君は気づかなかった
花落ちる瞬間に
君は気づかなかった
変化との間にある
静かなる空間に


山の色合いが落ち着いて
疾走する虫という命
雨に溺れたら
気温が上がる
情緒というより
繰り返しの存在
送料無料の
季節の変わり目
焼ける心
妬ける心
「ここにサインをください」


君は気づかなかった
花落ちる瞬間に
君は気づかなかった
誰かに頼まれた
ペンの行方に


秘密を取り付けたら
ちゃんと
掃除しなきゃいけない
効きが悪くなる
本当と嘘を混ぜ合わせて
設定温度は適切に
入と切を
たくさん押してはいけない
機器が悪くなる
そして
ゆっくり
危機になるから


君は気づかなかった
花落ちる瞬間に
君は気づかなかった
掃除しているのは
ソレだけじゃないのに


静かな時間に
蚊の羽音がしても
蚊取り線香の煙
行方を探して
行方不明
不協和音じゃない
季節の風物詩
必要悪の団扇
すぐ溶けるかき氷
遠くで首を振る扇風機
タイマーセット済み


君は気づかなかった
花落ちる瞬間に
君は気づかなかった
不意打ちの花火
残ったのは火薬の匂い
君は気づかなかった
蚊の羽音の先で
君は気づかない事にした
僕はわかっていた
一枚のタオルケット
二人で使う意味を
確かめていた


熱帯夜でも
手を絡めて寝てる
煩わしさの先の
愛おしさを信じている
夏の迷いじゃなくて
夏の魔法にしたいから