静嘉堂の東洋陶磁コレクション第2回「宋磁の美」 | とんとん・にっき

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三菱一号館美術館で、静嘉堂の東洋陶磁コレクション第2回「宋磁の美」を観てきました。出されていたのは9点、ガラスのケースに展示されたものは、いずれも見事なものでした。


静嘉堂文庫美術館は現在、約1年半の施設改修工事のため休館となっています。その間、三菱一号館美術館の一室を借りて、静嘉堂所蔵の美術品を約1年間3回にわたって、展示しています。静嘉堂文庫美術館のリニューアル後の開館は、平成27年秋の特別展から開催します。









静嘉堂の東洋陶磁コレクション第2回
「宋磁の美」
2014年10月17日(金)~2015年1月12日(金・祝)
8000年もの長い歴史をもつ中国のやきもの。その最高峰と讃えられるのが、宋時代(北宋:960~1127、南宋:1127~1279)の陶磁器、すなわち「宋磁」です。宋時代には、皇帝のもとで政治を主導したエリート官僚である「士太夫」たちが学問や芸術の担い手となり、文化は大きく発展しました。同時に商工業も発達し、海外貿易も盛んになり、各地に陶磁器作りの窯場が興ります。そこでは、宮廷から士太夫、民衆までのさまざまな需要にこたえながら、それぞれ独特の作風が形成されていきました。北方ではオリーブ色の釉と彫り文様が特徴の磁州窯青磁、不透明な水色が特色の釣窯の青磁、象牙色の肌に流麗な彫刻を施す定窯の白磁、磁州窯の装飾性あふれる陶器、南方では景徳鎮の涼やかな青白磁や龍泉窯の青緑色の青磁、建窯の黒く輝く天目茶碗など、洗練された造形美と豊かな個性を持つ優れた陶磁器が生まれました。宋磁の高い芸術性は、鎌倉時代以来、日本人に憧れを抱かせ、20世紀以降は欧米の芸術やコレクターたちを魅了し、今日世界中の人々に愛されています。本展では、宋時代のやきものに加え、同時期に中国北方を支配した金代(1115~1234)の作を含めた名品9点を紹介いたします。中国陶磁の一つの到達点ともいうべき技と意匠の世界をお楽しみください。最後に、本展の開催にあたり、ご協力を賜りました三菱一号館美術館の皆様に心から感謝申し上げますとともに、関係各位に対し、厚く御礼申し上げます。

静嘉堂文庫美術館