スペイン本土の沖合80キロメートルに浮かぶイビサ島。250種以上の海の生物が住む美しい海で知られていますが、はるか3000年前に遡る古代文明の遺跡が残る島でもあります。
3000年前、この島を切り開いたのはフェニキア人です。もともと中東レバノン出身の彼らは、100年かけて3000キロメートル離れたイビサ島に到達。ここを拠点に、地中海貿易に着手します。彼らが注目したのはスペイン本土の金属でした。フェニキア人はスペインで採掘した原石をイビサ島に一手に集め、ここで使いやすいように加工してから地中海諸国に輸出し、巨万の富を得ていたのです。
そんな彼らが交易のなかで発明したものが、現代にも欠かせない存在となっています。アルファベットです。それまで地中海世界には、一握りの者しか読み書きできない複雑な文字しかありませんでしたが、誰でも書けるアルファベットを発明することで、取り引きが格段にスムーズになりました。
後にローマに滅ぼされ、こつ然と姿を消したフェニキア人。