今回は「就活生は意識を低く持つべきだ」という私の意見の根拠を述べていきます。
その前に前段として...
いったんここで、就職活動において意識が低いということはどういうことか、
このブログにおける定義をしておきましょう。
・人気業界を狙わない(総合商社・コンサル・投資銀行...etc.は受けない)
・企業のブランドよりも働きやすさを重視(残業時間・福利厚生で志望企業を決める)
・理想の就職活動を目指さない(自己分析や説明会への出席をできるだけ避ける)
といった3つの状態をまとめて「(就活の)意識が低い」と表現していこうと思います。
他の就活系のサイトのように細かいことをゴチャゴチャと書いてもいいですが、
このブログは就活論を熱く語る場ではなく、
むしろそういった連中へのアンチテーゼの発信源ですので、
おおまかに正しければよいということにしておきましょう。
さて、本題です。
では、なぜ人気業界を狙わず、働きやすさを重視し、理想の就活をしないべきなのでしょうか。
①人気業界を狙わない理由
端的に言って、就職してしまえば人気業界で働くことには何の意味もなくなるからです。
就職活動をしているときは、どうしても友人が目指している業界と自分の目指している業界を比べてしまいがちです。
大学生の友達というのはその多くが同じ大学にいますし、気の合う友達とだけ絡んで過ごすことができるという大学での交友関係の性質上、周囲の人間はみんな同じような志向を持っていること
そして、就職活動を開始する時期には様々な就活サイトから人気業界を受けることを煽るようなメールが送りつけられてくることから、
周囲が総合商社やコンサルを受けている中で自分ひとりだけ地味な業界を受けるのは勇気がいります。
また、同級生が誰もが知っている巨大企業に内定していると、地味で誰も知らない企業に内定している人はどうしても引け目を感じてしまいがちです。
学生のうちはそれも仕方のないことです。
しかし、就職してからはもうそんなことは一切関係なくなります。
多くの場合、
社会人の評価は自分の勤める会社内...の、さらに自分の配属された部署内での相対的な立ち位置で決められます。
そこではもはや同級生が他の企業でどんな部署に配属されようがどんな評価を受けていようが、まったく気になりません。
しいて言えば、年収と帰宅時間で競争になる程度でしょうか?
しかし、少なくとも日本企業であれば、ほとんどの会社で最初の3年間は給料は横並びです。
では、帰宅時間は...というと、地味な企業のほうが基本的には早く帰宅する傾向にあります。
なぜなら、地味な企業というのはすなわち自社のPRがへたくそな企業であり、
基本的に技術力に頼って経営しているために、社員がマンパワーで頑張るシーンが少ないのです。
※賞賛しているつもりですが、貶しているようにも聞こえるので具体的に
どんな業界か、というのはここでは明言しません。
一方、華やかな業界の企業はというと...
取引先が大企業であるために求められる仕事のレベルが高く、
また同期の社員もやたら優秀でやる気があるため手を抜くと出世できなくなるため、
残業は基本的に増えやすいのです。
もちろん多少時間を犠牲にしてでも残業代を稼ぎたいのであれば問題ありませんが、
「周囲が受けているから」...という理由で人気業界ばかりを狙うのは得策ではないでしょう。
②働きやすさを重視する理由
根本的に、就活中の学生がほぼ全員抱いている幻想があります。
それは、
「自分は仕事ができる人のはずだ」
というものです。
そしてこれは高学歴であればあるほど顕著です。
今までの人生で他人よりも多くの努力を積み重ねてきたという自負があるからでしょう。
努力してきたことは事実ですから、自信を持つこと自体は悪いことではありません。
しかし、社会というのは「努力をすれば仕事ができる人になれる」という保証がある場ではありません。
もちろん、努力は実力になりやすく、実力が付けば仕事の成果もついてきやすいのは事実です。
しかしそれはあくまで傾向でしかありません。
極端なことを言いますが、「仕事ができる人」になれるかどうかは自分でどうにかできるものではないのです。
なぜなら、新入社員の成長というのは上司・先輩社員・同期の仲間・取引先....等の人々との関係にそのかなりの部分を依存しているからです。
とんでもないパワハラ上司がいたり、
腐りきった先輩社員がちょっかいかけてきたり、
同期が足をひっぱてくるような酷い連中だったり、
取引先が必要以上の接待を要求してきたり...
自分と同じレベルの人が多い大学と違って、社会には人間としてレベルの低い人がけっこういるものです。
それはたとえ、巨大企業であっても同じことです。
実際、リストラを行わないホワイトな大企業なんかは変な人でもクビになりませんし。
そんな環境で自分が順調に育って、バリバリ仕事をこなせる社員になれる、なんてことができるでしょうか?
仕事ができる社員になるということは、自分の努力以上に周囲の人がまともであるという幸運によるものなのです。
その点を踏まえて考えてみてください。
自分がいかに社会的な使命を感じて仕事を選んだところで、
「デキる人」でなければたいしたことはできません。
それなのに、どうして企業理念や事業内容といったありがちな視点で企業を選ぶのでしょうか?
働きやすい環境を重視したほうが幸せな人生を歩めるのではないでしょうか。
③理想の就職活動を目指さない
理想の就職活動をする学生は、多くの場合まず「自己分析」という謎作業を行います。
これは、
「自分は人生で何を成し遂げたいのだろう?」
「自分はどんなことをするときに幸せを感じるのだろう?」
という哲学的な自問自答に応えるための作業であり、
この自己分析から抽出されたエッセンスを基に志望企業を選ぶのがよいとされています。
しかし、これはあまりオススメできる作業ではありません。
理由は2点。
第1に、終わりがないからです。
就職活動をするまでに22年も生きてきた人間の情報量というのはすさまじく膨大であるはずです。
他人から見てどれだけつまらない人生を送ってきた学生でも、本気で興味を持って親身に人生を振り返れば、着目するべき出来事やそのとき持っていた考え方について、いくらでも分析していくことができるでしょう。
数か月やそこらで一人の人間の人生を全て整理して性格を理解することなどできるのでしょうか?
中学や高校時代からの親しい友人でも、
「この子はこういうモノが好きだ」という趣味嗜好や
「この子はこういうときに幸せだ」という価値観を100%完全に把握するのは難しいですよね。
他人と違って自分というのは客観的に見れない分、理解するのにさらに時間がかかるはず。
であれば、就活期間のほんの数カ月で自己分析をするというのはかなり無茶でしょう。
就活を終えた先輩に話を聞くとだいたい「まずは自己分析」と言い出します。
しかし、その先輩は「自己分析ができた」と思いこんでいるだけで、実際には本当の自分をまだ理解できていないかもしれないのだということを頭の隅に置いておいてください。
第2に、就職後の情報が不十分だからです。
仮に自己分析をうまくできていて、それに合った企業を探し出すことができたとしても、
配属先が自分に合っている部署になるかは不透明です。
現在では多くの企業が新卒採用を「総合職」というあいまいな職種名で採用しています。
そしてまた多くの場合、人事部はとりあえず席に空きがある部署や新人を育成するための部署にテキトーにぶち込みます。
※入社時にはそれっぽい説明があるかもしれませんが、採用時に面接を数回しただけの人事部が
本人のことを親身に考えて配属するのは実際には難しいと考えるのが自然でしょう。
3-5年目になってある程度育った段階で個々人の実力や志向がはっきりしてくるため、本格的に配属部署が考えられるようになると思いますが、
配属先の希望を出してもそれが通るという保証はどこにもありません。
というか、大企業であればあるほど、組織が大きいためにその希望が通るか否かは運に左右されるでしょう。
たまたま自分が行きたい部署に欠員があれば行けますが、
人が余っていたり、人気の部署であれば厳しいでしょう。
ですから、「自己分析」などは行わずに、素直に働きやすい環境をもとめて企業選びをするほうが自然でしょう。
そのやり方の具体的なアドバイスは、次回以降述べていきます。
