先日,銀座テアトルシネマで『天使の分け前』を観てきました。

『天使の分け前』
http://tenshi-wakemae.jp/

映画を観終わった感想は,「とにかくウィスキーが呑みたい!スモーキーでガツンと来るヤツ」でした。

ストーリーは「“懸命に生きる人たちが幸せになるには”というテーマのもと,人との出会いとともにハートフルな展開が繰り広げられていく」というもの。そこに,スコッチウィスキーがカギとなって登場します。

観終わった後,ホッとする,そんな映画です。それと,お酒,とくにウィスキー好きにはオススメの映画です。

■ミニシアターで観ること
今回,この映画を観に行ったきっかけは,作品内容ありきではなくて,上映館の銀座テアトルシネマ閉館のニュースを知ったから。
正式な発表は昨年5月に行われていたようです(気づいていなかった)。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-銀座テアトルシネマ

「ホテル西洋 銀座」「銀座テアトルシネマ」「ル テアトル銀座 by PARCO」営業終了のお知らせ
http://www.theatres.co.jp/news/2012/2012_05_16.html

以前『映画のミカタ』というエントリでも書いたのですが,映画を観るきっかけっていろいろあるんですけど,今回はたまたまネットニュースを観て銀座テアトルシネマの閉館のニュースを知り,さらにクロージング作品がかなり面白そうということで行ってきました。

ミニシアターについてはこれまでも自分にとって印象に残る,また,いろいろと影響を受けた作品を観る機会が多く,ロードショー系とはまた違ったアプローチでちょくちょく観にいっていました。
なので,ミニシアター閉館のニュースというのはちょっとさみしいですね。そういえば,銀座のレトロなミニシアター「銀座シネパトス」も今年の3月末で閉館になっています。

銀座シネパトス
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-シネパトス

ちなみに,ミニシアターって言葉ではよく使うんですけど,きちんと理解していなかったりします。ということで,さっそくWikipediaでチェック :-)
ミニシアター (mini theater) は、ブロックブッキングなどによる大手映画会社の直接の影響下にない、独立的な映画館のことをいう。旧来は「単館系」と呼ばれたものも指す。
一般に、定員200人程度までの小さい映画館であることが「ミニ」という名称の由来である。
(引用:Wikipedia「ミニシアター」より)

名前のとおり,サイズの小さい映画館,そして,配給が独立系のことですね。
2010年以降,本当にミニシアターが減っているような気がしていて,たしかに以前,恵比寿ガーデンシネマが閉館したときにもmixi日記(※要ログイン)でそのことに触れていました。

結局のところビジネス的な課題,需要と供給のバランスだと思いますし,あとは日本の生活様式の変化によって,ミニシアターよりも,ネットで予約してシネコンで観るみたいな流れのほうが,観やすくなったといったような理由があるのかな,なんて素人目には見えています。

相次ぐミニシアターの閉館。その原因は…
http://www.watacinema.com/?p=3635

■ミニシアターの思い出と個人的ランキング
最後に,自分のミニシアターの思い出を。

○シネマ・ジャック&ベティ(旧横浜名画座,神奈川・横浜)
一番最初に行ったミニシアターは横浜の「シネマ・ジャック&ベティ」。当時,リュック・ベンソンの『アトランティス』を観たのを強く覚えています。調べてみたところ,1991年の作品なので,今から20年以上も前です。
(うろ覚えなのですが,もしかすると当時の映画館名は「横浜名画座」だったかも)

『アトランティス』


で,この映画は僕にとっては本当に大きな影響を受けた作品で,この中に出てくるガラパゴスウミイグアナを泳ぐシーンを観て,「これは自分の眼で観てみたい!」となり,2000年にガラパゴス諸島に行ってきました。

ガラパゴスウミイグアナ。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-イグアナ

ガラパゴスウミイグアナとツーショット(よく見るといます)。
馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-ツーショット

話がそれましたが,おそらく当時はミニシアターとか配給とかまったく意識していなく,電車の中吊りか雑誌の情報からふらっと観に行ったように思います。

○渋谷シネマライズ(東京・渋谷)
次は渋谷,スペイン坂上にある「シネマライズ」。とくに社会人になってからよく通うようになっています。ここは,当初はスクリーンが3つあったかと思うのですが,今は1つになってしまいましたね。

で,シネマライズでは,アート&カルチャーをコンセプトにした作品がよく上映されて,とくに個人的に好きなAndy Warholや紙や過去の映像でしか知らない'80年代NYを扱ったものが多く観られるのでちょくちょく行っています。

そんな中,アートでもなくカルチャーでもなく,エンタメ映画として僕の中でNo.1の作品となっている『Lock, Stock and Two Smoking Barrels』を観たのも,ここシネマライズでした。Guy Ritchieの初の長編映画として,すごい印象的な作品でした。あのカット割りと音楽,スピード感,最高です。

『Lock, Stock and Two Smoking Barrels』


その他,『DOWNTOWN 81』『54』『Factory Girl』『バスキアのすべて』といった'80年代NYカルチャーを体感できるもの,最近では『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』など,僕好みの作品がたくさん観られるのでお気に入りのミニシアターの1つです。

『DOWNTOWN 81』



『54(フィフティ★フォー)』


『Factory Girl』


『バスキアのすべて』


『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』


○恵比寿ガーデンシネマ(東京・恵比寿)
最後にもう1つ。2011年1月に閉館してしまったミニシアター「恵比寿ガーデンシネマ」です。立地的にも良く,ここはNYのポップアーティストバスキアを描いた『バスキア』や,ダライ・ラマ14世の半生を取り上げた『クンドゥン』など,歴史的ドキュメンタリー(タッチ)作品が多い印象で,ここで観た映画きっかけで本を読んだりいろいろ勉強しようと思うことが多々ありました。

『BASQUIAT - バスキア』


『クンドゥン』


『グッバイ、レーニン!』


その他にも,『ワンエイティ・サウス 180°SOUTH』や『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』などなど,振り返ってみるとミニシアター映画はけっこうどれも印象に残っているように思います。

ミニシアター閉館というのは1つの時代の流れではありますが,僕自身,ミニシアターに行くことで何かのきっかけが見つかることが多くて,あえて表現するならミニシアターは僕にとって知的好奇心との出会いの場のような気がしています。

ですから,これからもユニークかつ印象的な作品が観られるミニシアターを応援していきたいです。なんか思い出ばっかり書いてちょっとセンチな感じになっちゃいましたがw,また,新作を観て定期的に振り返りたいですね!

さてさて。話を戻して。
最初に紹介した,『天使の分け前』は2013年5月31日まで。ウィスキーな方,オススメです~

『天使の分け前』/銀座テアトルシネマ
http://www.ttcg.jp/theatre_ginza/nowshowing

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