No-139「熊本日日新聞」1991年1月1日~熊本県
玉蜀黍(とうもろこし)と南瓜(かぼちゃ)と猫伏(ねこぶく=縄で厚く編んだムシロ)。下益城郡小川町の南部田地区にある守山八幡宮の氏子たちは、決してこの三つを作らない。もし破れば、八幡宮に祭られた神々の怒りに触れ、家は災難(火事)に見舞われるという。戦中、戦後の食糧難時代もこのタブーは厳格に守られ、今も続いている。
地区の言い伝えでは、天正十九年(一五九一年)、キリシタン大名の小西行長が守山八幡宮を焼き払うのに火のつきやすい玉蜀黍、南瓜のツルや葉、猫伏を使った。以来、守山八幡宮の神々は、この三つを嫌い、たたるようになったという。この言い伝えに対し、焼き打ちは行われなかったという話もある。