そもそも
僕は写ってなかったのですね
あなたの心に
あなたの記憶に

良い車もない
金もない
そもそも顔も良くない
体つきも褒められない
気の利いた言葉も言えない
芯がない
誇れるモノが何もない
僕を僕ですって言えるモノがない
あなたにこうできると言えない
自信がない
自身がない
価値がない
生きていく上で
必要なモノがない
人の気持ちがわからない

壊れた人型ロボット
無限に空っぽ
人が怖い
信じらない
二足歩行のオモチャみたいに
扱われて
吸われるだけ吸われて
いらなくなったら
捨てられる
粗大ゴミの末裔

このまま
傷ついて
動かなくなる
油の価値
意味の無い時間
気づいたら
何も無かった
この前まではあったと
思った
虚しく響く
自問自答
寂しく佇む
僕の部屋

壊れた人型ロボット
無限に空っぽ
人の優しさの
ベクトルがわからない
独りよがりのモーター音
心だけ踊って
環境は変わらず
今が変わらず
掴めると思ったのは
あなたの人しての優しさだった

雨風あたり
それでも歩け
社会的無言の命令
1人の寂しさ
ブラックホールエンジン
唸りを上げて
幸せをとりこぼす

壊れた人型ロボット
無限に空っぽ
朽ち果てるのは
今日か明日か
どうでもいいのシグナル
腐りきったゴム
サビきった頭
無理矢理押し込まれる
普通のエネルギー
ギシギシ軋む
悲しい手足
縮みきったサスペンション

そうか
爆発しろって事か
タービンはフル稼働
最後は

仮定した最後と
フラフラな脚に
まだやらなきゃと命令する
誰か支えてくれないか
無限に空っぽ
センサーに反応無し
壊れた人型ロボット
星空を見上げて
無限に空っぽ
悲しい楽しさ
悲しい嬉しさ
悲しい時間
悲しい命
悲しい
涙と冷却水