*熱が出たときシリーズの目次はこちら
 *呼吸が苦しそう、はこのシリーズで入れていません→すぐ病院へ!



子供の体調が変わったときのこと、いつ病院につれていくかで

#1 脱水 (嘔吐が続く)
#2 脱水 (下痢が続く)
#3 意識がもうろうとしている?
#4 痙攣(けいれん)

と説明しての #4にやっと(笑)辿り着きました。

が、これはちょっと#1~#3とは違うのです。
「けいれんが落ち着いたら 病院にいる必要はない」から。

ああ、そのまえに再度、ここに書かれてなくても(毎回繰り返し書いてますが)

普段見ている家族が思う「なんだか変だ」は大事な視点

もうこれが全てですからね。




さて。

私、子供が熱を出したってあたふたする親御さんを
それこそ小さい頃から周りでみてましたが

私にはその理由が分からなかった。私が子供だからか、と思ってました。

でも西洋医学を一応修(おさ)めて
実際の医療現場でも沢山の発熱をみてきて
あの感覚は間違いじゃなかった と今は確信してます。


コワイのは熱じゃない。
熱をひき起こす病態であって
その原因が特定できないところであって
もうひとつは
「ショック」と呼ばれる状態の時
熱がでることがある という事実と絡めたとき。


今、わたしスゴク大事な事言ったんですけど


いわゆるショック、命に関わると言う意味でのショック時に
高熱がないことは 結構多いのです。
むしろ 熱がでないで急変することがあり

これこそ医療者側としてはコワイ所。
(原因が分かってないときに患者さんが
がちがち歯をならして寒がるときは
その原因特定が時間との戦いとわかるので
それはそれで怖いんですが)




ドラマなんかで熱→重篤 ってやるせいかなぁ。
おおうそ!って思う事多すぎて
基本 医療系ドラマはみないんだけど
(私ごときに突っ込まれるドラマ、つくんなよっって思う)


熱では 人は死にません!


(これで、「僕は死にません!」だと気付いたアナタ、
 ふふふふ・・・・トシよねぇ悪魔


でね。小さい子供は 熱を出して痙攣(けいれん)起こすことがあるって
きいたり注意されたりしたこと、あると思うし
実際「あ、うちの子・・・」って思うお母さんもいるはず。


数字言ったってピンと来ないでしょうから(数字の出し方に議論もあるからね)
大雑把に言うけど

熱性痙攣(けいれん)よくある病気です。

特に3才以下に多い、と言われますが理由は不明です。
(成長過程の脳だから、って言う人もいる。んーでも確かめようないし。)


《起こる理由》
はっきりとしていませんが
子供は免疫力に加え熱のセットポイントをぱっと変えることで
自分の身体を守っている と言われます。

だからさっきまで元気だったのに
突然 発熱する。

このセットポイントの変化が急激なために
脳内に異常な電気信号がおきるのでは?と言われてますが
不明です。


《事実としてあること》

遺伝、はっきりした因果関係はいえません。
病原菌やウイルスの種類:関係ないと言われます。
大事なのは熱が出るからといって 
熱性痙攣が高確率出るわけじゃないです。


「出るときは出る。 でないこともよくある。」
「脳に障害は残らない」
「繰り返す確立はかなり低い」
「一生の病気にはならない」

と言われます。


「え?うちの知り合いの子は てんかんもちで
熱性痙攣(けいれん)から始まったって親御さんが言ってたよ」


これ、よく聞くんですが
現在までのデータとリサーチから
「熱性痙攣(けいれん)から てんかんもちになる」というより
「もともとてんかん体質で そこに熱性痙攣(けいれん)がかぶった」
というほうが説明がつく、とされています。

(スゴイ数の研究がされてるはずなので
グーグルしても沢山出てくると思いますよ)


《熱性痙攣(けいれん)が出たら》
それでも痙攣(けいれん)ですから
それも我が子、目の前で白目向いてガクガクしたら
私でも泣き叫ぶでしょうね。

だから↑のことを書きました。
大丈夫、って理解はしててください、泣いてしまっても。
とにかく その場を乗り切りましょう。


てんかんの全身に出る症状のときは
舌をかんでしまったり
呼吸ができなかったり
唾液を誤嚥(まちがって肺の方にのみこんじゃうこと)したりします。


熱性痙攣(けいれん)でそういうことをみるのは少ないですが
がくがくしているのをみたら
心配なら小さいタオルを丸めてクチの片側にくわえさせ
(タオルを詰め込んじゃダメですよ!!! させてね!)
舌を噛まないよう 
呼吸するスペースを確保してください。
(↑ この方法は絶対じゃないです)


熱が出ているでしょうから
「厚着はさせないで」(うつ熱といって、熱が身体の中に更に溜まります)
病院に連れて行きましょう。


大抵病院につくころには
痙攣(けいれん)は収まっているモノですが
まだ痙攣(けいれん)していても
救急室ではすぐ処置ができます。



《その後》
痙攣(けいれん)がおちついていれば
おそらく一旦おうちに帰ることになります。(他の病気がなければ)
痙攣(けいれん)剤というおくすりを 1-2回分もらうかもしれませんし
処方なしで 数日うちの小児科外来受診を勧められるかもしれません。


理論的には 繰り返す確立は 多分
あなたが交通事故に遭う確立より低いです。
(あーどんな事故、とか言い出すとキリないんで
 そこ、突っ込まないでね。本題じゃないんで)



熱性痙攣(けいれん)にたいして
救急室の対応があっという間におわって
「すぐ帰れっていわれた」と怒るかたもいるんですが

熱出してるこどもに
病原菌・ウイルスのうようよしてる病院にいろ、は
あまりにひどすぎませんかね?



はやく 自分の布団で
ゆっくり休ませてあげてくださいな・・・・

そしてきちんと水分をとらせる。
これが基本です。




痙攣(けいれん)後 ぼーっとしてるのは当然の経過です》

「でも、うちの子、なんか変なんです!!!」
と、処置の終わった子の親御さんに尋ねられることがあります。


脳のなかのサーキットに異常電流が走るため、とさっき書きましたが
その後 脳がしばらく いつも通りと行かない のは
ある意味当然です。


痙攣(けいれん)後は ぼーーーっとしたり
うとうとしていたり(熱のせいかも)
これは 普通にみられます。
おねがいです、

休ませてあげてください。


また、痙攣を止めるのにお薬を使う事がありますし
状況によっては予防的にお薬を飲んで帰ったりすることもあります。
このお薬は 脳の中の電気信号を遅くしたり阻害したりと同じ。
当然 寝てしまったりぼーっとしたりします。


痙攣(けいれん)のあとの回復は
1-2日はみてあげてくださいね。