悪魔の塊
そんなもの無い
内臓をエグル
純粋な気持ちの
重なりがたたずんで
重さを錯覚しているだけ
僕等はみんな
綺麗だった

剥ぎ取られた
純粋な気持ちは
いつも
どこかに溜まって
時間が経つたびに
ドス黒い叫び声を上げ
目を見えなくして
耳を塞いで
口を尖らせ
身体を支配した

何とか押さえ込んだ
苦しみながら
悩みながら
いつの間にか
僕の右腕は黒かった
そう見えた
純粋な黒腕
そう名のれるくらいに

目の前にある
未来あるモノを
この手で触れて
それを摘んでしまわないか
センチメンタルな不安
笑い飛ばされる
チャチな不安だけど
心の墨絵みたいに
たまに広がってる

現実の時間が
水の様に
綺麗に流れていく
僕もまた
流れていく
引っかからない事を
どこかに
打ち上げられない事を
祈りながら

何か汚れたり
何か壊れたわけでも無い
それでもどこか
引いて見た自分を
黒いと思った
経験が人を黒くはしない
時間が人を黒くはしない
僕も僕を黒くはしない
でもなぜだろう
子供の頃より
何かくすんで
思えてしまうのは

僕の右腕は黒かった
そう見えた
純粋な黒腕
何かの塊
何かズレた存在部分
何かを知って
何かを忘れた
穴みたいな
世界の空気と
時間を経ての
塊みたいな
存在の無い存在
黒い幻

僕の右腕は黒かった
そう見えた
純粋な黒腕
それを知るから
明るい光に
進めるんだ
全て失くしても
全て壊れても
それを感じるから
明るい光に
包まれに行くんだ
そう思わなければ
この世界では
等しく生きていけない

僕の右腕は黒かった
そう見えた
純粋な黒腕
削られた心の表皮を
新しい心になる為とするか
傷つけられたモノとするか
君の心の
汚い測りと綺麗な測りで
比べては
どれが良いかを
選択する
僕はこの
純粋な黒腕で
何かを成すだろう
光ある方で
ちっぽけで大切なモノ
守る為に
純粋な黒腕で
闘うだろう
僕は綺麗な笑顔を
知っているから