暑いですね~

関東地方は先週末に梅雨明けして一気に夏本番。暑いときはお日様の下で外で楽しむのも良いですが,ずっと屋外にいると熱中症になってしまうかもしれません。

そんなときは屋内で楽しむのもアリですね!

ということで,今回紹介するのは,屋内で楽しめる展覧会,体験型アートの『魔法の美術館』です。

『魔法の美術館』
http://www.mahou-museum.com/

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この展示はすでに日本各地の美術館で開催されていて,これまでに100万人以上を動員してきた展覧会。この夏,さいたま新都心にある「さいたまスーパーアリーナ」での開催が決まりました。

会場となったさいたまスーパーアリーナ。夜なので静かです。

さいたま

会場入口。

入口

さっそく行ってきたのでその模様をお届けします(※一部ネタバレあり)。

◆コンセプトは「見て」「触って」「楽しむ」
『魔法の美術館』のコンセプトは「見て,触って,楽しむ」。このコンセプトのとおり,いわゆる遠目から眺める一般的な美術展とは一味違う作品が多数展示されていました。その中から個人的に気に入ったものをご紹介していきます。


●SplashDisplay
会場入口を抜け,エスカレーターで4Fに上がったメイン会場大広間の入口すぐにあるのが,こちらの作品。

「SplashDisplay」。

名前のとおり,ディスプレイがスプラッシュ(飛び散る)作品。

Splash2

発泡スチロールに光を当ててカラフルな演出が楽しめます。

Splash3

今回,作者の1人,的場やすしさんの解説付きでした。的場さん曰く「ディスプレイに立体感を持たせたかった」とのことで,この臨場感と躍動感,実際に目の前で観ると何度でも体験したくなりました。

Splash1

動画もどうぞ。




●TRANSFORM
続いて,こちらは「TRANSFORM」という作品です。

TRANSFORM1

こちらはお笑い芸人FUJIWARAの藤本さんプロデュースによるもので,参加型&体験型というスタイル。

まずは体験の様子から。作品の左側にある椅子に座って自分の顔を取り込みます。

TRANSFORM2

TRANSFORM3

すると自分の顔が付いたキャラクターが誕生。

TRANSFORM4

さらにそのキャラクターが,右側にある作品の世界に登場。コミカルな動きで楽しませてくれます。

TRANSFORM5

テレビのニュースに登場した藤原さん曰く「お子さんに楽しんでもらう動きを取り込んだ」とのことで,実際に観ると面白い。個人的には,カメラで取り込んだあと,キャラクターがピューッと飛び上がって,仮想世界に入る感覚がすごく良かったです!

TRANSFORM6

こちらの作品も,クリエイターの岡田憲一+冷水久仁江(LENS)さんによる解説付きでした。こういうふうに創り手の声が聴けるのは良いですね。


●Dancing Mirror
こちら,とにかく実際に会場に足を運んで楽しんでもらいたい作品です。

写真を1枚だけ載せておきます。

DancingMirror

とにかく,自分の動きが,まるでテレビや映画のような形で編集されて動くさまがとてもおもしろく,何度も何度も試しちゃいましたw


●がそのもり
続いてはこの「がそのもり」。

がそのもり

どんな作品かというと,世界の童話の世界を画素(がそ)で表現して,白紙の本の上に動画として映し出し楽しめるというもの。「画素」「動画」「プロジェクションマッピング」などなど,ファミコン世代の自分としてはハマる要素がいっぱいあって,そこに,童話と本いう伝統的な文化が混ざる感じがすごく好きです。

動画もぜひ。



ちなみにこちらの作品は昨年,横須賀美術館で開催されていた『キラキラ、ざわざわ、ハラハラ』展にも出展されていて,観るのは2度目でも,やっぱり体験したときの感覚が心地良かったです。


●Pixelman
次はこれ。

こちらも「がそのもり」と同じく,画素(ピクセル)を扱った作品。

まずは下の3つの写真をどうぞ。

Pixelman1

Pixelman2

Pixelman3

上から順に近距離~遠距離で映し出された僕の姿です。

どういうことかというと,作品の前に立ち,カメラとの距離によって自分の映しだされる姿のピクセル数が異なるというもの。近ければ近いほど低ピクセル,遠ければ遠いほど高ピクセルというもの。

デジタル時代にその仕組みを肌感覚で体験できるというのがいいですね~

個人的には1,000~10,000ぐらいが,ファミコンっぽくて好きでした :-)


●センスピラー
こちらは会場入ってすぐにあった作品「センスピラー」。

まずは動画をぜひ。



どうですか?なんかSFの世界の主人公(というか悪の親玉?w)になった気分じゃないですか?

センスピラー

作品に手を近づけると,作品に飾られているライトが光って音がなるというもの。

ついにフォースを身に付けたぞ!(違


●Immersive Shadow
こちらは自分の影とスクリーンに映し出されたボールで遊べるインタラクティブアート。

Immersive Shadow
大小さまざまなボールを,自分の影で投げたり,けったりできます。何人かでスクリーンの前に立つと,仮想バレーボールやサッカー的なことができて楽しいです。


●happy halloween!
今回の中で一番シンプルで楽しめたのがこれ。「happy halloween!」。

happy halloween!
こちらの写真のように,作品前の椅子に座ると顔認識のカメラで撮影され,顔にハロウィン風の化粧がされるというもの。やや認識率が悪い席もあったのですが,一回認識されたあと,手で顔を隠してまた移すと次の柄になる雰囲気が面白かった。


●入口~出口まで
ほかにもたくさん作品があるので,ぜひ会場に足を運んで楽しんでください。

あ,そうそう。こちらは入口から出口まで楽しめる創りになっていました。

まずは入口。入ってすぐの受付でメイン会場に上がろうとしたところ,係員の方に,これも作品ですとして教えてもらったのが「Traces」。

カメラで写った自分の姿の残像がスクリーンに映し出されます。

Traces

こちらの写真では左側が僕の残像。うまく動けば残像拳(古)も夢じゃない!

ちなみに,下の写真が映し出しているカメラです。

カメラ

ひと通り観終わって,触って,楽しんだあと,出口に出ると休憩スペースも。この日はすでにクローズしていましたが,汗をかいたあとには美味いビールや限定ドリンクなどが楽しめます。

出口

今度はぜひ飲み物まで楽しみたい!


◆しっとりじっくり観るのではない,五感で楽しむアート
以上,簡単ですが『魔法の美術館』の様子をお届けしました。

美術・アートというと,とくに昭和生まれの自分にとってはしっとりじっくりというイメージが強いものですが,今回の『魔法の美術館』,これは,体験することでより楽しめるので,しっとりじっくりではなく,とにかくアクティブに,気になったら触ったり動いてみることで,より一層楽しめます。

そして,その体験を生み出している要素の1つがさまざまなテクノロジー。たとえば,「TRANSFORM」なんかはUnityを使って制作しているとのことで,こういう体験型アートが技術の進歩で身近になって,新しい概念として接することができるのは良いですね。

他にもカメラによる顔認識や音による表現などなど,とにかく「動き」×「体験」×「五感」が絡まりあうことで,ただ見るだけではない,新しい感覚のアートが楽しめました。これだけ身近になってくることで,従来の概念で考えられるアートとは違った,次世代のアートがどんどんどんどん生まれてくるんだろうなーと思います。

作品を作っている方たちの世代はさまざまですが,その世代や経験値がごちゃまぜな感じが,また新しい作品・世界観につながっていくんじゃないかとも思いました。

そうそう,『魔法の美術館』では,作品に触れる以外に撮影もOK!このあたりも新感覚,インターネット/ソーシャルネット時代ならではな感じがします。

撮影OK

こちらの『魔法の美術館』,さいたまアリーナでの開催は2015年8月31日まで。「夏休みにすることがない」と思ったらぜひ行ってみてください。お子さんはもちろん,オトナにもオススメです~


p.s.
今回のこの企画,ウインダムさん主催のブロガー・夜間特別鑑賞会で行われたもので,通常開催時のあと,夜18:30~,応募当選者のみ向けのものでした。なので,「SplashDisplay」や「TRANSFORM」のクリエイターによる解説が聴けたり,限られた人数だったので思う存分楽しめました。でも,人数が多い中で楽しむのも,それはそれでおもしろいかも。

ちなみに,ウインダムさんの企画に申し込んだのはこれが2回目。前回は横浜美術館の『プーシキン美術館~フランス絵画300年』展で,こちらも楽しめました。
(詳しくは「ジャンヌ・サマリーがお出迎え,マトリョーシカがお見送り――『プーシキン美術館展』夜間特別鑑賞会」をご覧ください)

またこういう企画があったら申し込んでみようっと。

ポーズ