3年前に急逝した祖父は理容師でした。
その祖父が昔、笑って話してくれた事です。
ある日、初めて来た客の髪を切ろうとして
まず櫛を当ててみたところ、
前回の仕上げがとてもきれいで
相当腕のいい職人が切ったとわかった。
失礼だとは思ったけれど、
お客さん、前回どこの床屋に行かれましたか、と訊ねてみたら
何を言ってる、アンタに切ってもらったよと
笑われた、というオチ。
当時はまだ田舎にも人の出入りが多く
通りすがりのいちげんさんも来店した頃で、
客の顔を忘れたていのは不覚だったと
祖父は言ってました。
お~っ!!! じいちゃん格好ええやん、
職人のプライドやな、とその時思いました。
例えば父は道だの橋だのにはひと言あり、
母はTVドラマで手紙でも映ったりすると
あっエエ字や(o^-')b、などと必ずチェックし、
兄はモーショングラフィック映像だのを見ると
熱く語り始めます。
いいな・・・と思ってました。
長い年月、研鑽してきた何か、
自分の好きな何か、
胸を張って語れる仕事があるという事。
最近、テレビなどで人の手が映ると
瞬間的に見ている自分に気が付いて、
あ~これはもはや職業病だな、A=´、`=)ゞ
と思っていたのですが、
ふと気づけば、
ちょっとちょっと、これ、同じかも!
祖父の域にはまだ程遠いけど
しっかり続けて、磨いて、惚れて、
いつか、これが職人のプライドさ、なんて
言ってみたいものだと思っています。