2つ上の兄がいる。
小さいときから、兄に対抗心持ってた。
ご飯の量も、兄のほうがちょっとでも多いと、
「ズルイ!」と言って、食べもしないのに、
同じ量だけ盛ってもらってた。
小さいころからずっと思ってたのは、
”兄のほうが母から愛されている”という劣等感。
毎日のように不平を母に言い続けていたら、
「そうよ、お兄ちゃんのほうがすきよ
男のこなんだから当然でしょ」
そう言われた。
それを真に受けて、あれから何年経っただろう。
"母は兄のほうがすきなんだ”
そう思い続けて、母といるといつも卑屈になる自分がいた。
いつもいつも激しい喧嘩。
そのうちに、私は家族に黙って家を出た。
家を出たことをあとから親が知って泣いても、怒っても、あまり何も思わなかった。
母は私が苦手だ。私も母が苦手。
どうやったってうまくいかないから、離れたほうがいい。
そうやって逃げるように今の旦那と一緒になった。
そんなある日。
携帯の名義変更へショップに母とふたりで出かけたとき。
鞄から母が身分証明書を取りだすときに、母がわたしに写真を渡した。
それは、何年か前に母の誕生日をふたりでお祝いしたときに撮った写真だった。
「ずっと大切に持ってるのよ」そうやって話す母はとても嬉しそうだった。
驚く私に、「当たり前でしょ。
生まれてから誰に預けもしないでずっと自分で育てた娘なんだから」と母は優しく言った。
この歳になって、やっと気付けた。
ああ、私は母に好かれてたんだ。
母は私のこと、好きなんだ。
普通なら、当然のように感じるだろうこの感情を、
私は結婚した今になって、気付いた。
少しずつ、少しずつ、温かい感情が湧いてくる。
なんだか、不思議。
やっと気付けた、母の愛情。