水没の都ベネツィア | 三太・ケンチク・日記

水没の都ベネツィア

お~っ、これはすごいよ、水浸しですね、台風の後の水害みたい。
靴を首からぶら下げて、膝のちょっと上まで水に浸かって歩いてるよ。
これだけ水が出ると、仮設の桟橋はまったく役に立っていませんね。
だって、桟橋の表面まであと10cmですよ、10cm、しかも、桟橋は途切れ途切れですから、結局はどこかで水の中に入らざるを得ない。

AP通信の配布した朝日の夕刊に載っていた写真、
ちょうど大鐘楼の方からドゥカーレ宮殿をバックに、
海の方を見たところの写真ですね、これは。

コメントは素っ気ない、至極簡単。
「31日、水没したイタリア・ベネチアのサンマルコ広場を歩く観光客たち。
137cmという記録的な潮位を記録し、町は混乱。商店も水浸しに=AP」

今年の春、といっても冬かな?2月の終わりから3月の初めにかけて、
行ったんですよ、僕もイタリアへ、そして、ベネツィアへ・・・
もちろん、名物イカスミのスパゲッティ、食べましたよ!

その時は、少し水が出ていたのでサンマルコ寺院に入る時は桟橋を使いました。寺院の中も当然水浸しでした。サンマルコ広場はなんとか大丈夫でしたが、用心のためか仮設の桟橋が積み重ねて置いてありました。そうそう、日影のところは雪がうっすらと積もっていました。寒かったな~

以前、ベネツィアに行った時は夏だったので水没していませんでした。冬場はサンマルコ広場は水没すると聞いていたので、水没した景色を見たかったので、ちょっと期待はしていたのですが、でも写真のように水かさが増すと観光客はホント、困っちゃいますよね。もちろん、それ以上に町の人も困っているでしょうけど!

サンマルコ広場に面している、カルロ・スカルパの設計で有名なオリベッティのショールーム、今回行った時には様変わり、画廊だか土産物屋だかに変わっちゃってたよ。壁という壁には絵やなにかが所狭しと飾ってあり、これにはがっかりですよ。初恋の人がオバチャンになってたような感じ?って、たとえが全然違うか!

あっ、そうそう、スカルパは仙台で1978年に急死したんですよ。

そういうわけで、スカルパの空間のよさが半減、例のプレコンで積み重ねた階段もちゃんとは見えなかった。2階にも行けなかったし。以前はお店の中は自由に入って行けたんですよ。内部の写真は前に行った時に、2回、しっかり撮ってあるから、まあいいかっ!でも、スライドだから困るんですよ、デジカメ時代にはついていけないので?

1958年に出来た時から、タイプライターのショールームとして機能したのはごくわずかの間だったと思います。すぐにワープロ、パソコンに取って代わられてしまったのですから。その後長い間、ただオリベッティのショールームとしてだけ存在していたんですね、この店舗は。これも凄いことだと思いません?でも、小さなこのショールームはその役割が終わった後も、デザイン的な価値から、オリベッティはなかなか閉鎖に踏み切ることが出来なかったようです。

商業的な建築はどうしてもそういう宿命が付いてまわるんですね。
って、あまり結論めいたまとめの話にはなってないですね、ほとんど!