「不思議な動き キネティック・アート展―動く・光る・目の錯覚―」web内覧会! | とんとん・にっき

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損保ジャパン東郷青児美術館で開催された「不思議な動き キネティック・アート展―動く・光る・目の錯覚―」web内覧会に参加しました。


web内覧会概要

日時:2014年7月7日(月)

    受付18:00~

    web内覧会18:30~20:00

    ギャラリートーク18:30~19:00

会場:損保ジャパン東郷青児美術館


1950年代後半から60年代のキネティック・アート

1950年代にヨーロッパに登場したキネティック・アートが、1960年代に隆盛した背景には、第二次大戦後の目覚ましい科学技術の発展と、芸術にテクノロジーを取り入れようとする気運の高まりがあった。
この時代のキネティック・アートの特徴は、まだデジタル化されていない、いわばアナログ・テクノロジーを応用しながら、形・色・光などの要素が時間とともに変化する新しい美術を創りだしたことである。
企業・研究所から市金や技術的なバックアップを受けたり、作家がエンジニアと共同でプロジェクトを組んだり、工業技術を使って、複数の同型作品(マルチプル)を制作することも試みた。
単独に活動する作家のほか、イタリアの各グループ、フランスの視覚芸術探求グループ(GRAV)、スペインのエキッポ57、ドイツのゼロ・グループなど、ヨーロッパ各地でキネティック・アートの作家グループが相次いで結成され、数々の展覧会が欧米を中心に開催された。
キネティック・アートは1960年代を代表する大きな美術の潮流の一つとなり、のちにコンピューターの開発が進むにつれ、たとえばメディア・アートなど、高度なデジタル・テクノロジーを駆使した現代アートへと受け継がれていく。


~動く~

動く作品は1920年頃に生まれ、1960年代を中心に盛んに作られました。動く作品には、風などの自然の力や人の力で動かすもの、電気モーターの力で動かすものなどがあります。仕組みと動きはどれも簡単ですが、昔からある「動かない芸術」と違った、不思議な感じや面白さがあります。


~光る~

キネティック・アートには、光や、光の動きを取り入れた作品があります。例えば電気の力で電球、蛍光灯、ネオン管などを光らせます。このような人口の光を使った作品は、主にライト・アート(光の芸術)と呼ばれています。


~目の錯覚~

じっと見つめていると、動いていないのに動いて見えたり、平なのに飛び出して見えたりする不思議な作品があります。こうした作品は、人間がものを観たときに起こす「目の錯覚」を利用したもので、主にオプ・アート(視覚的美術)と呼ばれています。


~移動すると動いて見える~

キネティック・アートには、見る方向を変えたり、見る人が移動したりすることで、動いて見える作品があります。こちらが動くとあちらも動く。それは自分の影や、鏡に映った自分の姿を見ているような感じと似ています。


[注]
キネティック・アート(Kinetic Art 英)
「動く芸術」という意味で、実際に動いたり、動くように見えたりするなど、作品に「動き」を取り入れた美術作品を総称する。

オプ・アート (Op Art 英)
「視覚的美術」を意味するオプティカル・アート(Optical Art)の略称。幾何学模様を用いて、観る者に目の錯覚を起こさせ、動くような印象を与えるので、キネティック・アートの一ジャンルと見なされる。

視覚芸術探求グループ
(Groupe de Recherche dArt Visuel 仏 略称:GRAV)
1960年、フランスのパリで結成された芸術家のグループ。オプ・アートを中心に動きを取り入れた作品を幅広く制作。1968年に解散後もそれぞれ活動する。


不思議な動き キネティック・アート

作品の種類のまとめ

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展覧会の構成は、以下の通りです。

1章 視覚を刺激する(絵画的表現)

2章 干渉しあう線・形(さまざまな素材)

3章 不思議な光・動き

4章 知覚を刺激する(立体的な表現)


ギャラリートーク:江川氏

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キネティック・アートの作品:順不同









「不思議な動き キネティック・アート展~動く・光る・目の錯覚~」

20世紀のヨーロッパに誕生したキネティック・アート(動く芸術)は、作品そのものに「動き」を取り入れているのが特徴です。機械じかけで動いたり発光する作品のほか、実際には動かなくても、目の錯覚を利用したり、見る人の視点の移動に応じて動いて見える作品も含みます。「動く芸術」という考え方は、20世紀初頭に機械文明を礼賛し「スピードの美」を唱えた未来派などにさかのぼることができます。動く作品としては、1930年代から作られた風力で動く彫刻「モビール」がよく知られています。しかし、キネティック・アートが本格的に盛んになるのは、1950年代後半から60年代にかけてのことです。大戦後、発達する科学技術を芸術に取り込む気運の高まりの中で、キネティック・アートは20世紀の新しい美術分野として定着します。本展覧会は、1960年代にイタリアを中心に展開したキネティック・アートを日本で初めて総合的に紹介する試みです。先駆的なブルーノ・ムナーリをはじめとするイタリアの作家たちのほか、フランスやドイツで活動した作家たちをあわせた30余名による平面・立体作品約90点を展示します。いずれもイタリア国内のコレクションからの出品で日本初公開です。


「損保ジャパン東郷青児美術館」ホームページ


注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。


kin1 「不思議な動き キネティック・アート展

 ~動く・光る・目の錯覚~」

ジュニア版ブックレット

2014年7月8日(火)~8月24日(日)

損保ジャパン東郷青児美術館