「いいですねー」思わず声をかけた、、ここは鶴見、臨港鶴見川橋のたもと、雨上がりのサラッとそよぐ風の中、ベンチに座り奥さんのハサミに切られた白髪がパラリと肩に落ちる、その笠地蔵のエプロンを巻いた旦那さんが「へへー」と笑い返してくれた、全くいい眺めだと手押しのバイクを止めスマホと思ったがやっぱり止めた、、

一線を退き相模と兼務する事になった、7年ぶりだ、二度と来る事は無いと思ってたから変わらない風景に大きく深呼吸、、

ゆっくり堤防天端を走ってたら、向こうに自転車を止めこっちを見てる叔父さんを発見、スピードを落とし近づきジーッと見る、「、、、、!」何か言ってるが分からない   思い出した!「オーオー」と声が出て、「俺が分かるの?良く覚えてたじゃー」と大喜び、あの時はまだ胃があったよと昔話に花が咲く、やっぱり町工場を経営してた人だからとあの頃の自分も合わせ褒めて感謝した、、この情景を何度も思い出しニヤニヤお茶を飲んでたらゴトッと音がした、そっと貯水タンクに手をついて覗き込んだら、やっぱりノラだ、

背中の毛は狸の様で目は怯え鋭く、こっちを睨んでる、「来たのか!」と声をかけ

買っておいたキャットフードを取りに小屋の中へ急いだ、不思議なもんだ、いつのまにかノラを待つ俺がいる、先代のノラの件で餌付けは止めようと決めてたのに、、

「ほら食べな」と雨水を足し柔らかくした

峠の釜めしの陶器を置いた、、。