大学生と社会人になって何が一番変わったかって「笑わなくなった」ことだ。

 いつ笑ったかな?恐怖と戦っているだけの日々……愛想笑いの毎日……

 あのときのように腹の底から笑いてぇ。

 いつも頭の中も気持ちもいっぱいいっぱい。仕事に楽しみが見出せない。休み時間の生徒との会話もオレのペースで話はできない。何か見えない制限を感じてしまう(言葉を選びながらの会話になってしまう)。ふざける暇もない。オレの手によってこの子たちの今後の人生が変わってしまう。オレのせいでこの子たちの夢や可能性を潰してしまうかもしれない。「最初なんだから仕方がない」って周囲の人たちからは言われる。じゃぁ最初に出逢った生徒たちは仕方のない一年になってしまう。自分の成長のために多くの生徒たちを踏み台にすることになる。最初の一年だけではない。これからもずっと自分の成長のために、多くの生徒を踏み越えていくことになる。オレがこんなんだから、オレと関わる生徒は本当はもっと伸びるかもしれないのに、オレが成長を止めてしまっている。

 教師って職業が正直恐ろしく思えてきた。

 オレのミスがオレ一人の責任で解決できるならいくらでも立ち向かう。でも、オレ一人のミスが将来を担う子供たちに影響してしまうと考えると恐ろしくて恐ろしくて……

 恐い。

 教育って恐い。

 いや、教師って職業が恐ろしい。

 これをオレは60歳までやっていけるのか?

 今のオレは逃げてるのか?

 これは「逃げ」なのか?

 正解なのか不正解なのか。それすらも今のオレにはわかんねぇ。



 なりたい職業は教師だったけど、向いてる職業は教師じゃなかったのかも……

 オレには何ができるんだろう。

 オレは何がしたいんだろう。

 教師じゃない気がしてきた。

 これは「逃げ」なのか……