こんにちは。
今年のゴールデンウィークは10連休なんですが、特に遠出の外出予定もなく過ごしています。散歩程度の外出と近所への買い物、あとは自宅で音楽やラジオを聴いたりするという、通常の週末の過ごし方に近い日々を過ごしております。
さて、連休前に会社の後輩から「ポールのライブDVD聴いて下さい!」と言われてお借りしたのが「ライブ・イン・レッド・スクウェア」という作品。
私はビートルズのリアルタイム経験者ではありませんが、初めて聴いたのが1973年、兄が持っていたアルバム「アビー・ロード」とシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」「レット・イット・ビー」なので、それなりにオールドファンではあります。
ですんで、ポールは好きですしビートルズ時代から含めて曲もそこそこ知ってる方だと思います。そんな訳で遠慮なくお借りして、連休中に観ました。
ライブは、モスクワの赤の広場で行われたものと、サンクトペテルブルクの宮殿広場で行われたものの2本が収録されていて、ライブの合間に、ポールが訪問したロシア各地での歓迎ぶりの映像などが流れる、と言う内容になっています。
ソビエト連邦時代、西側諸国のプロパガンダと見做され、聴くことを禁止されていたビートルズ。その頃から隠れて聴いていた熱狂的なファンやアーティストたちのインタビューが実に暖かいです。「ビートルズはソ連崩壊の密かな布石」と言う人もいて、それはまさかと思ったりもしましたが、抑圧されていた当時の若者の話を聴くにつれ、まんざら間違いではないのかもと思いました。
そしてライブ。特に赤の広場を会場にして行われたライブは熱狂的と言う他ありません。何と言っても、昔から聴くことさえ禁止されていたビートルズのメンバーが、かつてソビエト社会主義の聖地とも言われた赤の広場で「バック・イン・ザ・USSR」を歌う。これだけでも涙が出そうになります。観客も、ロシア以外の国でのライブと同じ様に一緒に歌い、踊っています。この光景は、普段のライブ映像と何ら変わりません。
途中でプーチン大統領が会場に現れて騒然となるという「ハプニング」も。
今、ロシアがウクライナに侵攻し、毎日多くの人が殺され、世界的な大問題となっていますが、このライブを観ながらロシアの人々の心は2003年と変わっていないよな?と問いかけずにはいられませんでした。あくまで政治がそうさせたのであって、このライブを観に来ていた観客は、そして今もなお大統領として国家のトップに君臨するプーチンは、今でも人が殺し合わない平和な世界を望んでいるんだよな?と思うと思わず泣けてきました。演奏された曲で泣けたのではなく、演奏に夢中になるオーディエンスを見て泣けてきたのです。
映像は西も東もない、音楽で世界はつながることを示していました。
今こそ、この作品をテレビなどで放映してくれないかなと思ったりもしました。
世界的に不安定な情勢の今、自分の感性をグラグラと揺さぶられるような作品でした。皆さまも是非観てみてください。それでは!