緻密に並べた紙
灰色に変色
少し溢れた水
仕方なく
灰色の紙を燃やして
ゆっくりと
風に乗っていく灰の先に
赤い夕陽が沈む
真っ赤な入口が
開いて
何処かへ
連れて行かれそうだった


最高の旗を振る
ベストリアン達が
巷を闊歩(かっぽ)して
悪戯に
全体を上げている
そんな気になっている
鼻歌まじりの
得体の知れないモノ
人は
そんな頑張り方を
求めてはいけない
人は
それを
頑張るべきではない


銀色の丸い玉が
階段から
落ちていっている
コツ

コツ

コツ
穢された夢みたいに
突き返された想いみたいに
綺麗に美しく
落ちていく


こんな事を経験した時点で
僕等には
最高点を出す事ができない
一番最初に
想い描いたあの形が
僕等の人生の
最高点なのに
螺旋を描く
銀色の玉に
泣き叫んでも
祈りを捧げても
物理法則が
有効な世界では
物理法則が優先される


僕等は笑えない
僕等は頑張らない
僕等は最高にならない
僕等は人になる
僕等は自分になる
僕等は根っ子になる
僕等は悲しい生き物だ
僕等の物理法則は
今日も誰かを落としていく
だから
たまに笑い
たまに頑張り
たまに今日の最高を叩き出す
たまに僕等の世界の
物理法則は
全てを逆にしてくれるから
そんな日に
出会う為に
今日も生きている