歌舞伎町


テレビよく見るあの歌舞伎町のネオンの入口は実際そんなに目にすることは無い。


本来の歌舞伎町の入口はドンキのある道だと思ってるいる人が多いのではないだろうか。



この頃は歌舞伎町が「非日常」で、何を見てもドキドキした。


なっちゃんはキャバクラのお仕事帰りの友達2人を引き連れて、当時流行っていた「中になにか入れてます?」ってくらいのモリモリのヘアメイクを施した3人と合流して、ストレートヘアと私のヘンテコ4人組はいざホストクラブへ。


素人1人混ざっている。

明らかにお金のなさそうな私。

3人のおまけ感満載だった。


なっちゃんが手馴れた様子でキャッチをしてくるホストに初回の値段交渉を始める。


新規開拓のため、初めてのお店に行きたかったらしい。

2時間3000円ビール2本付き。

妥当と言えば妥当だけど、後に「ちょっとあれは高かったよな…」と思った記憶がある。


この頃、有名店以外は初回無料とか1000円などが多かったからだ。

慣れた頃には初回は安いもの、そう思うようになっていた。


この頃、深夜営業が禁止だった記憶もあるが、そうじゃなかったかもしれない。


よく始発で飲みに行っていた記憶があるので、夜と朝しかやっていなかったのか……? 


この時、深夜にやっている店はかなり少なく貴重だったはず。

覚えているようで覚えていないもんだ。



次々に目の前に現れる華々しい世界に、トキメキながらも、私は塚本〇史に少しお肉を付け足したようなイケメンが気に入り、「場内指名」を入れて「送り指名」にした。

名前も覚えていないので、タカシとしましょう。


「送り」とは、ホスト特有のものだと思う。

姫(お客様)を出口までお見送りすること。

それを初回の姫が選ぶのだ。

この「送り指名」を貰えると、次の指名に繋がりやすい。


「ナナ、初めてのホストはどうだったー?」


「んーーー、楽しかったよ!!」

 なっちゃんの問いかけに答えたが、、まあまあ…といったところだ。



ここでの出会いは大して重要ではない。



タカシとは後日、歌舞伎町とは程遠い神奈川の彼と彼のお姉さんが住むという家にのこのこと行き、初めての浮気をしてしまった。


後に思うと、お姉さんとという名の彼女との同棲部屋に連れていくサイテー男の典型だと分かるが、

その時はまるで信じていた。

ブランドバッグの数、使ってる化粧品などから見て、かなり稼いでる女の人だというのはすぐ分かったが、

「お姉さんもキャバ嬢なのかーー」

なんて思っていた。


それくらい私は純粋で、おバカで、考えなしだったのだ。


ハルにしか興味がなかったのにイケメンに言い寄られてついつい浮かれてしまっていた。

もちろん後ろめたさがあったけど、これは墓場に持っていこうと決めたので、なにもなかったことにしよう、そう思っていた。


しかし、その後、タカシは私に物凄くハマっていた。

ホストクラブで1回。タカシの家で1回会った(やった)だけとは思えない執着を見せてきた。


その後、メールのやり取りを適当にしていたかな。

そんなある日、ホストをやめて、新しい仕事を見つけてきたご報告してして

「仕事が順調になったら付き合ってくれませんか?」と言い出したのだ。

「一人暮らしも始めたんだ!遊びに来てくれる?」 

と。


彼はすごく魅力的だった。

顔も好きだった。

そしてなにより、ふんわりした雰囲気があって、1個年上なのに可愛いと思ってしまった。




でも、ハルと別れる選択は1ミリもなかったので、フェードアウトすることを選んだ。




これが私の初めてのホストクラブで、初めてホストと遊んだ話。




それから、私は何事も無かったようにハルと幸せに過ごしていたんだ。



ホストクラブにハマる人の気が知れない。


最初の店で夢を壊されてしまったから。

普通の男の子だって思ってしまったからね。



もう次はないなーなんて思っていたはずなのに。 

歌舞伎町って、夜の街って不思議。


あそこにはでっかい磁石が埋め込まれて、引き寄せられてしまうのかな。





これから私の転落人生の始まり。




当時の私は思っている以上にダメ女なので、暖かい応援よろしくお願いします。