気付けば12月も20日を過ぎました。
クリスマスかあ...そしてお正月。
今年は色々有りました。
私的には今年は洋画を蔑ろにして中国とタイのドラマにどっぷり浸かってしまいました。
今年のベストは。
最後に大逆転、現在21話ながら全く揺らぐこと無く面白い、中国ドラマ「瓔珞(えいらく)」です。続くは敵味方入り交じる人の縁の描き方が素晴らしかった「白華の姫」、大河ドラマを安易な歴史物にしなかった「王女未央(びおう)」、当時の平凡かつ非凡な一女性を描いた「明蘭」、歴史ものにタイムスリップを入れて歴史を改編せず歴史を魅せた「宮廷の茗薇(めいび)」、そして、愛らしく、また感動必至のタイBL「ラブ・バイ・チャンス」、粗い描きながらキャラへの感情移入が強い人には強過ぎるタイBL「Until we meet again」でしょう。
そして、2022年、最初の傑作に成るか、大期待の~!
「F4 Thailand」
第一話。
第一印象は、予告のノリが非常にセンスに溢れていたものですから、もっとハイセンス押しかと思いき、ネタは原作に忠実なので、意外と普通に撮られていました。
良いところです。私的には、日本版や韓国版の、演出負けしている感じより良かったです。
非常に誠実で丁寧に撮られています。F4はイケメン御曹司として学園の華であることは変わりませんが、学園のアイドル的に押さず、あくまで(主人公から見れば)、のさばる病理のように描かれています。
ストーリーは、基本同じ。
F4と呼ばれる財閥の御曹司4人組は学校でやりたい放題。気に入らないと赤紙と言う告知を発布し、それを貼られた者は学園中から追われ、暴行を含む、徹底的な辱しめを受けてしまいます。
この学園では、誰もが物事に無頓着で、財力や権力がが全て。ゴーヤーは、そんな学園の有り様を冷めた目で見て、ただ関わらないようにしていました。
しかしある日、ゴーヤーの数少ない友達、ハナが不注意でF4の中心人物、タームの靴を汚してしまいます。タームは、ハナに目を付けるが、堪えられなくなったゴーヤーはふたりの間に割って入る。
翌日、ゴーヤーのロッカーに赤紙が貼られる。
少し前、日本のドラマ「スクールポリス」なんて作品が有りましたが、ここでも教師が死んでしまう事件も有り、いじめは当たり前、それを学園警察が粛清する話でした。いまいちリアルさに欠いたのが残念でしたが、テーマの良さ悪さより、規制規制の日本でこの内容を映像化出来るんだなあ...と関心をしたのを思い出しました。
「F4Thailand」も、社会性を炙り出そうとしている感じがします。「Who are you」も「Happy birthday」もタイに有る、貧困や虐め、学校における腐敗なんてものも取り上げられていました。タイはドラマで社会に斬り込んでいます。
...でもそうなると...ターム君、逮捕されちゃいますね。暴行罪、煽動罪?
...今時の映像作りは難しそうです。
「The Shipper」のイケメン?役カナパン・プイトラクーン君が初めの赤紙被害者を演じていました。ちょっと詳しくは分かりませんでしたが、おそらく彼は新聞部で、F4の非道を告発しようとしていたのでは?と思われます。彼はスマホを奪われ、そのデータを消されてしまいます。
彼の必死の抵抗は虚しく、それを見詰めるゴーヤー(関わらないようにしているようなのに、何故か暴行が行われている廃競技場?にわざわざ見に来てる...)彼女は無力さを痛感します。
彼女は校舎の屋上に駆け上がり、大声でF4を罵倒します。
で、お約束。
F4の制裁ショーに飽きていたレンが、少女漫画ドロップアウト青年のセオリーよろしく、寝転んでいました。
彼はゴーヤーを見て、微笑みます。
F4メンバーは、放課後、金にものを言わせ、騒ぎ放題。比べ、ゴーヤーは花屋でアルバイトしています。同僚は親友のカニンです。
ゴーヤーのおうちは決して豊かではありません。家族はせめてゴーヤーだけはと、必死で有名学校に通わせています。(運動で奨学金を貰っているようです)
家族関係は非常に良好、みんな笑顔に満ちています。
...ただタイの本当の貧しさはこんなものじゃないです。塀に囲まれた巨大な屋敷の傍らに、おそらく3DK二階建て、庭は車庫程度、そんな家が立ち並びます。あの熱波のタイで窓を開けて涼を取り、まさに昭和のちゃぶ台ひとつの居間で生活しています。
私はそんな家々を見てきました。
ゴーヤーの家、撮影の都合も有るかもしれませんが、なかなかの広さです。ゴーヤーも広い自室有り。「Happy birthday」ではバンコクから離れた地でもトンマイはターンナムの部屋を貰うまで、母と共に寝起きしていました。
お母さんのカーラーで持ち上げた前髪や、独特な人情表現は、タイでありながら何処と無く日本の雰囲気があり、小綺麗にしか描けなかった韓国などのバージョンより、味わい深く見て取れました。そして来るあの日。
ゴーヤーは絶望に落とされます。
逃げ惑い、そしてハナと出会います。
しかしハナは逃げ出してしまう。
ゴーヤーは保健室に逃げ込み、そこにまで現れた追っ手からは窓から何とか逃れます。
ちくしょう!彼女はまた屋上に上り、思いの丈を吐き出します。するとそこにはまたレンが。
焦るゴーヤー。
そこにゴーヤーを追って来た女生徒たちが。
レンは慌てるゴーヤーの口を押さえ、女生徒たちを追い払います。
礼を言おうとするゴーヤーにレンは素っ気ない態度を取りますが、彼の残した、彼の描いていた絵には、空に向かって怒りを吐き出すゴーヤーの姿が描かれていました。
ゴーヤーは暗くなるまで待って、ようやく静けさを取り戻したのを見計らって、帰ろうとします。しかし、ゴーヤーは手柄を焦る生徒に暴行されそうに成ってしまいます。
「もうあんな学校行きたくない」
でも母は期待し、父は靴を贈ってくれる。
ゴーヤーは涙を拭って、学校へ向かいます。
静かな校舎。もしかしたら終わった?
いいえ。靴が!父がくれた大切な靴が奪われた。
必死で追い、廃競技場へ。
そして、そこにはF4が待っていました。タームはゴーヤーを嘲笑し、蔑視するように見下します。そして靴を引き裂き、汚水の溜まったドラム缶に投げ捨てます。
悦に浸るターム。そして気にもしないF4たち。
そして...
虚勢を張り、自らの不遇な明日を恨み、それを他人にぶつけていたターム。そんな彼の揺るがない強さがF4の柱だった。礎であった。
それが揺らぐ。
罅はタームだけじゃない。既に変わり始めていたレンの心に、明らかな異る色の火を灯します。
F4を描き過ぎず(役者好きには物足りないほど)あえて悪の枢軸のように描いたことで、私達は、先ず、F4を嫌うでしょう。
そして、ゴーヤーを助ける、レンに感情移入し、私達は「彼は何であんなF4とつるんでいるの?」と不思議に思う筈。
それから私達はF4の真実の顔、私達と変わらない弱さを彼等に見ることに成るんです。これが正しい「花より男子」の見方。いえ、原作者が描いた当時はかつての日本や韓国の描き方で良かったのかもしれない。でも今だから、これでいい。これがいい。
私的No1の台湾版でも、この点は微妙でした。バービー・スーが扮した"つくし"は、非常に強気で、本作のタームこと道明寺にぶつかって行きます。でも何故か瞬く間に彼等は縁を築いてしまいます。
仲良くなるのには、さすがに時間が掛かりますが...
ですが、初めからF4はアイドルの側面を見せ過ぎていて、更に道明寺役のジェリー・イェンが、やはり優しいんでしょう。憎らしく見えないのです。
「F4 Thailand」はと言うと、タームはただ悪辣に見えます。そしてガウィンは女性をはべらし、終始クールで、愛や人情は勿論、感情が薄いようです。MJは唯一、人情を感じさせますが、常にことの中央から一歩退いているように見えます。
レンは、ひとり心で目で見ているものが違うように感じます。だからこそ、ゴーヤーは彼を信じ、彼もゴーヤーの中に自分が忘れた何かを探してしまうのかもしれません。彼の心は、ある過去に囚われていますから...
どうもギクシャクなんですよね。みんな見ているところが違う感じ。
故にF4の繋がりはあまり強くないようにも感じられますが、実際、そんなものだと思います。
この後、彼等はつるみながらも、ある意味、バラバラに成ります。でも元よりバラバラで、だからこそ、わざわざ別れる必要は無いと、ゴーヤーを軸に彼等は新しいF4に成って行きます。
それは。自立した4人と言うF4。
ゴーヤー(牧野つくし)を演じたのは、トゥことトンタワン・タンティウェーチャクン。まだこれからの女優さんです。韓国版の手直し現実離れな感じでも、あまりに華がないタイプでも無く、感情移入し易い丁度良い印象です。弱さと、一転、強さ溢れ出すラストは、強い歓喜を引き起こされます。
ターム(道明寺司)を演じたのは、ブライトことワチラウィット・チワアリー君。大ヒットタイBLドラマ「2gether」で 鍵の男性サラワットを演じた彼。かつて「I sea U」で見せた危うさと繊細さを兼ね持った、あの演技の再燃を感じさせる、憎らし演技を的確に披露しています。
注目してます♪
レン(花沢類)を演じたのは、ディウことジラワット・スティワニッチャサック君。彼は、地から役同様の繊細なタイプらしいので、持ち前(?)の性格を活かし、繊細なレン像を演じ切ります。
ファンに成りそう...(^-^ゞ
MJ(美作あきら)を演じたのは、ナニことヒランクリット・チャンカム君。髪をちょんまげスタイルにして、バイクに跨がるナイスガイをセンス良く魅せます。プライベートではワチラウィット・チワアリー君に茶化されたりして、穏和な性格のように感じます。
今回で感じた難点はタームの母ロサリン。演じたのは、タイ版「ゴシップガール」にも出演していたシンディ・ビショップさんとのことですが...正直、見た目、ただの欧米の方です。(実のところは1/4タイ人のようです)
何とも違和感が拭えません。
このグローバルな世界で何を言う!と言われそうですが、私はタイにはタイらしさをもっと大事にして欲しいと強く願っています。
残念ながらタイの方々は白い肌、欧米のハーフを非常に珍重するところが有ります。それも白い肌に関しては「金持っぽいから」ですって。残念なことです。
エリートは欧米人。そんな安直さだけで配したのなら、ちょっと残念です。グローバルだからこそ、欧米人である必要もないのですから。
前述、「やってくれた!」と取り付かれるほどの傑作認定はもう少し見送りするくらいでは有りましたが、それでも間違い無く、不足無い良き「花より男子」で有ったことは間違い有りません。
楽しかったです。
☆まだちょっと体調不良が続いています。
浮腫み取れず。顔ですからね。
...ちょっと気分、下がります。
今の私の顔は、パタリロ!とキン肉マンの狭間です。(*T^T)。
まだまだ咳き込みますが、息が出来なくなるほど強く咳き込むことは無くなりました。
後は倦怠感と息切れくらい。血中酸素が少ないのかな?と感じます。
良くはないですが、今は滋養を取って、ゆっくりたっぷり休むようにしています。
毎日、寒いですね。体調を崩さないように。