空前絶後。
後にも先にも、私という一人の人間の、今回の人生は、ここにあるこの人生の一つきり。
だから、尊い。
これは、どの生にも言える。隣の人、妻、自分の子供。そこらに飛んでいるかげろうの人生。蚊の人生。それらも、空前絶後。一回きり。尊い。
尊いものを大切に扱う。
アヒンサー。ヨガの教え。自分も誰も何も傷つけない。これが、高い人間性を求めていこうとする本来のヨガの、一番ベースにある考え方。
これは、仏教にも共通する。
セブンイヤーズインチベットという映画にも、これを想起させるシーンがある。
この映画は、若き日の美しいブラッドピットが演じる、あらくれ登山家が、チベットへ赴き、若き日のダライラマと交流する様子を描いた映画。チベットの貴人を扱った映画で、映画のネット配信が当たり前になった今日でも、中国資本のはいった会社が多いせいか、配信がなく、ツタヤにいって借りてきてみた。
ブラピ演じる登山家の発案で、何かの建物を建てる時に、土の中のミミズをすべて救い出すために、多くの僧が土の中をほじくりかえす様が描かれていた。それを怒りとあきれで見ているブラピ。
そんなシーン。
なんにせよ、アヒンサー。
誰も何も傷つけないこと。
自分も傷つけない。
大切にする。
これをいうと、「ああ、さぞ尊いお方なんでしょうね、あなたは。自分の人生をかいかぶってるんじゃないの?そんなに大げさなもんなんですか?あんたの人生は」という、検閲官の声が自分の心の中から聞こえてくるんですよね。
これ、誰かが言ってくるんじゃなく、自分の声なんですわ。
でも、愛からの声じゃない。自己防衛のエゴからの声。
ヨガの教えでは、エゴを外していった先には、自分の中に残るのは「愛」。
そういう自己批判、恥からの声はやさしくいなして下さいな。
私、いつだったか、こう思ったんです。
「大切な自分の人生のために、さあ、今朝はなにをしてあげよう」って。
朝にそう考えたらいいんじゃないかなと。
ほんとね。自分のとの絆を大切に。他者からの評価じゃないんだよね。自分が自分をいつくしみ、大切にする。
愛していることを、自分にさせてあげる。
で、そのことを、他者にもしてあげる。それを求めている他者がいれば。
そういうふうにしていきたい。
そのためには、まず自分を愛して、愛していることをして、愛していないことを手放し、しないようにしていくこと。
これだね。