もう1ヵ月前になってしまうのですが,5月中旬,日本科学未来館の企画展『波瀾万丈!おかね道』に行ってきました。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-科学未来館

波瀾万丈!おかね道
http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/okane/

私たちの生活に深くかかわる「おかね」。お金の使い方に現れる自分の意思決定と行動特性を10の実験で明らかにし、人間がもつ性質や行動がいかにお金と社会の動きに影響を与えているかをひも解きます。お金と向き合い、行動する術や心構え―いわば"おかね道"を身につける企画展です。

という内容のもので,「お金」を1つの軸として,人の考え方,その先にある気持ちの持ち方,行動について体験しながら考えられるというもの。
今年初めに開催を知って楽しみにしていた展示会です。

■10の実験で楽しむ体験型イベント
一部ネタバレになりますが,まずは簡単にご紹介。

会場内には全部で10の実験が用意されていて,1つ1つを体験することで自分自身の行動パターン,それを裏付ける説明がなされるというもの。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-地図

参加証として「おかね道 手帖」が配られます。ここに自分の結果を書き込んでいくスタイルです。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-おかね道

たとえば。宝くじの買い方。
全部で4つのパターンがあって限られた時間で回答し,その結果から行動パターンが分析されるというもの。

僕の結果はこれ。直感型。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-直感型

もう1つ。2つの二択質問で,どちらを選ぶかということから,時間に対する概念とその人の傾向がわかるというもの。

僕は「現在バイアスが強い」という結果になりました。

解説はこんな感じで。まあ,概ね当たってるかw

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-現在バイアス

こんな感じで,全部で10の実験にトライするわけなんですが,すぐに出来るものでもあり,また,裏を読むとかあまり関係なく体験できて楽しいです。
あと,よくありがちな「図星だからイラッとする」ってこともない説明なのがいいですね。

会場内にはこういったデータがいたるところに展示されていて,こういうのがまた視点の切り替えができて良かったです。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-お金の価値2 馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-お金の価値1

ちなみに2013年5月16日現在の参加者の結果集計はこんな感じでした。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-結果1

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-結果2

■自分の価値観・行動スタイルを客観的に言語化してもらう
さてさて。

今回はお金という1つの価値観を軸にして,自分の考え方,行動パターンを見ることができ,さらに説明が補足されていることで言語化されました。

ちなみに僕の場合,
- ホモエコノミカス
- 直感型
- 他人に流されにくい
- 認知的不協和がない
- お金をご褒美に使えない
- 現在バイアスが強い
- 損失回避傾向あり
- もうちょっとで運がつかめる
- 公平を求める
- タダ乗りしない(フリーライドではない)
というような結果でした。

たしかに言語化されると,全体を通してまあまあ当たっているなーと思います :-)
他の人から見たらどうなんだろう?

もちろんこれが良いかどうかってわけではなくて,あくまで自分の価値観が言語化されただけです。
そして,自分の行動っていうのはその価値観に基づいてするものなので,その結果がうまく回っているのであればそれでいいかな,と。
(今がうまく回っているかどうかはわからないけど,充実した日は過ごせています)

あと,こういう実験や情報で気をつけたいと思うのが,言語化されたことで必要以上に意識してしまうこと。今回の実験内にもあった同調圧力って,まさにそれなんじゃないかと思います。

余談ですが,最近の話題で言えば,『ほこxたて』や統一球の問題みたいなことも,あれって同調圧力の影響が大きいなと思ってます。話が逸れましたがw

■お金を意識することの大切さ
今回やってみておもしろかったのが,「お金」っていう人間があとから作り上げた価値観ではありながらも,少なくとも,今の日本は「お金」の存在意義が大きくて,たしかに3.11以降金銭的な価値以外へ目を向けられることは多くなったけど,それでも「お金」への意識は大きいわけで。
とくに,日本の経済圏で生活している以上,お金という,そこで認められている1つの価値を多く持っていることはメリットがあるわけですし,少なくとも不利な状況にはなりづらいと思います。
(たとえばこのイベントのチケット代は1,000円,Facebookクーポン(を今回初めて使いました)で800円という価値があるのです)

大事なのは,その経済圏には自分以外にもたくさんの人がいて,その周りの人も含めて,潤滑に回ることを考えなければいけないことなのかな,と。

このあたり去年本を読んで勉強していた「行動経済学」に通ずるものがあるなと思いました。

きれいごとなのかもしれないけど,金の亡者であってはいけない反面,お金を意識して,お金を稼いで,お金を使ってという流れで回していくことの大事さみたいなことが改めてわかったイベントでした。

ちなみに,このイベントは来週月曜日2013年6月24日まで。

ご興味のある方はぜひー

■おまけ
展示の一番最後に,以下のようなものがありました。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-終わり

自分の姿を写して,空欄を埋めてツイートしようという試み。

「意外なことに、私とは___な人間だ。だから私にとってお金とは___だ!」

うーん,当日もすぐに思い浮かばなく,今もブログを書いていてもピタッとハマる言葉がない。

来年の誕生日までに決めてそのとき発表しようw

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講/ダイヤモンド社