前記事に記載したように福島第一原発の3号機はMOX燃料を利用した軽水炉(プルサーマル方式)である。


MOX燃料を軽水炉で利用することには様々なリスクや問題点が現在多数ある。

再処理面に関わるリスクも多々あるが、今回は福島第一原発の事故にダイレクトに関係がありそうなリスクだけを下記に挙げてみよう。


1、事故が発生した場合には従来の軽水炉よりプルトニウム・アメリシウム・キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多くなり、被ばく線量が大きくなると予測される。

2、ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる。

3、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。

4、水蒸気管破断のようなPWRの冷却水温度が低下する事故や、給水制御弁の故障のようなBWRの炉内圧力が上昇する事故が発生した場合において、出力上昇速度がより速く、出力がより高くなる。(燃料体の設計および原子炉内での配置を工夫することによって対処が可能)


上記のことをふまえて、東電会見をほんの少しだけ振り返ってみよう。

「海水を注入しているのに水位が上がらない」「原因は不明」

いやいや、簡単なことじゃないか。
高温すぎて蒸発してしまい、1号機のときより水位が上がりにくいだけだろう?

と思ってしまったのは私だけだろうか。
専門家なら誰もがこの点はふまえているはずだ。
原因は不明なのではなく、またまたお得意の隠蔽だったのか。
それとも、もっと別の致命的な原因(例えば漏れているとか)があったのだろうか?


と…まぁ、上はあくまで私個人の感想なので、事実の程は誰にも分からない。



しかし実際、軽水炉は元々ウラン燃料を前提とした設備であるため
事故発生時等の緊急設備がMOX燃料に効果的かどうかという点は疑問視されているのだ。


現在プルサーマルを積極的に続けているのはフランスだけなのである。(日本を除き)
そしてフランスと日本の最大の違い…それこそが

「地震国か地震国でないか」


ここであろう。
そもそも日本はプルサーマル発電計画など推進してはいけないのだ。

なぜなら、日本は自他共に認める地震大国なのだから。
フランスと同じ気分で安易に原発を推進するべきではないことは明らかだ。


尚、3号機のプルサーマルは昨年(2010年2月)、現福島県知事である佐藤雄平氏の了解により
10月26日から営業運転を開始したばかりである。
まさかたった数ヶ月でこのような壊滅的事態になるとは誰が想像したであろう。

ちなみに東京電力は以前から福島県にプルサーマル計画実施について福島県に申し入れていたが
2006年まで福島県知事であった佐藤栄佐久氏は反対し続けてきた。



少し攻撃的ですが、こんなブログも発見
http://ameblo.jp/rokkasho-x/entry-10333135500.html
ちなみにこちらの方は現在の福島原発の事故などについても様々な記事を挙げてらっしゃいます。


私ももっと昔から原発の危険性にきちんと関心を持つべきでした…。
こんな事態になってから気づくなんて…なさけない。
既にご存知の方が多数いらっしゃるかと思うが
テレビや報道であまり触れられないので、一応記載しておく。


本日(3月14日)、福島第一原子力発電所にて3号機でも水素爆発が起こったと発表があった。
これは1号機の水素爆発と同じで、多量の放射性物質が放出された可能性は低いとのことである。

放射性物質の実際量に関しては、私には真偽の程は分からないので
ここではあえて言及しない。


しかし重要なことを忘れてはいけない。


福島第一原発の中で、3号機は唯一「プルサーマル」
つまり、MOX燃料を使用している軽水炉だということである。


MOX燃料とは、通常の軽水炉でも利用されているウラン238と、「プルトニウム」の混合酸化物である。
さて、ここで問題なのはプルトニウム。

これは大変分かりやすくおおざっぱに言えば、通常のウランよりも更に毒性の強い放射性物質である。
詳しくはそれぞれお調べ頂きたい。

【抜粋】:
プルトニウムの同位体および化合物はすべて放射性で有毒である。化学毒性についてはウランに準ずると考えられているが、その化学毒性が現れるよりもはるかに少ない量で放射線障害が生じると予想されるため、化学毒性のみでプルトニウムの毒性を論ずることはできない。
プルトニウムの毒性は既知の毒物の中でも最悪レベルで、「角砂糖5個分で日本が全滅」するという指摘がある。これについて、電気事業連合会は事実誤認だとする。
(参)プルトニウムWikipedia ( http://ja.wikipedia.org/wiki/プルトニウム )


つまり、万が一今後最悪のケースになった場合…
本当に万が一だが…炉心溶融により爆発が起こった場合
1号機が爆発するのと、3号機が爆発するのとでは、飛び散る放射性物質の毒性が違うということである。


上記の事を認識したところで、爆発しないことを祈るしかない我々には、できることは極めて少ない。
放射性物質の散布は風向きやそのときの状況により全く異なるため予測も不能であろう。

ではなぜあえて記事にしたのか。


それは、上記の内容があまりにメディアを通じて報じられないからである。
(一部の記事やメディアでは触れている)

東電を筆頭に、現在の日本の隠蔽体質には本当に呆れて物が言えない。
どのみち受け身でいることしかできない我々国民は、
何も知らずにのほほんとしていろということなのか。


ま、現時点で一番問題なのは2号機か…。やれやれだ。



※こちらでは有益な海外メディアでの3号機爆発に関するニュース記事を見る事ができる
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-2590.html
現在、第一グループは計画停電を見送られ、
第二グループも見送るかもしれない(曖昧)らしい。


東電…。一体何がやりたいんだ。


想像通り、電車が止まる事を知らずに出勤してしまった人が多く大パニック。
そりゃそうだろう。


加えて、福島第一原子力発電所と第二原子力発電所で海水注入の不具合発生。


なんか嫌な予感がしてならない。


・原発のニュースから目をそらせるためにこの停電騒ぎをわざと作ったのでは?
実際夜中に海水ポンプの不具合や作業員の退避、新たなベントがあったにも関わらず
ニュースはどこも停電のグループ発表や電車情報ばかりであった。


・交通手段をなくし、我々を婉曲的に家に閉じ込めておきたいのでは?
万が一本当に原発で爆発があったとき、人口が密集している関東全域の住民が
自宅待機しているのと、通常通り外にいるのとでは、全く影響が違う…
そう思っているのでは?

もちろんこちらは最悪のケースであろうし、完全に私の想像でしかない。
しかしパニックの懸念や、
東電の過去の隠蔽体質(かなり重大な事故も過去に度重なり隠蔽していた)からも
爆発しそうな危険な状態になってもギリギリになるまで発表しない気がしてならない。
チェルノブイリの二の舞を本当に起こす気なのだろうか。


間違っても誤解しないで欲しいのは、
むやみに皆さんを心配させたいわけでも、パニックを起こさせたいわけでもない。

ただ、政府と東電、原子力安全・保安院の曖昧すぎる発言だけを鵜呑みにしないで欲しいだけだ。
放射能事故は周辺住民だけの問題ではない。
みんなに自分で考える力を持って欲しい。


以下、原子力資料情報室の記事から抜粋( http://www.cnic.jp/modules/news/ )
「両地点とも、1000マイクロシーベルト/時(mSv/h)まで測れる放射能測定機の針が振り切れた」とこのことです。
広河さんの最近のチェルノブイリ原発から4キロの地点での放射能測定値は0.4mR/h(4マイクロSv/h)です。
(1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発周辺30キロメートルは、汚染が強いために現在でも立ち入り禁止とされています。)
福島原発周辺は、現在のチェルノブイリ原発周辺よりも非常に高い放射線量であることが確認されました。


これについてどう思うかは皆さんにお任せする。


しかし東電…原因が分からない不具合が多すぎる。
本当に不具合の原因が分からないのであれば、それは完全に技術者の力量不足、設計ミスなのではないか。