三井住友VISAカードミュージカル

『グレート・ギャツビー』
－F･スコット･フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より－
脚本・演出／小池修一郎　　

20世紀アメリカ文学の最高峰と言われる「グレート・ギャツビー」。1991年雪組で『華麗なるギャツビー』として世界初のミュージカル化に成功。2008年には月組が日生劇場で再演し好評を博しました。
宝塚歌劇として3度目の上演となる今回、永遠の主人公ジェイ・ギャツビーを演じるのは、傑出した演技力を誇る月城かなと。新たなる大劇場一本立て公演として、月組の魅力溢れるキャストが、豪華なミュージカル作品をお届け致します。
名曲「朝日の昇る前に」はそのままに、更にバージョン・アップした2022年版『グレート・ギャツビー』に、ご期待ください。　（公式より）

公演日程：2022年7月16日(土)～8月22日(月)

　　　　　　　7月16日～21日、7月29日～8月18日公演中止

観劇日：8月20日(土)ソワレ　Vpass貸切

仕事に追われる日々があっという間に過ぎていきます･･･。

ざっと大まかな感想で、いっちゃいます！(正直もう忘れてるし)

有名な演目でありながら、今までの公演を見ておらず。

スカステで時折、瀬奈さんの後ろ姿がステキだという映像を見たことがある程度で、予習を全くせずに観劇に臨みました。

とにかくギャツビー役のれいこちゃん(月城かなと)がステキなことは間違いなく。

さすが《芝居の月組》と言われる、目が足りないお芝居。

貧しい家に生まれた男の子が、大金持ちを夢見る話は実際にもたくさんあることでしょう。

ジェイはデイジーと出会わなければ、ラストに登場するお父さんの自慢の息子として、大金持ちではなくても地道に立派に人生を歩めたのかもしれないな･･･と、幕が下りてから思ったのでした。

デイジー役のうみちゃん(海乃美月)は、今までの作品でもそうだけど、ローウエストのクラシカルなお衣装がとってもお似合い。

ジェイと出会った若かりし頃のデイジーは、落ち着いた雰囲気のうみちゃんには難しかったかもしれないなぁ。妹役のきよら羽龍ちゃんと、いとこで幼馴染みのジュディ(彩海せら)の二人が幼さの見えるやんちゃな様子が可愛らしかったですね

デイジーの夫であるトムは鳳月杏さん。

学生時代の友人とポロを楽しんでいるという、若々しくて家庭を感じさせない人物。見るからに色んな意味で魅力的な人ねぇ。

貴族として何不自由なく過ごしているお坊ちゃんが滲み出てる。

ゴルファーで、デイジーの親友ジョーダン･ベイカーは彩みちるさん。

設定の時代には女子プロはいないそうですが、強気な女性でしたね。

ちゃっかり目当ての男性を引き込むけど、引き際もあっさりという、自立したカッコイイ女性像でした。

そのジョーダンのお目当ての男性ニック･キャラウェイは風間柚乃さん。純粋で素朴で素直な人格が滲み出るような表情とセリフ回し。

おだちんはお芝居が自然体で、本当に上手だなぁ。

デイジーの夫トムの愛人であるマートル・ウィルソンは天紫珠李さん。その夫ジョージ・ウィルソンは上月るうさん。

小池先生も、この二人がどうして結婚したのか不思議だったそうですが。ジョージはただただマートルが愛おしくて、マートルにとっては自分に全てを捧げてくれて、何でも許してくれる《都合のいい人》、ということで双方のメリットが合致したからじゃないのかな。

でも、ジョージにとっての結婚は実直な安定や平和を求めるものだったけど、マートルにとってはそれが退屈なものだったのかも。

そして、暗黒街で大活躍だったマイヤー・ウルフシェイム役の輝月ゆうまさん。トップのれいこちゃんと同期で、同じ月組から専科へ組替えとなったまゆぽんとは、『一文無しだったギャツビーを拾って育てた』という長い年月を自然と感じさせてくれてました。さすが同期

ウルフシェイムの配下にいる悪そうな人たちは、普段は上司を立てて控えめな感じ。だけど、ギャツビーが暗黒街から追放？されて、彼の側近？秘書？だったピロクシー(礼華はる)が、そのあとを引き継ぐことになった途端に走り出すところは『チャンスだね』と応援したくなる･･･闇の世界だけど

序盤の超有名な場面、自宅の庭に続く入江に佇むギャツビーの背中がカッコイイ

けど･･･ここはどうしてもギャツビーが背中を魅せているように見えてしまって、私的にはあまり魅力を感じないのよね。

ギャツビーの意識はあくまでも対岸のデイジーに向かっていてほしい。

その時に、ギャツビーがでっち上げる嘘の経歴を、何の疑いもせずに関心しながら聞き入り、話を膨らませるニックが何とも純粋。

ギャツビーとトムのゴルフ対決の時に、ギャツビーとトムが車を替えっこしたことで、まずはマートルが誤解をしたことからギャツビーの周りの歯車がどんどん嚙み合わなくっていたのだとマートルの死で気づいて、頭の中が『』でいっぱいになりましたわ。

最期までデイジーの未来のことまでもを考えて、愛を貫いたギャツビー･･･あの豪華なパーティーに連日たくさんの人が来ていたのに、なんて寂しいお葬式。

そこへトムと一緒に現れたデイジーは、いつもギャツビーが贈っていた白い薔薇を１輪、お墓へ無表情で手から滑り落させる。

ここは、いろんな解釈ができるのかもしれないな。

とにもかくにも、デイジーに対してだけ純粋で真っ直ぐで、彼女への愛のためだけに生き抜いたギャツビーとしての月城かなとさんがあまりにもカッコ良すぎて、たった１回の観劇だったけど大満足でした

･･･思い出せるだけ書けたかな

月組『グレート・ギャツビー』