ラーメン放浪記

ラーメン放浪記

北東北のラーメンを食べ歩いてます

Amebaでブログを始めよう!

酔っ払ってラーメン食いたい気分になった。
そーいえばと近所に中華料理屋ができたんで行ってみた、

一見ボロボロの佇まい、海沿いの人気のない町外れ…あたりは真っ暗だ。新しい店にしてはやけにボロボロの暖簾、電気もちょっと暗めで、やってるのかょ、って思いながら店に入る。
 小さな店で円卓1つ、四人掛けテーブル1つ、カウンターには物が置かれ料理を並べることはできなそうだ…(少し混めばもれなく相席になるな…)

円卓には50代くらいの痩せたおっさんが1人円卓に座りタバコを吸い日本酒飲みながら時代劇を見ている。
 なぜか小汚いチャイナ服?みたいなのを着てて、俺らを見るなり「いらっしゃいませ」
落ち着いてるとこすいませんと、俺はラーメンたのんだ。チャイナ服のおっさんは厨房へと向かう…流れっぱなしの時代劇をぼんやりみていた。
 ネギを切る音が聞こえ5~10分くらいだろうか、目の前にラーメンが出てきた。食べてみたらやたら美味かったんで、ちょいといろいろ話しこんでしまった、
俺「最近はやれ鶏ガラとか、煮干しとか、豚骨とか、げんこつ、アゴとかミックスしたダブルスープとかよくラーメン屋でやってるけどここのはまた美味いですね。薄味で透き通ったこの美味いスープはなんなんですか?」
 
おっさんは語り出す…「にーちゃん俺は豚くせーのは嫌いだよ、ベースは鳥で絶対エグみをださないよーに弱火で…って教えねーよ。」
 無口で寡黙な初対面のイメージが一気に崩れる
 
 おっさん「職人ってのはやってくうちにワガママになってっちまうもんだ。そんな自分を少し見つめ直そうっておもってよ。
元々は、◯◯町と◯◯町に店を出してここは三店舗目なんだな。息子達の腕が確かになってきた、って自覚しちまってから店任せてこんなへんぴなとこまで言わば逃げてきちまったんだよ。まぁでもな…やつらは腕は確かだ、たまにゃ行ってやってくれ」
どっちも街中で賑わってるなかで商売をして、ある程度軌道にのったところで次の代に引き渡したらしい…

おっさん「だがなぁ、俺はこんなへんぴなとこが新たなスタートだと思ってんだよ。
 最初始めた時なんて、美味い餃子とラーメンだけでたたみ8畳からはじめたんだからよ、だからまたあえてこの町を選んだんだよ!
 昔は漁業で栄えたこの町も今はみんな守りに入ってシャッター閉めちまって真っ暗さ。。なんも無くなった町にこそチャンスがあると思ってんだよ。ここでおれがシャッター開けて店やってることが希望だろ」

話を聞きながらラーメンを食い終わりなぜか注がれた日本酒をのんでいた。

俺「まぁ、ある程度生活できて孫でも可愛がってれば、人生、大往生って大抵の人は思ってますよ。でもチャレンジし続ける人はやっぱりかっこいいですね。」

おっさん「挑戦してし続けることが俺の人生なんだよ。この60過ぎのおっさんだって挑戦してんだから、若い奴が変に守りに入んなよ。そのうちあいつらを抜いてやるから」

俺「60すぎだったんすか!?ってあいつらって??誰すか?」

おっさん「あいつら?あー、息子どもだよ」

俺「軌道にのせて、息子達の腕を認めて後を継がせつつもライバルって本当にパワーのある商売人をみた気がします。今日は楽しい話をありがとうございました。そろそろお愛想お願いします。」

汚いチャイナ服をきたおっさんが初めてニヤッと笑う。

おっさん「ははっ、にーちゃんもう一杯くらい飲んでけ。」

なかなか楽しい夜になった