ついさっき、ブランショのアミダナブを読み終わったので感想を書きたいのだが、カフカの小説が好きな人は、この小説の世界がわかってもらえると思うが、
あの城が、ビルみたいな謎の建物に変わった、という感じで、トマという男がさまようあらすじになっている。そこで、いろんな人に出会い、最後は、女の子と、いつも彼と繋がれているドムと、どこかにゆく、という感じで終わっている。
正直、あんまりわからなかった。途中から、職員のおじさんが物凄い長台詞で、この建物の成り立ちや、色んな立場の人々がいることを延々話していて、で、今度は、賭博場にゆき、そこの青年もやけに長いセリフを話していて、それが凄かった。
そこから、トマは色々歩いて、旅のようなことをするのだけども、ついには、女性と何か凄いことを話し合って、それでラストになるという感じで、女性とのやり取りの中に、根源的な謎へのヒントがあったと思うんだけど、読んでてそこまではわからなかった。
結局、この小説は何だったんだろうという感じであり、一つわかるのは、登場人物の語り方が本当にカフカ的であり、ものごとをはぐらかす話し方なのである。これは名人芸だなあと思った。この小説の中にあるユーモアというのは、そこにあるだろう。トマが、軌道修正してくれれば良いのであるが、トマは決してそんなことはしない。
もう。小説がどこに向かっているのか、さっぱりわからなくなる。これはもう、そういう小説なのだ。というか、もっと深い意味がありそうなんだが、繰り返すが、ちょっとそこまで、読めなかったのでいつか読み返したい。
で、この巻の後半は「シルト の岸辺」なのであるが、これはチラッと読んで、淡々と現実にないファンタジー世界のようなものが描かれてあって、それも気になる。面白そう。読み終わったら、ブログを更新したい。
