかると、むせそうになる。

 このジレンマとの戦いだった。というか、中間の味が達成できても、わさびの「うおっ」と、鼻にくる感覚はあるのだ。これを私は緊張感だと思っている。これを、ゴホゴホってなる寸前で、終わらせるくらいが丁度良い配合である。

 すなわち、この料理は、上級者向きグルメなのだ。料理の初心者は、この混ぜの段階でギブアップするだろう。ダメだ。そんなことではっ。わさびニンジンおろしマスターになれないぞ!!

 一度、わさびニンジンおろし丼マスターになったら、これは、とてつもなく食費が浮くことになるだろう。最近わかってきたが、自炊の一番のコツとは、

 似たようなものを連続して作らないこと

 なのだ。あえて言う。味なんかどうでもいい!いかに飽きないか。である。だから、我々は、敢えて、間隔的に、変なものを作って、飽きない、最良の自分のペースを作らないといけない。

 そのためには、ホワイトソース、トマトソース、デミグラス、などなど、ソースの種類を増やさないといかんなぁとは思っている。食材も変なのをバンバン買いたい。