みなさん、こんばんわ


四半期レビューがやっと一段落つきました。


当初の予想通り今回の重要論点はやっぱり資産除去債でした。


当第1四半期から適用される会計基準ですが、よくよく考えてみると第1四半期より適用する会計基準は珍しいと思います。


リース会計にしかり、金融商品の時価開示にしかり、期末の決算から適用される会計基準が多い中、資産除去債務だけが、第1四半期より適用されるのは謎です。


さて、今回の資産除去債務の実務上の対応として以下のようになるのではないでしょうか。あくまで自分自身の考えですが、紹介までに。


まずは、会社としての資産除去債務計上に係る方針を文書化する必要があると思います。

資産除去債務は見積もりを多分に含むため、会社としての方針を明確にしてもらう必要があります。

明確にする方針は以下のようなものだと思います。


ⅰ資産除去債務設定対象となる法律の洗い出し

 定期借地契約や賃貸借契約など自社に当てはまる法律や契約を洗い出します。


ⅱ上記の法律や契約ごとに資産除去債務の見積もり方法を明確化

 第3者から見積もりを入手するや、過去の実績に基づき算定するなど、資産除去債務の見積もりの方法を明確にします。過去の実績に基づき算定する場合は、過去何年の実績に基づいて計算するなど、具体的な計算方針を策定します。


ⅲ資産除去債務を割引く期間の明確化

資産除去債務は当該有形固定資産を除去する期間について割引が行われます。当該割引の期間には多分に見積もりが含まれます。ですので、資産除去債務を割り引く期間を明確化する必要があると思います。

例えば、管理系オフィスについては当面出ていく日にちが決定されているのは稀だと思います。その場合でも原状回復義務がある場合は、資産除去債務の計上対象となります。この場合の割引期間はいつになるのでしょうか。明確に決まっていないからこそ、会社の方針を明確にする必要があります。例えば、当社では主たる資産の耐用年数を割引期間として採用するなどの割引期間の方針を明確にしておきます。


ⅳ主たる資産の定義の明確化

有形固定資産に計上された資産除去債務は主たる資産の耐用年数に基づいて費用化されます。そのため、資産除去債務の定義を明確化する必要があります。例えば、対象となる資産のうち最も取得価額の高い資産とするなどの方針を設定します。


ざっと文書化してもらう方針はこんな感じでしょうか。当然会社の業態によっては、他の方針も必要になるかと思います。


長くなってしまったので、会社の方針の明確化以降は次回にしたいと思います。

ありがとうございました。また質問や指摘事項がありましたら、コメント等お願いします。



みなさんこんにちわ。


最近は第1四半期決算に突入しております。


6月の後半に株主総会が終わったばっかりなのに、もう第1四半期決算です。。


最近は三か月ごとに決算があるので、毎月どこかの決算の監査もしくは四半期レビューに行っているような気がします。


今回の四半期より資産除去債務の会計基準が適用になるので、今回も荒れそうです。


資産除去債務は多分に見積もりの要素が含まれているので、監査する側としてはとても不安ですし、会社の経理担当の方も大変だと思います。


自分としてはまだ事例に当たってないですが、見積もり要素が多くて会社の方との妥協点を探るのが大変だろうなと予想してます。


今回の決算はこの資産除去債務で持ち切りになりそうです。


何件かの事例に当たって、自分なりの考え方がまとまったら、資産除去債務をテーマにしてブログに書いてみようと思います。


みなさんは資産除去債務についてどう思いますか。よかったら、みなさんの考えを聞かせてください。


とりあえず、四半期決算レビュー頑張ってきます。



みなさん。こんにちわ。


今日は貸倒引当金について書いてみたいと思います。


貸倒引当金に問わず、引当金科目は経営者の恣意性が介入しやすい科目として言われています。


ですので、会計監査を行う上でも非常に苦慮する科目です。おそらく会社の方でも計上に苦慮していると思います。


貸倒引当金は会社の有している債権が将来どの程度回収不能に陥るかを決算時に見積もって計上するものです。


金融商品会計基準によると、貸倒引当金は①一般債権②貸倒懸念債権③破産更生債権等に区分して計上するとなっています。


①一般債権

一般債権は簡単に言うと、「ほぼ回収できあるだろう」という債権で、貸倒引当金は過去の貸倒実績率に応じて設定します。貸倒実績率は金融商品会計基準に定められているため、貸倒引当金の設定に苦慮することはあまりありません。淡々と計算式に当てはめて設定します。


③破産更生債権等

破産更生債権等は簡単に言うと、「ほぼ回収できないであろう」という債権で、債務者が破産法や民事再生の申請をしているような状況で、担保等で回収可能と考えられる金額を除いて全額貸倒引当金を設定するため、こちらも貸倒引当金の設定に苦慮することはあまりありません。


一番苦慮するのが、②の貸倒懸念債権です。


②貸倒懸念債権

貸倒懸念債権は、簡単に言うと「もしかしたら回収できない」という債権で、回収が遅延している債権や滞留している債権です。


これが、非常にやっかいです。金融商品会計基準には、債務者の財政状況に応じて回収不能と見込まれる金額を貸倒引当金として設定するとあります。(もうひとつキャッシュフロー見積法という手法がありますが、実務上使われることはほとんどないため割愛します。)


しかし、債務者の財政状況に応じて回収不能見込額を見積もることは簡単ではありません。


そもそも貸借対照表や損益計算書を見るだけでは、債権回収可能価額を正確に見積もることは不可能に近いと思います。


会社の方も苦慮しますが、我々監査人側も非常に苦慮します。なぜなら、会社と同様に債権の回収可能価額を正確に見積もることは監査人にとっても不可能であるためです。


ですので、我々の主眼としては会社の貸倒引当金が合理的に計算されており、会社の恣意性が排除されていることに着目します。この点にさえ問題がなければ監査上妥当なものとして取り上げられます。


貸倒引当金はあくまで見積もり計上されたものなんで、実際の貸倒額からかい離することもあります。


実際に、前期に数千万円の貸倒引当金を設定したけれども、翌期に回収できてしまったなんてこともあります。(その場合は特別利益が計上されます。)


金融機関なんかもでも貸倒引当金の戻入益で最終黒字を確保なんてニュースもたまに流れたりしますよね。


そういったニュースをみると貸倒引当金の計上はやはり難しいことなんだなと思います。


なお、貸倒引当金については会計基準である金融商品会計と法人税法上の貸倒引当金規定とで差異が生じているため、会計上の費用として計上された貸倒引当金繰入額が申告書上で調整されることになります。


しまりが悪いですが、今日はこの辺で。お付き合いありがとうございました。