史上最も偉大な500曲 | 三太・ケンチク・日記

史上最も偉大な500曲

米音楽誌ローリング・ストーン最新号は「史上最も偉大な500曲」を掲載。1位にボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」が選ばれた。歌手や評論家ら172人を対象にしたアンケートを実施し、ベスト500を選出した。2位はローリング・ストーンズの「サティスファクション」、3位はジョン・レノンの「イマジン」。500曲のウチ200曲以上が1960年代に、144曲が70年代に録音された「オールディズ」。過去10年間の曲で選ばれたのは3曲だけだった。
という記事が一昨日の夕刊に載っていました。

昨日、フジテレビの朝の番組「特ダネ」で司会の小倉智昭がさっそくそれを取り上げていました。小倉は、自分としてはイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」とか、みんなで作られたものだけど「ウィ・アー・ザ・ワールド」、そして日本でアンケートをやればビートルズの「イエスタディ」が上位にくるんじゃないか、と発言していました。アシスタントの佐々木恭子チャンは、スピーディ・ワンダーの曲も、と。アンケートに答えた歌手や評論家は、どうせ年寄りだろうから、最近の曲は知っていてもそれを選ぶのは沽券にかかわるだろうし、自分たちの年代に流行った曲を選んでおけばというのが、最近の曲が少ない要因だろう、という話も出ました。

さて、アンケートの結果には異論反論があるでしょうが、ボブ・ディランの話に。
ボブ・ディランは1941年生まれ、初期はウディ・ガスリー直系の弾き語りから出発して、社会的、反体制的なメッセージを与え、「風に吹かれて」は反体制運動の聖歌となり、「フォークの神様」と言われました。反戦歌の女王ジョン・バエズと同じ指向を持った歌手といった印象があります。その後ロックに転向したミュージシャンで、そのことは誰でも知っています。がしかし、ローリング・ストーンズやビートルズと違って、ボブ・ディランは、正直に言って、僕は同時代的にはよく知らない人です。もちろん、聞けば、あっ、これはボブ・ディランの曲だ、というのはすぐに分かりますが、ストーンズやビートルズのようにリリースと同時に聞いていたということがなかった歌手です。あくまで僕の場合。85年、USAフォー・アフリカの「ウィ・アー・ザ・ワールド」で、ちょっと音程の狂った歌い方でトリをつとめていましたが。

ライク・ア・ローリング・ストーン」は、1965年6月15日に録音されて、オリジナルは 「HIGHWAY 61 REVISITED」 に収められている名曲です。とはいえ、果たして「最も偉大な500曲」の一位に君臨する曲なのだろうか、という疑問が僕にはあります。前にも書いた「バングラデシュ・コンサート」の中で自分のコーナーを与えられて歌った5曲、「A HARD RAINS GONNA FALL」「IT TAKES A LOT TO LAUGH/IT TAKES A TRAIN TO CRY」「BLOWIN IN THE WIND」「MR TAMBOURINE MAN」「JUST LIKE A WOMAN」に比べれば、ちょっとどうかなとも思います。まあ、ボブ・ディラン本人には関係ない話でしょうが!

もちろん、前にもこんな順位決めみたいな記事が何度もありましたし、メディアの常套手段でもあります。それについつい乗っちゃって、自分が知ってる曲が何曲あるか、という方に行っちゃうというのも、これもまた浅はかだとも言えます。日本には「演歌」があるように、って、比較する方がおかしいかも知れませんが、例えばジョニー・キャッシュとか、「カントリー&ウエスタン」の大御所が、アメリカには一般市民から多くの支持を受けてるようですし。って、今日も、長いばかりでまとまりのない話。