花見した? ブログネタ:花見した? 
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今年は花見をせずに季節が過ぎようとしている

友人から千鳥ヶ淵の花、見に行こうよってお誘いを受けたのだが

実はその時には東京を離れていて


ごめんね、今、別の空を見てて というと

そうかと思ったら、やっぱりそうだったか

などととぼけた返事が来て


そういえば、目黒川の桜を並んで見たのも彼とだったと

ふとそんなことを思い出しながら

一人道ばたの桜を佇んで眺めていた、、





桜を見つめていると、

ふと別の思い出が顔をのぞかせた、、

叔父のこと、、


旅先で訃報に接したのもこの季節、、



叔父は他家に婿入りしていて、商売を切り盛りしていた

私が幼い頃、よく大きな白い箱をお土産に来てくれたのを覚えている

何故かいつもお土産は蟹、、



その晩はいつもめいめいのお皿には一匹づつ

大きな蟹が並ぶのがおきまりだった、、



高校の夏休み、

叔父の商売を手伝いに行ったことがある



いやぁ こいさんべっぴんさんやなぁ などと

にこにこと声をかけてくださる取引先の方に

どう返したものか分からなくて、

照れたような微笑みを返したのを覚えている、、







その時、私の敬愛する親戚もお手伝いに来ていた、

少し年が離れていて、すごく頭が良くて憧憬していた人だった、、



有名難関中学受験を目指していたのだが、

受験当日、ぜんそくの発作で夢叶わなかったという話を聞いていた、



お昼のお茶に参加しようとしたとき、

ふと、私の名前を聞いて足を止めた、、


彼が私のことを自慢に思っていて

姪っ子コンプレックスだ などと話していた


なんだか気まずくてそっとその場を離れたのだが

あまりにも意外なことで、

不思議な甘酸っぱい感覚が

胸いっぱいにひろがった、、




そんな色んな思い出のある叔父のことだから

急遽帰国して駆けつけようと思ったのだけれど


知らせを受けたのが真夜中で

数時間後にはお葬式が始まるとのことだった、、


せめてもとネットで、感謝と哀悼を捧げる

そんな弔電を打った、、


今年は遠く故郷を離れ、一人で見つめる桜


散る花びらに誘われ、

見上げる空、、



不意に涙腺が緩んだけれど



一陣の春風にそっと身をゆだねた、、