これまた少し前のことになるが、
経過観察GETに向けて、造影剤CTとPET-CTを撮ることになった私。まずは造影剤CTの日。
事前にルートをとり、その後呼ばれてCT室へ。
「こちらを頭にして寝転んでくださいね」
と看護師さんに言われ、
もう慣れたもので緊張しないなぁ…(笑)
そんなことを考えながら横たわる私。
緊張はないけど…ないけど…
寝転ぶとずれるー!
考えてみたら、ウィッグをつけたままの撮影は初めてだったのだ。
(今までは造影剤ルートをとる小部屋でケア帽子に変え、撮影後にウィッグを被ってCT室から出ていた)
金具が付いてないならウィッグのままでもいいんですよ~と前回言われ、
あら楽チンねと今回そのまま挑んだものの、
CT枕とウィッグの相性が悪いのか…
寝転ぶとずれる…そして浮く。
こりゃダメだ。
ずれて浮いたヅラちゃん。
そのままCTを受けている患者の姿は、
端から見たらかなりシュールな絵面に違いない。
ええい仕方ないと起き上がる。
「あー、すみません。
ウィッグずれるんでもう取っちゃいます」
「えっ!?ケア帽子持ってきましょうか?」
驚きながら気を使ってくれる若い女性看護師さん。
「いやもういいですよー。このままで」
CTの上でペロッとウィッグとインナーキャップをはずし、つるつるスキンヘッドが登場。
↑今考えればインナーはそのままで良かった気も…
「えっと…えっと…じゃあウィッグはこちらに!」
ちょっと焦りながら看護師さんがかごを持ってきてくれた。
待合室なら流石の私も無理だけど、CT室の中だしね。
看護師さんと撮影技師さんの2人に見られるくらい別にいいや。
「はい、じゃあこれから…
……ええと、これから撮影していきますねー。まずは両手を上に」
撮影体勢を整えに撮影室から出て来た男性技師さんが、私の頭を見て一瞬たじろぐ。
そりゃそうだろう。
CT室に入ってきたときには毛があったのに、機器の準備をして再度出てきたら患者がつるっぱげになってるのだ。
そりゃ目が点にもなるでしょうよ。
申し訳ないものを見てしまった…って雰囲気に若干なってる技師さんと看護師さんに、
あぁいかん!逆に悪かったなと思い
「突然つるつる頭見せてスミマセン(笑)
だってウィッグずれると変なんだもの~!」
と笑いながら謝る私。
「いえいえ~(笑)」
2人とも笑ってくれ、ようやく場が和む。
いやはや気を使わせて申し訳ありませんでした。
その後、造影剤も無事に入り撮影を終え、
ウィッグを颯爽(?)と被ってCT室を後にした私であった。
その夜のことである。
心友から電話がかかってきた。
「島どうする?そろそろ決めないとなー」
「勿論行くわよー」
抗がん剤が終了したら、日間賀島か篠島にふぐを食べに行こうと前々から話していた私達。
今回は私と心友と関東BYRの3人(男2人女1人)の1泊で行く予定なのだが、問題は部屋。
当然3人で1部屋の方が安いのだ。
「私は別に3人部屋でもいいよー?」
気心知れた仕事仲間なので、別に構わないといえば構わない。
登山の山小屋でも男女雑魚寝だし。
「いや俺らも別に構わないし安くなるから助かるけれど、あなた今はカツラだし何かと自分が気を使ってしんどいんじゃない?」
「うーん…じゃあ私、広縁に寝ようか?
障子閉めて。鶴の恩返しじゃないけど、覗いてはならぬぞって感じで。見られても大丈夫なように、ウィッグつけて寝てもいいし」
「広縁て…寝るとこじゃないし寒いでしょ(笑)
まぁ、あなたがいいなら3人でもいいけど。
カツラずれてたら肉って書くぞ」
ふと、私のハゲ頭を見てしまい
申し訳なさそうな看護師さんと技師さんの顔が浮かんだ。
ああ、たとえ自分が良くても
相手に【見てしまって申し訳ない】思いはさせてはいかんなぁ…
いくら幼なじみ感覚の仲間とはいえ、
考えてみれば、私は一応嫁入り前の独身。
ここは別の部屋にする方が変な噂もたたないかぁ(まだ嫁に行く気?じきに50だけど…)
まぁ、朝起きて広縁の方を眺めたら、障子に私のおハゲな影がゆらゆら映ってるのもちょっとねぇ…
これでイビキでもかいたら、笑いネタにされるの間違いないな。
「私、やっぱり別の部屋にするわー」
「うん。そうしなさい」
そんなこんなでプチ旅行は決まったけれども、どうせ行くなら経過観察をGETして行きたい。
次はPET-CT!
これは初めてだから緊張するかしら。
なんとか経過観察GETするから、
待っててネ!ふぐちゃん🐡