春、陽だまりの色。

山岳点景:Spring ephemeral 春の妖精―かたくり春麗
春の陽光、片栗カタクリが花ひらきます。

カタクリは早春から初夏だけ地上に現れる植物です、
こうした春植物をスプリング・エフェメラルといいますが、
“Spring ephemeral”
直訳すると「春儚きもの」意訳すれば「春の妖精」
そんな名前どおり、うすい花弁×細い茎は華奢で儚げに見えます。

カタクリは古名「堅香子かたかご」万葉集にも呼ばれる名前です。
初々しい美少女を想わせますが、うつむきかげんの花は奥ゆかしい堅実×匂いやかな可憐。
地上に現れるのは約1ヵ月+開花も初年度の発芽から8年かかる奥手さも「堅香子」だなあ、と。

雪解けの森の底、
枯葉色あわい芽ぶきに輝く赤紫やわらかな色。

絶滅が危惧される花、
それでも今春また逢えた陽だまりの色は、ただ嬉しくて。

撮影地:森@神奈川県
○雪解けの芽ぶきは落葉や雪で目立ちにくく、知識がないとタイテイ踏み潰します。道から林床へ踏みこまないでください。
○写真を撮るなら花から離れたところで立ち止まってください、三脚・一脚使用者+スマホの人は特に不注意が目立ちます。
○春植物は可憐な花が多くて園芸用にと盗掘もされがちです、が、植生条件が難しいため枯死します。
これらルールを違反すると条例違反で罰せられる自治体がほとんどです、違反者を見つけたら遠慮なく通報を。
写真の一枚よりも、来年の生きた花は美しいです。
右記ブログより本人転載「萬文習作帖」http://blog.goo.ne.jp/tomoei420/e/e8dbe749ce19a067ef8d416815f52852?fm=rss
