薄皮一枚剥いだとて
聖人でいられる人である事
体の中から心を
取り出したなら
見た事の無い
美しい輝きである事
今の世の中が求める事は
つまりこういう事なのだが
あなたに
その自信はあるだろうか
有るならば
その綺麗な命を
誰かの為に使用しているのか
白という事はつまり
そういう事だ

薄皮一枚剥いだら
制御不能の獣だとしても
体の中から心を
取り出したら
見た事の無い
歪な輝きだったとしても
今の世の中に
存在する事ができる
というより
誰にもそれを
反対する権利は無い
そのまま隠し持って
生きる事が世の中で一番
楽しい事なんだ
黒というのは
つまりそういう事だ

笑い声が
笹の葉を揺らすから
海の上を歩いた
鯨の口に
閉じ込められる人を見た
陸の上は
火に包まれていて
震えながら歩いている
落雷のロープに助けられた
雲の上を歩き出したけど
上を見ても星は無い
全部海に落ちたみたいだ
ひたすら
踏みしめた雲からは
何の手ごたえも無く
太陽だけが均等に
光と熱を運んできた
月は何もせず
酒を飲んでは
彗星にくだをまいて
そんな煩い毎日を
笑えない方がおかしかった

湖の色が紫で
黄色の木々が
白い実をつけて
青い草花が
甘い匂いを飛ばし
金の鳥が
鳴いている
朱色の柱がココにあるなら
燃やしてしまえば
それで良い
無機質を糧に
銀の花が枯れるなら
可憐な黒蝶が
空を飛び回る事が
とても美しく思える
狐の目が緑でも
不思議じゃ無いなら
橙の狸との間に
子をもうけても
楽しい事だと思う

一心不乱に事にあたる
そんな事はもうできない
可燃ゴミと不燃ゴミの
違い以上に
次々違う事が訪れる
事は動いてしまうから
あなたにそれが訪れたなら
あなたは何も変えずに
受け入れる事ができるだろうか
できない事には何も言わない
それができて赤い花丸が
貰えるらしい

薄皮一枚剥いでも
立派な人になんて
言わないほうが良い
あなたも誰かに剥がされるから
全てを剥がされても
立派な人だと言える自信が
あるなら別だけれど
そんなロボットみたいな人は
居ないだろう
この世の全てに
どこかの誰かが批評する
そんな世界が出来上がり
その力の大きさを
本当の意味で理解していない