何につけても語彙力は欲しい。私事だが、叔母が長年中学の国語教師を勤めていた。まだ、私が指導者として駆け出しの頃、国語の指導法を伺ったところ、「国語力は、幼少期に身に付けた語彙力で全てが決まってしまう!逆に言えば、受験学年になってから急いで語彙を詰めてもきつい科目だ!」と断言された。叔母をよく知っている私としては、何とも彼女らしいあっさりした(いや、あっさりし過ぎっしょ苦笑)返事だなあと思ったものだが、なるほど、受験生を沢山抱えていた身としては非常に耳が痛く、同時に物凄く腑に落ちたものがあった。

 

ならば、ちっちゃいうちから語彙力を身に付けりゃ良いわけで、その為にはきちんとした大人の人と話す機会を多く持つこと。(まあ、「きちんとした」の定義もかなり難しいが、、)

 

教え子の小学校3年生の女子。今はぶっちゃけ勉強嫌い。しかし、彼女にある日「それで、あの件はどうなったの?」と聞かれた。

 

「あの件は・・・。」 これって大人の会話っしょ。しかも、これは「話し方」なので語彙力テキスト見たって載ってない。

 

彼女は最初、ほんとに国語嫌いだった。「どうしてそんな言葉を覚えたの?先生、感心したよ!」と聞いたら、

 

「パパがお仕事で電話してるの聞いてると、何か色んな言葉が出て来る。」

 

とのこと。 要は、自然に耳に入って来るBGMを気付いたら口ずさんでしまっているように彼女は自然に耳に入って来る難しい話し言葉を適切な使い方まで含めていつしか知らぬ間に自分のものにしていたというわけ。

 

勿論、指導上語彙力テキストは使うが、何よりも「普段の生活の中で自然に聞き取って言葉をたくさん貯金する。」ことが語彙力アップの秘訣だ。

 

言葉をいっぱい知った故に、かなり生意気になった生徒の姿が喜ばしい。

 

どんどん成長してね!

 

そして、指導にあたる人たち、「ウザい、キモい。」は控えようぜ。

 

まずは言い出しっぺの自分から、頑張るぞ!なお、写真は無関係。ちょっぴり桜を感じたくて。

 

 

                                          とみみん