どこをどう贔屓目に見ても。
運動音痴。
それは、カーリーの個性だし。
他に得意なことも、いい所もいっぱいあるからね。
でも、去年の運動会、あまりに遅すぎて。
これは、ちょっと走るっていう基本的なこと、教えた方がいいかなと。
走るっていう基本的な動作を教えるなんて、あんま聞かないけど。
運動音痴をあまりコンプレックスに思ったら、
楽しくなくなるかなぁって。
カーリーは楽しむのが得意。
苦手なことでも、楽しめる。
根性も実はある。
泣きながらでも、絶対辞めたくないって投げ出さない。
ただね、運動関係だけは、からっきし。
跳び箱も、登り棒も、なんなら、スキップもケンケンも。
人と同じくらいの時期には習得できない。
スキップとケンケンは教えて、練習してできるようになって。
登り棒は半分くらいまで。
跳び箱は、お尻が軽く当たるくらいまでにやっとなってきました。
私は、カーリーに運動会で1位になって欲しいと思ったことは、もちろんなく。
ただ、去年のままだとあまりに勝負にならないから、悔しいって気持ちすら湧いてこないみたいで。
楽しかったよー。ドベだったけどー。頑張ったから!
前向き、カーリー。
でも、競走できるようになって、勝っても負けても、その時の気持ちが体験できたら、いいなって思いました。
それで、時々、腿上げとか、腕振りとかの基本的なフォームを家で練習してました。
カーリーは、蹴る方の足じゃなくて、着地した足に力が入ってるって事も、分析の結果分かって。
なんだか、フォームも走ってる!って感じになりまして。
迎えた徒競走!
なんと、カーリー!
ドベ争いではあるけど、競走してました!
最後の最後で負けちゃったけど。
今までと違う、悔しそうな、ちょっと泣きそうな顔。
「あのね、私初めて競走できて。あとちょっとで負けたのが、すごく、悔しくて。目が染みるのを(カーリーは泣きそうになることを目が染みるといいます)ガマンしたんだよ」
って教えてくれました。
今までもドベでも気にしてなかったけど、私は。
悔しいって思えてかったなぁって、思いました。
ちょっと、人よりはのんびりで運動音痴なカーリー。
なのに、クラスの代表で、運動会で意気込みを大きい声で言うのにも果敢に立候補して、決まっちゃうカーリー。
優しくて、可愛くて、
最近軽い反抗期で、それもまた可愛くて。
大きくなってきて。
頼もしくて。
でも寝顔は小さい頃のままで、少し切ない。
どんどん、私を超えてって、自分の道を、
思いっきり幸せなものに。
きっと、彼女はそれが可能なんじゃないかと思う。
タッチの差で、ドベになったけど、私の中ではその光景はとてつまなく愛しくて、一生頭に残ると思うよ。
カーリー、いつも健全な心を、他人を思いやる気持ちを、真っ直ぐな意思を、頑張ることの大切さを、好きなことに対しての探究心を、
色んな、私が忘れてた何かを行動で教えてくれてありがとう。