妻の両親とランチに行った日はなんともいえない気分になった。

 

妻の両親が言うことは、至極当然のことだと思う。

 

もしも自分が逆の立場だったら、同じように反対するし全力で同居を阻止するだろう。

 

そう思うだけに、なんともやるせない気分になる。

 

 

とにかく、あれこれ考えたところで妙案が思いつくわけでもない。

 

気がつけば、夜の11時をまわっていた。

 

明日は仕事だし、寝ることにした。



 

さて、次の日の朝のことである。

 

妻が、

「なあ、風邪のような症状がある。」

 

と言い出した。

 

 

それを聞いた時、

 

心臓がキューとなったゲッソリ

 

そういえば、妻は昨日から咳を時々してたような気がする。

 

しかし、すぐにおさまるだろうしそんな日もあるだろうと思うようにした。

 

こういうのを、「正常化バイアス」というらしい。

 

本当は異常な事態や、危機的な状況にあるのに、自分は大丈夫だと都合のいいように考えてしまうのだ。

 

体温を測ると36度台後半だったが、普段体温が低い方なので妻にしてみれば高い方だ。

 

咳もゴホゴホとつらそうで、明らかに仕事に行くのは難しそうだった。

 

妻は二つの仕事を掛け持ちしている。そのうちの一つは、私と同じ職場でパートとして働いている。

今日はそのパートの日だった。

 

いろんなことが頭を巡った。