動かなければ
疲弊していくだけ
受け止める量が
減っていく
器の口が少し削れて
まるで粘土
それはそう
誰もが
未完成
器の大きさを決めかねて
そのまま土に還る
未完成で構わない
その方が
土に還りやすいから

人としての未完成は
この世で最も尊い
人間の価値
間違えるし
叩き壊されるし
それでも人は
完成されたいと願う
願う事が向上心
どんなに取り繕っても
何者かに
なろうとする

綺麗に負ける事
無様に勝つ事
これが人の根底
そこに行き着くまでの
右往左往が
僕等の器の本質になる
心も体も
超越したその器に
取りこぼしたモノを
沈める事によって
明日を縫い繋いでいる

僕が諦めた理由も
君が諦めた理由も
かわらない
君が始めた理由も
僕が始めた理由も
かわらない
根は変わらない
結果が違うのは
掴めたモノの違い
生かした考えの違い
僕等はいつも
同じで違う

器の価値は求めるモノ
では無い
培った結果のモノ
命の足掻き
魂の叫び
汚れた涙
そんなモノの
果てにある
進んできた月日のモノ
それを他人に
値踏みされた
本人にとっては
どうでもいい事
それが人の器