昨日の千賀滉大投手のピッチングは見てて可哀想だった。明らかに本調子ではなく、怪我した左足を誤魔化しながら投げていたような投球フォームであり、バランスなども、解説の立川さんが言った通りであった。その要因は様々考えられる。

▶️本調子ではない。ではなぜストレートは158㌔?
これは言葉で説明するのは難しいが左足で体を踏ん張ることが出来ないため、いつも以上に上半身主導で投げていた。つまり手投げである。
ピッチングというのはてこの原理で投げるものである。

力点が投げる腕、支店が体全体、作用点が左足になる。てこの原理は作用点に重さが加わることで大きな力が伝わる。
しかし千賀投手は怪我した左足に不安があるため、左足に体重を乗せることが出来ません。てこの原理に当てはめると、作用点に重さが加わりません。
その結果、力点に大きな力が伝わらないのです。それが昨日のピッチングです。
ではなぜ最速158㌔ものストレートを投げれたのか?それは千賀投手がいつも以上に上半身を使って投げていたからです。てこの原理を利用し投げれていたバランスのいい160㌔のストレートは指先に力を入れるだけでスピンが加わったボールでした。つまり指から離れた速度(初速)とバッターに伝わる速度(終速)の差にあまり変化がなかったように感じます。しかし昨日はかなり上半身に力を入れ、つまり力任せに投げていたため、158㌔は出ますがスピンが伝わらず初速と終速に大きな差が生まれました。
その結果、藤原恭大選手も含め多くの選手が簡単にストレートを弾き返せていました。
というのが私の考察です。
いつも以上に力を使って投げていた結果、いつも以上のスタミナを使って投げていたため、1巡目は通用したものの、スタミナを浪費した2巡目以降は簡単に弾き返すことが出来ます。これが昨日の千賀投手のピッチングです。

▶️なぜあんなにも投げさせる必要があったのか。
それは簡単です。代表の先発投手と考えているため長い回を投げるように稲葉監督から任されていたのでしょう。その結果がこれです。
稲葉監督としても世間が「千賀は怪我明けだけど、選んで大丈夫か?」という見解を覆すために、日本代表に1人も選んでいないロッテに対し、わざわざここに合わせて投げさせたのでしょう。このチームなら不完全な状態でも抑えられるというのが稲葉監督の考えだったのでしょう。

私自身は千賀滉大投手が敵ながら大好きである。しかし、今の千賀投手にロッテをノーヒットノーランに抑えたボール、覇気、威圧感は感じられない。日本代表に選んだことで、千賀投手が復調できず、壊してしまうことだけはファンとして避けて欲しい。