皆さんこんにちは。
年初からジェフ・ベックが亡くなったり、高橋幸宏が亡くなったりと、大物ミュージシャンの訃報が続いておりますが、先週の金曜日 (1/20)にはデヴィッド・クロスビー死去のニュースが飛び込んでまいりました。
実は当日の朝に報道があったそうなのですが、私は気付かず、夕方会社で、ちょくちょくロック談義と情報交換をさせてもらっている後輩が私のところに来て、「先輩、今朝Facebookのメッセンジャーで送らせてもらったんですけど、デヴィッド・クロスビーが亡くなりましたね」と言うもので、私は一瞬耳を疑い「え?誰?」と聞き返しました。彼は「デヴィッド・クロスビーです。私はあまり通ってきていない人なんですけど、先輩は好きだったんじゃないかなって思って」と言ってきたのです。
私は思わず腰が抜けそうになりました。
そして、信じられなかった私は持っていたスマホで情報をチェック。
え…?
私はデヴィッド・クロスビーのツイッターをフォローしてたんですが、つい数日前にも彼のツイートを読んでいたので、まさか亡くなるとは信じられなかったのです。
つい昨年には、彼のバンド「The Lighthouse Band」とのライブアルバムを出していたばかりなのに...。
デヴィッド・クロスビーと言えば、クロスビー・スティルス&ナッシュ (CS&N) で美しいハーモニーを聴かせたりする一方、長年の薬物常習者で逮捕歴もあったり、CS&Nにニール・ヤングを加えたCSN&Yとして活動するも、そのニール・ヤングと仲が悪かったりと、まあ色んな話がある人なのですが、みた目は人の良い小太りのおじさんみたいな風貌で、私は結構好きでした。
ただ、リアルタイムの経験で言うと、1970年代後半から薬物中毒で思うような活動が出来ていなかった彼がCS&Nのメンバーとして1982年に5年振りにリリースした「Daylight Again」という作品からです。当時リード・シングル「Wasted On The Way」でCS&Nが復活する!とかなり大きなニュースになり、その爽やかなカントリーフレーヴァーに溢れた作品が大好きでした。
この「Daylight Again」、アメリカ音楽が好きな私にとっては大好きなアルバムで、その後デビュー時期まで遡って聴くようになり、以来のファンでした。
ただアルバムはそれほど持っておらず、何枚か持っていたLPは就職するときのゴタゴタでどこかに行ってしまいました。ようやく昨年、CS&N・CSN&Yの4枚組アンソロジーを購入。
なんかデヴィッド・クロスビーと言うよりCS&Nの話になりつつありますが、そんなCS&Nの中でも印象に残っていて大好きな曲の一つが、彼の作詞・作曲である「Almost Cut My Hair」という1970年の作品です。
爽やかさとは真逆の雰囲気で、緊張感のあるマイナーコードで進行する作品です。
「髪を切ってしまおうとした。長くなってきていたから。でも切らなかった。なぜだろう…」と歌いだすこの曲。
髪の毛を切るという行為が「自分の信念に負ける」ということなのかな。
途中では、「クリスマスに風邪を引いて体調がおかしい。妄想がどんどん膨らんでいく。鏡を見ているとパトカーを見ているようだ。」なんて難解な歌詞もあり、当時の彼の気持ちの混乱具合が見えるようです。
(当時クロスビーの彼女が事故死したことも影響しているかもしれません)
あるいは、この曲を作っているときに「キメちゃっていた」のかもしれません。
クロスビーの実に情念こもったヴォーカル。フォークっぽい曲が多かった彼らにしてはものすごーく重い曲です。
週末に某動画投稿サイトで発見した当時のライブ映像があり、私は震えが来ました。
「うわ。すごい」と。
これです。
何度も何度も見返して、この曲をずっと聴いていましたよ。
このメンバーでの活動が再びあるとは思っていなかったものの、今回のニュースで本当に可能性がなくなってしまったのはとても悲しいです。
心よりご冥福をお祈りしたいです。
今日は、以上です。