ずっと観たいと思っていた映画『FLOW』を、昨日ようやく観ました。


アカデミー賞を受賞した、ラトビアのアニメーション映画です。素晴らしい映像美でしたお願い



主人公は1匹の名もなき黒猫。

他に登場するのは人間以外の生き物たちです。

人間は、人間のいた形跡だけを残してこの世界には一人も現れません。


まったく『人の言葉』のない世界に、聞こえるのは生き物たちの声。それから自然の織りなす音。


その自然は、「不思議」や「脅威」に満ちていて、私はただ固唾を飲んで、猫の目を通して見える自然界と、その猫が出会った動物たちを見守るだけでした。


思ったよりもずっと苦しく、そして何とも重い映画でした。単純に楽しかった、とは言えない、とても複雑な、胸が締め付けられる様な気持ちと余韻で、映画館を去りました。


映画予告の可愛らしい黒猫の印象からイメージするほのぼのとした動物アニメとはかなり違う映画。素晴らしい映像、ストーリー。もちろんほのぼのしたり、クスッとするところもありましたけれど、とにかく私は胸が苦しくて苦しくて。


映画館から帰宅し、しばらくしてふと思ったのは、


「言葉が話せるって、ありがたいものだな。」


です。


怖いよ。

辛いよ。

不安だよ。

助けて。

どうしたの?

どうしたいの?

どこに行くの?

何が起こっているの?


私たちは思ったことを言葉にして伝え、言葉によって理解することができます。


でも『FLOW』に登場する生き物たちは、言葉を持ちませんから、ただあるがままに伝え、感じ合い、受け取りあい、時になんとかして助けあう。


私はとにかく、


「どうして人間がどこにもいないの?誰かこの子達を助けてあげて!!」


と終始、心の中で叫んでいました。


エンドロールのあと、まるで絵本の最後の1ページの様なシーンもちょっとズシっときました。。受け取り方にもよりますが、、。


日本ではあまりウケない映画の類と思いますが、ヨーロッパ人監督のアニメーションはすごく感性を揺さぶられるものがありますね。以前観た『The Red Turtle( レッドタートル ある島の物語』もとても好きでした。


ご興味を持たれた方はぜひご覧になってみてくださいおねがい



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