気が付くと、
知らない部屋のソファーで寝ていました。
「やっと起きたかい?」
「本当に心配したよ。」
「ずっと寝ていたから、死んでるんじゃないかと思ったよ」
「お腹が減ってるだろ。」
「食べ物と飲み物を用意したから食べな。」
なみは、
言われて初めて
お腹が減ってる事に気付きましたが、
お金が無い事にも気付いてしまったのです。
「食べたいんだけど・・・。」
「お金を持っていないの・・・。」
となみが言いました。
「お金の事なら安心して良いよ。」
「倒れていた人からお金を取ろうとなんて、あくどい事は、考えていないから・・・。」
「安心して食べて良いよ。」
なみは、
安心したせいか、
泣きながら食べていました。
「そんな、泣く程に美味しいかい?」
「職人として、これ程に名誉なことはないよ。」
「食べ物は、逃げないから、ゆっくり食べなよ。」
と笑って言ってくれました。