俺っていうかワシが遂にこの話しを此処に記す…
て事はこれはホンマに暇やと言う証しであるわな。
入院…暇なんよ。
やっぱね。
どんくらい暇なんかはこの顔観たらわかるね…
「 カシャっ!!」
このまんま朝まで寝れんのよ…いつも…
それはそうと「 チクワ‼︎ 」ね。
あれは確か…小学4年の春…かな。
ワシは当時食べる事に全く興味無くてね~。
今じゃ考えられんが…
母子家庭水商売のオカンが作って置いてく冷たい飯、殆ど残しとったなぁ。
オカンて今もそうやけどあんまり料理が得意では無いんよね。
ぶっちゃけ美味いお袋の味…みたいな物とは無縁やったね。
親父居らんかったから仕事もあるし忙しいんもあったんやろね。
で、ワシは夕飯もろくすっぽ食べん。
朝飯も抜き…ギリギリまで寝てたい症候群でオカンに朝は要らんて言うとった。
朝飯無いんはオカンは楽やったやろね。
要は給食だけ食っとけばええか児童ね。
でもね…流石に育ち盛りやからたまに真夜中とか無性に腹ヘルスになる時あんねんな。
⬆︎これ関係ないっ(゚∀゚)
で、ある夜、冷蔵庫をゴソゴソやっとったらチクワが1袋出て来た。
このまんまこれ食うたらええかぁ…て…食うてみたら…これが!(◎_◎;)美味いの何の⁉️て⁉️
衝撃が走っちゃった訳よ。
『 男子齢10歳にしてチクワに目覚める…』
みたいな感じね。
誰しもに有り得る事では無いわな。
で、考えた訳、てか閃めいた💡…て感じやね。
「 明日から俺っていうかワシはチクワしか食わないのだ‼️」
…と高らかに宣言してみたら…何だか清々しい気分やったね~。
先ずは朝起きてオカンに言うたわ
「 明日からもうチクワしか食べないからさ。冷蔵庫チクワで一杯にしといてよ。頼むよ~。」
普通の母親なら怒る💢わなぁ…
然し乍ら、ワシとオカンはワシが3歳位の頃、親父が家に帰って来なくなってから変な主従関係みたいんが出来上がっちゃってたんよね。
切っ掛けはオカンがワシに言ったこの一言やね…
「 トモ、明日からもうお父さん帰って来ないから、あんたがヒロシのお父さんの代わりだからね。お母さんもお母さんだけじゃなくてお父さんの代わりもする。」
その日から3歳でワシはお父さんや⁉️
3歳で有り得ん位しっかりしたと同時に、そこから自分の中で何かが歪んで来たね。
そこからオカンと3歳のワシは昔ながらの夫婦の様なおかしな主従関係が出来てしまった。
せやから、オカンはワシが小学生の時もワシの言いなり。
てな訳で、その日からうちの冷蔵庫はチクワで一杯になってたね。
もの凄いオカンの対応力。
その日からワシのチクワ生活が始まるんやけど…。
助かっとったんは小学校の給食があったからやね。
給食だけは食うとった訳やから栄養バランスも何となく何とかなってしまう訳や。
後は朝飯もオヤツも夕飯も夜食も全て
『 チクワの丸かじり 』‼️‼️‼️
止める奴は誰もおらん‼️
当時、弟のヒロシはどう思うてたんやろか❓
そのチクワもよくオデンなんかに入れるちょい太め長めの高級なチクワはあかんねんな~。
⬆︎これは高級過ぎてOUT ❗️❗️
なんか細い短めの6本入り位のやたら弾力だけあるようなcheapなチクワ…。そうじゃなきゃアカン…。
⬆︎ こんなんかなぁ?昔は6本ちゃうかな?画像が…ないよ…
「な⁉️なんじゃこりゃ~~っ⁉️」てあの太陽に吠えろの松田優作さんさながらの演技でオカンに訴えたわ。
⬆︎ 「 な、なんじゃこりゃ〜〜っ⁉︎ 」
とにかくワシの曖昧な記憶では有るが…このキチガイ沙汰の『 チクワの丸かじり 』は1年以上続けたと思う。
ワシは小学4年の1年間、何もつけなくても味有るし、サッパリしとるから飽きないし、魚の擂り身やからもたれないし、漫画読みながらでも、寝っ転がっても片手で食えるチクワに陶酔し身を委ねた。
そしてワシは毎日、今日の朝は2本、夕方は4本とその時々に応じた本数を何の法則も無く気紛れに食した。
で、1年くらい過ぎてワシはふと思うたんよね。
「 あれ??俺もう一生分のチクワ食うてない??」てね…。
そう思うた瞬間❗️
チクワ止めました‼️㊗️🎉
良かったよなぁ…あのまんま行ってたら…
『 あなたはチクワ止めますか❓それとも人間止めますか❓』
になっとったわ…。ヤバいヤバい。
ってな訳でワシは自分の小学4年生時代の事を
【 第一次チクワ時代 】と呼んどる…。
【 第二次チクワ時代 】が来ない事を祈る…。
第2話 完