たまに落ちている鳥

ゆっくり

高い所から落ちていく時

その眼に映る景色は

どんなモノだろう

重力加速していく景色は

一番底しか

見えないのだろうか




苺ジャムのパンを

小さな口で食べて

バイト生活の

さらに底が

見え始めている人間の横を

素通りする高級車

この世はシーソーの上

ハイかイイエだけの

選択を迫られてる

そんな箱型空間で

人型が絡み合っては

喰い合っている

誰かの為だと

言い訳しながら




誰かの小さな日常の上に

誰かの思惑を重石にされて

ゆっくり

傾いていく景色が

何処かの誰かに

わかるはずもなく

「小さな幸せ」って言いながら

悲しい言い訳をしている

ハイかイイエの世界には

そんな

「小さな幸せ」は存在しない




憂鬱

脈打つ

心臓の先にアルミ缶

あの人はあれでも幸せで

この人はそれでも満足せず

価値観の違いか

或いは諦めの極みか

天国も無くて

社会的理想も無くて

現実を見つめては

目を覆い

空想に逃げていく

そんな人達が居るのは

地球の中に

マグマがあるのと同じ




食べ飽きてしまった

空想は

無限にあるのだろうか

空想は一周回って

何処へ向かえば良いか

わからずに

刺激を探して

人として半周する

残り半分を社会のせいにして

綺麗な360

壊れかけのシーソーが

カタカタ鳴る




梅味の飴が

クルクル回ってる

口の中で

天国も無くて

理想郷も無い世界

画面に映っては

消えてしまう世界

どうしたいの?

問われてもわからない世界

今だけの世界

今だけの新鮮な世界




本棚でずっと斜めになっている

そんな本みたいに

カタがついて

同じ形の中の同じ形

オリジナルと言い張る

ベーシックみたい

君の正解の意見は

僕の中では不正解みたい

同じ色で同じ所を塗っても

面白いとは思わない

塗り方の問題?

それとも

塗れた方が良いって事?

カラーバリエーションが

人のバリエーション

それが良かったんじゃ無いの?




水色のシーソーで

ハイかイイエ

赤色のシーソーで

ハイかイイエ

黒色のシーソーで

ハイかイイエ

君は何個のシーソーを

持っているだろう

僕の中には

何個のシーソーが

あるだろう

遠くから見れば

それは其々に

違う景色に見えるんだけど